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「Call me Miss...」 スペシャルインタビュー
 2月8日にシングル「Kirakuni」をリリースしたCrystal Kayが、前作『Crystal Style』以来、約1年ぶりに6thアルバム『Call me Miss...』を2月22日にリリースする。大ヒット・シングル『恋におちたら』『Two As One』、そして最新シングル『Kirakuni』を含む全14曲(初回盤はボーナス・トラック1曲をプラスした全15曲)は、Crystal Kayが歌う音楽の振り幅の広さを感じ取ることができるアルバムだ。

--前アルバム『Crystal Style』は、とにかくいろんなタイプのジャンルにチャレンジした作品でしたけど、今回のアルバムはどんな作品にしようと考えていたんですか?
「『Crystal Style』を作り終えてすぐくらいから、次のアルバムの話はスタッフとよくしてたんですよ。あれだけいろんなタイプの曲にトライした『Crystal Style』の次は何をやればいいんだろうねって感じで。で、そこから『恋におちたら』っていうJ-POPド真ん中のわかりやすい曲がシングルで出て・・・。たぶん今回のアルバムは、あの『恋におちたら』のわかりやすいポップな歌モノがまず最初にあったことで、そこからどう他の曲を選んでいく?っていう風にスタートした気がしますね」
--とはいえ、いつも通りキチッとしたコンセプトを前もって決めるのではなく、アルバムを作り始めたんでしょう?
「そうですね。ただ、やっぱり“恋おち”はある意味、強烈に印象に残る曲だと思うので・・・。それはあの曲がたくさんの人たちに聴いてもらえたという点でも、ね。なので、コンセプトやテーマではないけど、“恋おち”以外の曲でどう見せていくか的なことは少し考えてたかもしれない」
--それこそ、“恋おち”のインパクトに負けないくらいの曲は集めたいよねって感じ?
「うーん。そこまでは考えてなかったとは思うけど、結局はそうなっちゃってたって感じかも(笑)」
--“恋おち”のような超ポップな曲も入っているし、R&Bの色が濃い『Fly to you』のような曲も入ってるし、切な系の「きっと」みたいな曲も入っていて、本当にCrystal Kayの歌は振り幅が広いなと思った。
「自分では振り幅が広いと言われても、よくわからないんですけど(苦笑)。でも、いろんなタイプの曲を歌っていけたらいいなとはいつも思ってて・・・。『Crystal Style』はそういう思いがあって新しいことにいっぱいチャレンジできたアルバムだったし、あのアルバムで、あぁ私にもこういうタイプの歌が歌えるんだっていう新しい発見もたくさんあって・・・」
--となると、今回のアルバムはある意味『Crystal Style』の延長線上にあるのかな?
「うーん。延長にあるものを作ろうって意識はなかったですね。ただ、どの作品に対してもいつも思うのは“新しい感じ”が入れられたらいいなって・・・。それがどんなタイプの曲であっても、自分のものにして歌いたいなっていう思いはいつもあるかもしれない。あ、でもね、アルバムを作り始める頃にスタッフに一応言ってたのは、“アッパーなアルバムにしたいな”ってこと。切な系少なめ。バラード系少なめって言ってました。別に切な系やバラードが嫌いになったわけじゃないですよ(笑)。ただ、他にもいろいろ歌いたいなってところで言ってみた(笑)」
--今回のアルバムは今まで以上に様々な作曲家の方達と共作してますね。6曲目の『KTK』なんて、作詞作曲がCrystal Kay!”
「昔はね、自分が作曲するなんて考えたことがなかったんですよ。なんていうんだろ・・・。私は“歌う人”?っていうか、たぶん歌うってことだけで精一杯だったんでしょうね。でも、少しずつ少しずつ自分はこういう曲や詞が歌いたいんですっていう気持ちを、ちゃんと自分の言葉でスタッフや作家さんたちやアレンジャーの人たちに伝えられるようになってきて・・・。ホント、昔は作曲には全く興味がなかったんですけどね(苦笑)」
--たとえば今回収録された共作曲ではどのような共作のやり方をしたのか教えてもらえますか?
「Konoさんと共作した『テレパシー』は彼と一緒にスタジオに入って、こんなコードでこんなメロディでやるとどうなりますか?って彼に伝えて、それを形にしていったんですよ。Konoさんは私のライブで一緒にやっているバンドのバンマスだし、ライブのストリングス・アレンジをやってくれている方なので、気心が知れててとてもやりやすかったです。いつもね、“一緒に曲を作れたらいいね”って言ってたので、今回『テレパシー』でそれができてすごく嬉しい」
--セッションみたいに一緒に作ったんだ。
「ですね。『Crystal Style』に入っていた『MAKE YOU MINE』や『BET YOU DON’T KNOW』で一緒に作ったAshley Ingram(Des’reeを長年手がけているイギリス人のプロデューサー)の時のような曲作りのやり方でしたね」
--ところで、自分で作詞作曲した『KTK』の“KTK”って一体何のこと?
「ウフフッ。何でしょう(笑)」
--何だろう!?
「歌の一行目をそのまんまタイトルにしちゃったんですよ」
--ん?♪君の態度が最近変わりはじめている♪ですか!?
「この歌、“倦怠期の歌”なんですよ(笑)。でね、ずっとタイトルが決まらなくて、その一行目のまんま『君の態度が最近変わりはじめてる』って、すんごい長いまんまの仮タイトルにしてて(苦笑)。でも、それじゃああまりにも長すぎるよなぁっていうんで、君の“K”、態度の“T”、変わりはじめてるの“K”で『KTK』になったんですよ」
--Crystal Kayも“倦怠期の歌”を歌うようになったんだねぇ・・・。
「アハハハハ。こういう歌詞も歌えるようなお年頃になりました!!」
--m-floのTAKUさんと作った『I Know』なんて、横恋慕の歌だしね。
「ん?横恋慕って何ですか?」
--人の彼氏を好きになって奪っちゃうことをそう言うんですよ。
「へえ〜。日本語にそういう言葉があるの、初めて知った〜。でも、別にこの歌の女の子は人の彼氏は奪ってないですけどね(笑)。彼女がいる人だけど、好きになっちゃったっていう歌です」
--全体的に歌詞が大人っぽくなってるなぁと思ったんですけど。
「そうかもしれませんね。ま、クリも2月26日で20歳になるんで、これくらい大人っぽくなってても、違和感はないんじゃないかなと思ってます。
--『Kirakuni』でJam & Lewisと一緒にレコーディングしたり、共作曲が増えたり、作詞作曲を一人でやった曲があったりと、今作でも“新しいCrystal Kay”をたくさん見せてくれてる。
「メリハリがあるアルバムかな。聴かせる曲もあるし、ノリのいい曲もあるし、さわやか系もあるし、グッとくる切な系の歌もあるし・・・。なんかね、曲順を決める時に思ったのは、このアルバムってライブっぽい流れのある作品だよなぁって。私ね、このアルバムを聴いてくれる人達に、この曲順のまんま聞いてもらいたいんですよ。曲をスキップして飛ばして聴いてもらいたくないなぁって・・・。このアルバムのメリハリ感をそのまんま聴いて下さいねって感じ」
--初回盤には『Kiss』のオーケストラバージョンが収録されますね。
「アルバムがライブのような流れがあって、ラストの『涙があふれても』のあとに、少し空白があって、『Kiss』のオーケストラバージョンが流れるんですけど、これはオマケっていうか・・・。ライブが終わったあとって会場にSEを流したりすることってあるでしょう?あのSEみたいな感じ?ちょっとみなさんに余韻を感じてもらえたら嬉しいなと思って(初回盤に)入れてみました」
--アルバムのタイトル『Call me Miss...』は、どんな思いで命名したんですか?
「クリも“Miss”って言ってもらえるような年令になりましたっていうのもあるし、バースデイ・アルバムでもあるし・・・。あと、曲によってその曲の中にいる主人公が、いろんなタイプの女の子だと思ったので、それこそ曲によって、この歌の女の子は“Missセンチメンタルだね”って思ってくれたり、“Miss KTK”だねって思ってくれてもいいなって・・・。それぞれの“Miss○○”が曲の中にいるんですよね。子供の頃にね、ちょっと背のびして“Miss○○”なんて読んで遊んだりするのね。大人の女性に対する呼び方がMiss。なので、私も“クリスタル・ケイちゃん”から“クリスタル・ケイさん”“Miss Crystal Kay”って呼ばれてもおかしくない年令になってきたなっていうのも含めてこのタイトルにしてみました」
--20歳になる気分ってどんなですか?
「ちょっと前までは、20歳になるのがイヤだったんですよ。10代じゃなくなっちゃうのがすごくイヤだった。でもね、最近は早く20歳よ、来い!カモン!!って感じになれましたね。なんか、20代が楽しみになってきた。昔は自分が気にしすぎていたのかもしれないけれど、周りが大人の人達ばかりだったから、どこか自分が子供扱いされてるんじゃないかと思ってた時期もあって・・・。でも、私も20歳ですからね!!これから大人の友達が増えたらいいな」
--さて、3月中旬からは全国6ヶ所13公演の全国ツアーがスタート。どんなライブになりそうですか?
「今回のアルバムの曲が中心にはなると思うんですけど、いろんな曲を歌いたいですね。衣装も派手にして、ダンスも激しくして、見せる部分も大切にしたい。今までのツアーより本数があるので、体力もつけなくちゃ。走るのは苦手だけど(苦笑)、ツアー中も早起きして走ろうっと!!」

interviewer:松浦靖恵


過去のインタビュー

●「Kirakuni / Together」 (2006.2.8)
●「Two As One」 (2005.10.5)
●「恋におちたら」 (2005.5.17)
●「Crystal Style」 (2005.3.2)
●「Kiss」 (2005.1.26)
●「Bye My Darling!」 (2004.11.17)
●「CK5」 (2004.6.30)
●「Motherland」 (2004.5.12)