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―Motherland―
 18歳になったクリスタル・ケイが約半年の沈黙を破って遂に2004年第一弾シングル「Motherland」をリリースする。アニメ「鋼の錬金術師」のエンディング・テーマにも起用されたこの曲、意外にもシングルとしては初となるバラードだが、柔らかなメロディーを優しく丁寧に歌い上げるクリスタルの力量には、今回も溜息つくのみだ。親しみやすいメロディーも多くの人から支持されることだろう。そんな傑作バラードを作り上げたクリスタルに早速インタビュー。アーティストとして著しく成長している様子が、頼もしい発言の数々からも読み取れるはずである。

--ファンのみんなの前に出るのはクリスマスのライヴ以来だよね。その後はどう過ごしてたの?
「結構のんびりしてた。学校行ったり(部活の)バスケも2月まであったから。けど今回の新曲のレコーディングはお正月あけてすぐスタートしたんですよ。今回はアニメのエンディング・テーマってのが先に決まってたんだけど、そのためのデモを1月の4日か5日くらいに出さなくちゃいけなかったから。」
--デモは何曲くらい録ったの?
「3曲くらいですね。その中からこれが選ばれて。」
--シングルとしては初のバラードになるんだよね。
「そうなんですよね。今までバラードを拒否していたわけじゃないんだけど、なぜかなくて。アップを出したいって気持ちも大きかったし。実はクリ的には次もアップでいきたいと思ってたくらいだったんですよ(笑)。」
--そうだったんだ。けどアップが続いたから、バラードを歌うのは新鮮だったんじゃない?
「そうですね。けど最初この曲のデモを聴いた時は、歌謡曲っぽいメロディーにちょっと抵抗があって。ちゃんと歌えるかなって心配だったんです。けど歌ってみたら自分なりの歌い方ができて、今では凄くいいものが出来たかなと思ってますね。こういう歌いやすい曲は今までなかったし、メロディーも親しみやすいから、みんなに歌ってもらえるんじゃないかなとも思うし。」
--完全にクリちゃん色に染まってるし、まさかそんな気持ちがあったなんて、ビックリだよ!
「アレンジを変えたら凄く印象が変わったんですよ。もうちょっとビートをはっきりして欲しいとか、ストリングスとかを入れてドラマティックにして欲しいってことは言ったんです。アレンジが変わると気分も変わるし、自分のものにして歌っちゃえ!っていう気持ちでレコーディングには臨みましたね。」
--素晴らしい! 逆にプロデューサーさんからの指示とかはあったの?
「特にはなかったですね。お任せで。自分では曲に合わせてドラマティックな感じで歌おうとは心掛けました。」
--この曲は歌詞に英語が一切無いんだよね。アニメ用だからなのかな?
「そんなに深い意味はないと思いますよ。たまたまだと思います(笑)。」
--英語がないのには躊躇しなかった?
「うん、しなかった。というか、気づいてもいなかった(笑)。クリ、かなり日本人になってきたのかなぁ(笑)。」
--それだけ歌っていて違和感がなかったってことだよ。
「デビュー当時は日本語が難しくて、レコーディングも凄いトラブってたんですよ。日本語が喋れないわけじゃないんだけど、歌うと違うんです。今思えば、文字を歌ってる感じだったのかもしれないですね。けど行間の意味がわかるようになってきて、歌詞の意味を思いながら歌うようにしたら、歌に深さが出てきたかなと思うんですけど。 」
--バリバリ出てるよ!
「良かった〜(笑)。」
--そういう意味でもクリちゃんの成長が窺える曲になってるわけだ。
「そうですね。」
--カップリングの「As It Began」はサウンドは春らしいけど、失恋ソングなんだよね。タイトルの「As It Began」ってどういう意味なの?
「始まった頃のように」。
--あの頃のように戻ろうよってことなんだ。なるほどね〜!
「けどクリは歌詞を読んで、2人が元に戻る可能性もまだ残ってるのかなと思ったんですけどね。みんなも色んな風に捉えてくれればいいなと思います(笑)。」
--この曲は最初デモを聴いた時、どう思ったの?
「これはねぇ、最初ロックだったんですよ。」
--へ〜! それも全然違うね。
「クリ、ロックでも全然いいんだけど、あがってきたオケがちょっと微妙な位置にあったから、ロックだったらもっとはっきりとしたロックか、それじゃなかったらもっとR&Bっぽい感じにしたくて。で、ビートをもうちょっとはっきりさせたらこういう感じになったんです。凄く爽やかな曲ですよね。コンサートの最後の方にみんなで歌いたいなって今から勝手に思ってます(笑)。」
--この曲はBEYONCEとかBLACKSTREETとかをプロデュースしてる人(Andreao Heard & Sherrod Barnes)が作ってるんだよ。
「そうなんですか。アメリカからデモを貰って、その中から選んだんですよ。」
--クリちゃん、BEYONCEと繋がってるじゃん!とか思ったんだよね。
「勝手に繋がってみました(笑)。」
--2月で18歳になったし、7月にはデビュー5周年を迎えるね。
「早いですよね。けど大学があるから、これからも歌と学業との両立は変わらず続くと思うんですけど。」
--そっか、大変だね。けどクリちゃんには可能性が凄いあるから、今年も色んなことにチャレンジしてほしいな。
「今年はダンスと歌の修行をしたいですね。あと去年アジア・デビューも果たしたし、もっと色んな国に行って色んな人の前で歌ってみたいですね。」

interviewer:川口真紀


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