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―Kirakuni / Together―
 クリスタル・ケイが'06年第一弾シングル「Kirakuni / Together」(両サイドA面)を2月8日にリリース。「Kirakuni」はジャネット・ジャクソンやTLCなど数々の有名アーティストたちのプロデュースを手掛けたプロデュース・チーム“Jam & Lewis”を迎えた全英語詞の軽快なダンスナンバー。「Together」はテレビ東京系「トリノ2006」のテーマソングになった力強くてノリの良いパワーアップソングだ。

--Jam & Lewisが『Kirakuni』のプロデュースを手掛けることになったいきさつは?
「これはもう、ホントに最初はチラッと言ってみただけ!って感じだったんですよ。次のアルバムに向けたミーティングの時に、スタッフから“誰か一緒にやってみたい人っている?”って聞かれて、その時に“たぶん無理かもしれないけど・・・Jam & Lewis?”なんて言ってて。そしたら本当にプロデュースをやってもらえる事になってビックリ!」
--言ってみるもんですね(笑)。
「ホント、そう!!言って良かったぁ(笑)。」
--彼らとの作業はどんな感じで進んでいったんですか?
「最初はEメールアドレスをもらって、2人とメールでやりとりしてねって言われてたんですけど、忙しかったのかなかなか返事がこなくて(苦笑)。で、そのあとチャットしながら、どんな曲にしようか、どんな曲にしたい?って話をしたんだけど、それでもなかなか曲が(日本に)送られてこなくて、どうなっちゃうんだろ!?って感じだったんですよ(笑)。でも、彼らって私に限らず、特に初めて一緒に作品作りをする相手とは、実際に本人と会ってから(曲を)作り始めるんですって。もちろん、前もってプロフィールやそれまで出したCDは彼らの元に渡してあるんだけど、“逢うまでどんな人なのかわからないから逢ってから作るんだよ”って言ってました。」
--Jam & Lewisはどんな人たちでした?
「とにかくジャネットとかいろんなアーティストとの人たちと一緒にやっている人たちだから緊張してたんですよ、私。でも、ものすごくいい人たちで、音楽が大好きなんだなぁっていう彼らの姿勢がストレートに伝わってきました。確か、彼らは50歳くらいなのかな。お父さんみたいだった(笑)。とにかく、曲を作るとかプロデュースするって事に関してはものすごい経歴を持ってる2人だけど、スタジオの中でも、一緒にゴハンを食べた時も、一緒にいい作品を作ろうね!って感じで、私の事をわかろうとしてくれたし、まかせることができた。なによりも“僕達は一緒にやりたいと思う人じゃないと一緒にやらないんだよ”って言われた言葉がすごく嬉しかったですね。」
--クリスタル・ケイからは彼らにどんな曲をやりたいと伝えたんですか?
「踊れるキャッチーな曲が歌いたいなって伝えました。去年は『恋におちたら』や『Two As One』で、王道のJ-POPをやったでしょう?それこそJ-POPド真ん中の。だからクラブとかでもかけられて、みんながノリノリで踊れるようなダンス・チューンをやりたい!って思ってた。ただ・・・、Jam & Lewisがプロデュースしたこの曲って、最初からシングルにしましょう!って作ってたわけじゃないんですよ。さっき言ったように、次のアルバムで誰か一緒にやりたい人はいる?ってところから決まった話なので、去年『恋におちたら』や『Two As One』でいろんな人たちに聴いてもらったから、次はアメリカのプロデューサーで行くぜ!!ってやった事だとは思ってもらいたくなくって・・・」
--だって、彼らの名前をダメモトで言ってみたら実現しちゃったんだものね。
「そう。ホント、偶然なの。でね、彼らと一緒に作った『Kirakuni』が、ものすごくいい曲だったから、アルバムの中の1曲じゃもったいないなぁ、たくさんの人に聴いてもらいたいなぁって、急遽シングルにすることに決めたんですよ」
--それにしても、全英語詞の『Kirakuni』をシングルとしてリリースするのって、とても素晴らしい挑戦だなと思いましたよ。
「もしかしたら日本語訳にして発表することもできたのかもしれないけど、英語詞の曲でもこの曲ってみんなを引きつけるパワーがすごくあるんじゃないかなと思って・・・。あと、この英語詞の中に“kirakuni(気楽に)”とか“rikai dekinai(理解できない)”っていう日本語がチラリと入ってるんですけど、彼らから“Take it easyって日本語で何て言うの?”って聞かれて、私が“気楽にいこうよかなぁ”なんて言った事がそのまんま歌詞に反映されちゃったんですよ。」
--英語詞の中にチラッと日本語が入ってるのがおもしろかった。
「でしょう?彼らも“おもしろいよ!キャッチーだよ!”って楽しんでた。」
--歌入れの時、2人から何かアドバイスはありましたか?
「特別なアドバイスというか・・・。こうしなさいっていうようなアドバイスはなかったですね。ド頭のところがものすごく早口なんですけど、難しいよ〜って私がボヤいてたら、大丈夫!できる!できる!って言われたり(苦笑)。なんだろ・・・。アメリカって、その人がストレートに出ているものを求めるでしょう?そのぶん私は緊張もしたんですけど、彼らは「クリスタルのまんまでいいんだよ」っていつも言ってくれた。それこそ「もっとシスターの血を出しなよ。君のブラックの血をもっと出していいんだから」って。ホント、いつも私を盛り上げてくれたんですよ」
--他にもエピソードはありますか?
「そうですねぇ・・・。あ!コーラスとメインボーカルを録ったあとに、“じゃあアドリブやろうか”って言われたんですよ。でもね、実は私、アドリブって苦手で(苦笑)。うわぁ〜どうしよう、アドリブ苦手だよぉ〜って騒いでたら、彼らに“なにジャネットと同じこと言ってんだよ!”って笑われちゃった(笑)」
--あら、ジャネットもアドリブが苦手なんだ!?
「そうみたい。あとはね、スタジオのホワイト・ボードにJam & Lewisがこれからやる仕事が書いてあって・・・。そこにジャネット・ジャクソン、ジェシカ・シンプソン、クリスタル・ケイ、メアリー・J・ブライジって、私の名前がものすごい人たちの名前と一緒に書いてあったの!WOW〜!って思わず写真を撮っちゃいました(笑)」
--Jam & Lewisとの出会い、全英語詞のシングル曲と、'06年の初めにリリースする『Kirakuni』は、また新しいクリスタル・ケイの歌になりましたね。
「新鮮だったし、とてもいい経験になりました。とても楽しいレコーディングだったし、いい曲が完成したし・・・。ホントにいい感じで'06年のスタートが切れました。」
--アルバム『Crystal Style』で様々なジャンルの歌を歌って、シングル『恋におちたら』『Two As One』でJ-POPド真ん中の歌を届けて、クリスタル・ケイの振り幅を昨年は多くの人たちに印象づけられたでしょう?だからこそ、全英語詞の『Kirakuni』でもまた新しい歌を届けることができたんだと思いました。
「うふふ。そう感じてもらえたら嬉しいなぁ。まだまだ私には今まで歌っていないタイプの歌がたくさんあると思ってて・・・。今回のJam & Lewisとの出会いもそうですけど、これから新しい出会いを大切にしたいし、今まで一緒にやってきた人たちとのつながりも大事にしながら、いろんな歌を自分のものとして歌っていきたいなって思ってるんですよ」
--さて、2曲目に収められた『Together』の話も聞かなくちゃ。
「この曲は新しいアルバム(2月22日発売の6thアルバム『Call me Miss...』)を仕上げている段階で録った曲です。「トリノ2006」のタイアップのお話がきた時に、どんな曲がいいのかなってスタッフといろいろ話したんですけど、トリノ・オリンピックの番組とはいえ、あえてそこに近づけようっていうのはそんなに考えなかったですね。ただ、スポーツの番組なので、バラードじゃあないよね、まったりしない方がいいよねってくらいで(笑)。とにかく、最初デモを聴いた時から、この曲いいね〜って盛り上がってたんです」
--迫力があって、ノリのいい曲ですもんね。
「作詞家の方も作曲家の方も始めて一緒にやる方たちだったんですけど、まぁ私はこれまでも始めての方が多いんで(苦笑)。」
--Jam & Lewisも、ね。
「そうそう(笑)。新しい人たちから送られてくる曲や詞って、新鮮ですね、いつも。また、これまでにはなかったタイプの曲が感性したなぁって思いました。」
--3曲目には『恋におちたら』のハウス・リミックスも収録。
「あの『恋におちたら』を大胆にハウスにしちゃうっていうところが、なんかすごく楽しくて、面白いと思いません?」
--ええ。あのJ-POPド真ん中の『恋におちたら』が大変身!
「たぶん、『恋におちたら』って多くの人たちにクリのことを知ってもらえた曲だったから、ここまで大胆にリミックスする事ができたんだと思う。」
--クラブでかけてもらいたいよね。
「ですね!『恋におちたら』で踊る!!リミックスで曲の雰囲気がこんなに変わっちゃうんだ!!って、ビックリもしてもらいたいかな(笑)。」
--このシングルがリリースされた2週間後には約1年ぶりのニュー・アルバム『Call me Miss...』もリリースされますね。ちらっとそのアルバムのことを教えてもらえる?
「『恋におちたら』のようなものすごいポップな曲も入ってるし、R&Bっぽい曲も入ってるし、いろんな曲が入ってるアルバムですね。でも、全体的にはアッパーな曲が多いかな。詞もね、ちょっと大人っぽいかも。クリも2月26日で二十歳になるし、ね(笑)。」

interviewer:松浦靖恵



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