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―Crystal Style―
 クリスタルケイ、新たなる魅力満載のアルバム完成...

--5thアルバム『Crystal Style(クリスタイル)』が完成した今の気持ちをまず聞かせてください。
「やったー!終わったぁーっていうのが今のいちばんの感想ですね(笑)。今回は制作期間が長かったというか・・・。それこそ大げさじゃなく前回のオリジナル・アルバム『4REAL』を作り終えてから、実際にスタジオワークは始まっていなくても、ずっとこのアルバムに向かって歩いていたような気がするし、その間にセレクションアルバム『CK5』やシングルのリリース、高校の卒業や大学への入学があったりもしたので、あわただしい生活の中でアルバム作りをしてたって感覚なんですよ。とにかく〆切日のギリギリまで作業していたレコーディングだったから、終わったぁ〜!っていう思いが今はすごく強いですね」
--セレクション・アルバム『CK5』のリリースはありましたけど、オリジナル・アルバムとしては2003年11月に発表した『4REAL』以来、約1年半ぶりの5thアルバムですものね。実際にこの『Crystal Style』の制作がスタートしたのはいつ頃からなんですか?
「『4REAL』を出した頃はまだ具体的に次のアルバムはこうしようっていうテーマみたいなものは生まれてなかったんじゃないかな。確か・・・「Motherland」(14thシングル)あたりから少しずつアルバムに向けて動き出していたような気がする。だから2004年の春くらいですね。前とちょっと違うことをやりたいとか、今までやったことのないような曲・・・たとえば2ステップやロックにチャレンジしたいとか、ほんと少しずつ自分がやりたいと思ってる音楽を形にしていった。ま、そこにある大きなテーマみたいなものが“イメチェン”だったんですけど・・・」
--15thシングル「Bye My Darling!」は、この5thアルバムに向けたいちばん最初のイメチェン作品だった。
「そうですね。16thシングル『Kiss』も今まで歌った事のないような大人っぽいラブソングだし・・・。私の中でも高校を卒業するのを大きな転機として考えていたように、スタッフの人たちもこれからはハイスクールガールではないCrystal Kayの音楽を歌ってほしいっていう気持ちがあったので、そのタイミングをいつにしようかっていうのは考えていたと思うんです。それが新しいアルバムを出す前にできたのはすごく良かったですね」
--しかも、インパクトの強い「Bye My Darling!」や「Kiss」でね。
「ですね。わかりやすいスタイルでみんなに届けることができたと思います」
--Crystal Kayからは、次のアルバムでは誰とどういうことをやりたいという具体的な提案はあったんですか?
「誰とやりたいというのは別に具体的には行ってなかったかな。何でも来い!って感じだったので、1曲1曲違うことにトライしてみたかったし・・・。新しいCrystal Kayをみんなに感じてもらいたかったから、ホント、なんでも来い!でしたね」
--なんでも来い!っていうのは、自信の表れでもあると思うし、一方でここでいろんなことにチャレンジしないと次のステップには進めないっていう気持ちの表れでもあるのでは?
「はい。その両方だと思う。絶対にできるっていう気持ちがないと歌えないし、いろんな曲を歌っていくことで成長していくと私は思ってるから」
--でも、今までのCrystal Kayを全とっかえしてるわけじゃない。
「100%すべて変えるのって、いきなりできないですよね。今までのことを決して否定してるわけじゃなくて、変化することも成長することも自然にそうなればいいわけだし・・・。Crystal Kayを変えるっていうんじゃなくて、自分の中にある変化や成長を歌に反映したいってことなんですよね。それを言葉にすると私の場合は“イメチェン”とか“チャレンジ”になってる。「Kiss」のような曲は14、15歳の私じゃ歌えなかったけど、今ならこういうタイプの歌を歌ってもいいかなって思える自分がいるのは、ひとつの変化、成長なんですよね。曲を形作るときも自分の意見がちゃんとハッキリ言えるようになったのも、m-floとコラボした「I LIKE IT」が大きなきっかけだった。コラボする時ってお互いのアイディアをやり取りしないと成り立たないでしょう?あの時に実際にやり取りしたことが、ちゃんと私の中にインプットされているので今回も自動的に意見をみんなに伝えたし、コーラス・アレンジにもアイディアをたくさん出したし・・・。これまでの積み重ねがあるから今の私がいるんだなってあらためて思いました。何が大切なのか、何を伝えたいのかっていうことが自分の中でどんどんハッキリしてきてるから、意見やアイディアも言葉でちゃんと伝えられるようになったんだろうなぁ。」
--ニューアルバム「Crystal Style」に収められた曲たちは、バラエティにとんでいて、メリハリがきいていて、しかも1曲1曲が濃いですよね。いろいろあって飽きさせないアルバムだと思った。
「たくさんの曲たちの中から選んだ曲なので、それぞれ個性が強いですよね。でも強いけど、わかりやすい。曲を選ぶのって、名前が売れてるからその人が作った曲を歌いたいわけじゃなくて、これっていい曲だよねとか歌いたいっていう気持ち優先。もちろん、この人と一緒にやってみたいなという人がいれば、ちゃんとスタッフには伝えますけど。Ashley Ingramとの出会いもそんな感じでしたね。彼とは都内のホテルに機材を持ち込んで二人で一緒にゼロから曲作りをスタートしたんですよ。そういうやり方は初めてだったけど、かなり楽しかったし刺激的でしたね。Ashley Ingramとの作業は本当に勉強になりました。先生みたいにいろんなことを教えてくれたし、いっぱいやり取りもできたし・・・」
--英語でやり取りができるのっていいよね。微妙なニュアンスもちゃんと伝えられる。
「通訳なしでストレートに伝えられるのはモノ作りにおいてすごく重要ですね。」
--で、日本人との作業もCrystal Kayは日本語が話せるし理解できるから決して苦ではない。
「あー、そうですよね。そういうことを考えたことがないくらい普通のやり取りです(笑)。」
--『Crystal Style』を聴いていて、私がとてもおもしろいなと感じたのは、アメリカ人でありアジア人でもあり、邦楽の感覚も洋楽の感覚も持ち合わせていて、それがいろんな曲の中でいろんなミックスをしてるんだなってところだった。
「実はAshleyにも同じようなことを言われたんですよ。彼と一緒にやった「MAKE YOU MINE」は英語バージョンと日本語バージョンを作ったんですけど。彼にね、「気味のすごいところは英語でもそのまま普通に歌えるし、日本語でもそのままちゃんと歌えるところだね」って。で、彼の友達(イギリス人)に私の歌を聞かせたら、やっぱりその人もそういうところで私のことをおもしろいと思ってくれたみたい。でも、私自身は今まで自分をそういう風に感じたことがなかったし、意識したことがなかったので、言われてみて初めて“へぇー、私ってそうなんだぁ”って思った(苦笑)」
--「Kiss」のようなJ-POPの王道のラヴ・バラードも歌えちゃうし、「MAKE YOU MINE」や「BET YOU DONユT KNOW」のような洋楽らしい曲も歌えちゃう。で、その洋楽らしい曲を日本語詞で歌えちゃうっていうのがCrystal Kayのおもしろいところなんですよねぇ。誉めすぎかなぁ(笑)。
「どんどん誉めてください(笑)。」
--歌に対してだけではなく、レコーディングで大切にしていることはありますか?
「「Kiss」に限った事ではないんですけど、歌い手として心がけていたいのはスタッフたちとのやりとりかな。今回「Kiss」のアレンジをしてくれた冨田恵一さんとは初対面だったんだけど、最初からバンバン言いました。コミュニケーションって、ひとつの作品を一緒に作るうえでとても大切な事だと思っているので、お互いの意見をちゃんとやりとりしたいんですよね。それは音楽的なことでも、漠然としたイメージでも、オケのことでも、歌い手として伝えなきゃいけないことはしっかり言うようにしてます。」
--歌詞においても、今の年令に重なり合う歌詞ばかり。強い女の子もいるし、迷ったり悩んだり涙したりしてる女の子もいる。だけど、どの女の子も最後はちゃんと前を向いて一歩を踏み出してる主人公ばかりだと思った。
「クリも前に比べて強くなれてきたからなのかなって思う。「LOVE it TAKE it」の歌詞は、そういう部分がとてもよく出ているんじゃないかな。作詞家の人が書いた詞も、別にこういう風に書いてくださいと依頼したわけじゃなくて・・・。きっと今のクリを見て感じてくれたことを(詞に)書いてくれたんだと思うんです。それこそ、もうハイスクールガールの歌じゃないでしょって感じで(笑)。自然と詞の主人公の女の子も今のクリと重なってるんですよね」
--アルバムのタイトルは『Crystal Style』。わかりやすいですよね。
「ほんと、わかりやすいでしょう?このアルバムにはわかりやすいタイトルがいちばん似合うなと思って。でも、実はこのタイトルってずっと温めていたものだったんですよ。だけど、以前はまだこのタイトルで作品を出すのは時期が早いなと思って、いつかきっとその日が来るはずだなって待ってた。そうしたら、来たんですよ!こうやってこのタイトルにずばり当てはまるアルバムが。いろんなスタイルが入ってるアルバムにピッタリでしょう?」
--ええ、そう思いました。バラードあり、ROCKあり、ハウスあり、パーティチューンあり。遊び心のあふれた楽しい曲もじんわりと聞かせる歌も、Crystal Kayが歌うとこうなるよっていう“クリスタイル”が詰まってる。
「こうやって、いろんなスタイルが出せるようになったCrystal Kayがこのアルバムにはいるので、もうそのままズバリで行かせてもらいました!そのいろんなスタイルをあるていど自分のものにできたなと思えたから今このタイミングで出せたタイトルなんだと思う」
--もちろん、ここからまたいろんな歌にチャレンジしていくよっていう意思表示をしたアルバムとしても、このタイトルはピッタリですものね。
「ですね。ここからまた広がっていきたいし、まだまだチャレンジしたいことはたくさんあるので・・・。そうそう、ジャケット写真もいままでとは違う感じなんですよ。今の私をそのまま伝えたいという思いもあって、上半身ハダカ!でも、Sexyな感じではなくて(笑)、素のまんまな感じというか。うん。今まででいちばんクリらしいかも。」
--3月からは約1年8ヶ月ぶりの全国ツアーがスタートしますね。
「全国ツアーをするのはかなり久しぶりなので、とても楽しみですね。年末のライヴではけっこうダンスを披露したんですけど、今度のツアーでもちゃんと歌って踊れるライヴにしたいです。衣装の方もイメチェンと併せてもっとハデめでいきたいなと思ってて・・・。歌って踊って、見せて聞かせるライヴとして、私にしかできないスタイルのライヴにしたいです。『Crystal Style』の曲だけじゃなくて、それこそ久しぶりのツアーなんで昔の曲も歌ってみたい。新曲の歌詞もしっかり覚えて、昔の曲も歌詞を忘れてるかもしれないんでそれもちゃんと覚え直さなくちゃね(笑)。会場オールスタンディングだし、札幌や仙台では始めてのワンマンライヴだし、クリは誕生日を迎えて19歳になってるし(笑)、いろんな楽しみがあるツアーになりそうです。」

interviewer:松浦靖恵


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