制作スタッフインタビュー
音楽監督 中武敬文

基本的な質問ですが、音楽監督というのはどういった仕事ですか?
結論から言うと、監督と音楽を作る人の理解者じゃなければいけないだろうというのがあります。昔のヒッチコックとバーナード・ハーマンみたいに監督と音楽を作る作家が100%がっぷり四つで理解充分って状態がホントは理想なんだろうけど、それぞれそうもいかないと思うので、3人目の存在として、いたらいい人って感じかなと。
週一でやるTVアニメの場合はもうちょっと物理的な事情でこういう人が必要だったりしますけどね。作家の人が毎週この選曲作業やるわけにもいかないですし。
TVと今回のOVAでは仕事内容が違いますか?
テレビの場合は劇伴(劇中音楽)を発注する作業よりも、音楽を選曲して編集して貼り付ける作業なんです。今回の「01」はOVAということで事前に音楽ライン打ち合わせをして、作曲する時点で選曲してしまうという様な進め方になります。ちょうど先日ライン引き(打ち合わせ)をやって、選曲作業を事前に監督と作曲の和田薫さんを含めてやった感じです。普段一人でビデオ見ながら考えることが多いんで、ああいう風に複数で打ち合わせができたのは良かったです。
そもそもどういう流れで音響制作は進むのですか?
音響制作の作業としては、まずAR(アフレコ)が行われて、台詞だけがのっている映像が出来上がって、それを元に効果さんが効果音を作り、音楽監督としては演出を含めた選曲と編集をするわけです。それを持ち寄ってミキサーの方のもとで台詞、効果音、音楽を合わせて完成させます。その行程は全部デジタル化されてて、MAC上のプロトゥールスという有名なソフトで作業しています。
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