TRACK 10.
グロリア・エステファン&マイアミ・サウンド・マシーン/エニシング・フォー・ユー
 ラテンのリズムは、本来は複雑で、訓練すれば、ある程度はモノにできるが、美しく、完璧に踊るにはやはりDNAの力が大きいと思う。そのラテンのリズムをポップスに融合させ、DNAに関係なく、楽しめる音楽に翻訳したのがグロリア・エステファンと、彼女の夫で、プロデューサーのエミリオだ。90年代末に世界制覇を成し遂げたラテン・ポップ。その人気は、若いスターが引っ張っているように見えるが、土台を築き、彼らを陰でバックアップしているのはエステファン夫妻だ。マイアミに暮らす、キューバ移民の2人は、78年の結婚以来、公私に渡り、いいパートナーシップを築いてきた。現在グロリアは、ソロで活動するが、88年まではエミリオとともにバンド、マイアミ・サウンド・マシーンを結成していた。収録の『エニシング・フォー・ユー』は、バンドの最後の作品となった、アルバム『レット・イット・ルース』からシングル・カットされたバラードで、全米1位をマーク。アルバムも全米6位となっている。

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