2004.10.19[15:57] レコーディングは続く。台風が来ようとも。 YUKI
はいはいはーい こちら 東京タワーの近くにありますスタジオからお送りしていまーす。
YUKI今日も朝から新曲達を録音しています。トムペティ&ハートブレイカーズのTシャツを着た松江潤くんがプログレッシブなギタープレイを響かせて聴かせてくれています。ぷふーこれ何?
また良い曲になってしまうわー。うれしい、うれしい、うれしいしい。アレンジ&プログラミングの湯浅君のバリ旅行のイメージもチラッと入っています。寄り添い歩くビーチ。んーダーリン楽しい。
東京タワーに登って振られた女の人の名前を呼んでいた男の人は元気でしょうか?エンジニア原さんの話によるとタワーは戦車の鉄で造られているらしい。中国に日本の鉄を今どんどん送っているらしい。建設ラッシュらしい。オリンピックだものね。

台風23号がやってきました。名前はトカゲ。
『キョンキョンとかげを読む』は、CDで買いました。キョンキョンのananの連載おもしろい。

今日は雨が降っていたので、息子を送って行く時はベビーカーにビニールカバー(専用のがあります)をして、私は傘をさすという格好になるんだけれど、信号待ちをしていたら丸メガネでシルクハット、薄いグレーのコートに、きれいに磨かれた革靴を履いて、姿勢がいいとても素敵な紳士(年は50代)に声を掛けられました。息子の、ビニールカバーが掛けられたベビーカーを見て、
「いやぁー、いいなーこの乗り物、僕の小さな頃にこんなのがあったら乗りたかったなぁ」
「うふふふふ、そうですねぇ、今でも乗りたいと思っちゃいますよねぇ」
一言二言交わして、信号が青になった時、
「変わりましたよ。行きましょう。」と、にこっとしてくれました。
息子はビニールカバーに激しく打つ雨の粒を見つめています。道を渡ってから軽く会釈をして、彼は駅の方へと歩いていきました。息子が生まれてから、こうして人に話しかけられる事が多くなり、こうして社会と交わっていくと、素直に楽しいんだなぁと思うようになりました。土曜日は息子の運動会があり、そこでも様々なお父さん、お母さんとコミュニケーションをしてきました。子育ての方針はそれぞれでしょうが、皆同じように、自分たちの子供を愛しています。それが分かって嬉しかったし、酷い事件は起こってほしくないなとも思いました。
私と息子で一緒に走って行き、運動用マットの山を越えるという障害物競走で、息子をマットの前に立たせ、私がお手本を見せて山を越えた先で待っていたら、にやっと笑ってマットを越えてきました。体育館に拍手が起こり、私も嬉しかったのです。一歳半で運動会デビュー。白いゴールテープがちょっと怖かったらしく、しばらく躊躇していました。
父母参加リレーでは、バトンを夫に渡したくなかったらしく、あげたとたんに大泣きしました。私は大笑い。夫の走る姿がかっこよくって正直、又さらに惚れました。速くてかっこいいです。
最後に、よく頑張りました、と先生方の手作り金メダルを首に掛けてもらい、お菓子をもらいました。息子はリンゴジュースをゴクゴク一気に飲んで、約2時間の運動会は幕を閉じ、皆とさようならをしました。

雨はまだ降っている様子。
スタジオには温かいコーヒーと、出来上がっていくかっこいいミュージックが鳴っています。潤君は買ったばかりの真っ白のストラトを弾いています。池ポン、まゆ蔵の笑い声が聞こえてきます。まだまだ盛大な遊びをやろうぜ。いい曲つくろうぜ。台風が来ようとも。

2004.10.14[21:47] 踊る児玉さん、レインボーブリッジは大渋滞 第2回 YUKI
−前回からの続き−
「YUKIさん、日焼け止め塗りますか」
メイクアシスタントN嬢は、窓から見える雨を横目にそう言った。私は内心、うーむ、この天気ではいらないかもな。と思ったが、「お願いします」と、衣服から出ている素肌には全て塗ってもらうことにした。それがよかったのか。そうなのか。皆の祈りが通じたのか。突然雲は流れ、太陽が明るく私達を包む。少しジリジリとするような、強い日差しが差し込んだ。
「OKです!YUKIさん!カメラ回します!」
奇跡とはこのことか。私が歌い出した時にはすっかり雨は上がっていた。
「さすがですね」
本日の雨男、矢印のマークが付いた靴を履いたAD児玉さんは、にやりと笑った。暑くて汗をかくぐらいになった。しばらく奇跡は続いた。きれいな光がまわっていて嬉しかった。日焼け止めが役に立った。
天気予報通りまた雨は降り出し、エキストラの皆さんとのダンスシーンは小雨の中だった。
「あ―――め―――が―――ふ―――る―――よ―――」
子供の一人が歌うように叫んでいる。すごくかわいい。
ダンス指導は少女魂を持つAD児玉さん自ら。
「右、左、回ってーバイバイ」
笑顔。すごい笑顔。カッパを着ている。すごい。何なんだ、この人は。この踊り。是非私もやりたい。傍らで見ていてすっかり振りを覚えてしまった私は、カメリハ本番ですかさずやってみる。手応え有り。カメラチェックに余念がない。よし、上等にすっとんきょうだ。上等に幸せだ。間違いない。
頷く私とダンサーの皆さんはテイク3でOKを取る。グッジョブ。
雨の中で笑顔で手を振る。
ああ、いいビデオが撮れているな。撮影中から雰囲気でよく分かる。もう何も言うことはないだろう。
その後どんどん雨は強くなり、一瞬の奇跡はまるで夢のようだった。無事、私の出番は全て終了して家路に着く。道中、ファンの皆さんからの手紙やメールを全部読む。ありがとう、い〜い薬です。
ライブの感想おもしろかった。いろいろな人がいるな。楽しませてもらった。多量なメールを読む間も、なかなか家に着かない。なぜ。車がのろい。皆ノロノロ。レインボーブリッジの私達はびしょ濡れ。
車中が退屈になってきた為、「ampmはエーピーと略すのは普通なのですか?」
「じゃあ、ファミリーマートは何て言うのでしょう?」等のちょっとした質問コーナーや、某金融機関のCMに出ている女の子の恋人について池ポンが熱く語る場面があったり、夕食の時間になって小腹が減ってきた様子のスタイリストSさんとアシスタントさんにバナナを振る舞ったり、粋なコミュニケーションの場になったのだった。渋滞もこうしていれば悪くない。急いでいなければ。
ようやく車はスムーズに走り、雨は小降りになっている。
「ビデオの出来上がりが楽しみだ」と言い合い、皆と別れた。本当に楽しみ。
YUKI&街人のダンスに期待あれ。君に幸あれ。

2004.10.13[15:52] 踊る児玉さん、レインボーブリッジは大渋滞 YUKI
昨日は11月10日発売の新曲「ハローグッバイ」のミュージックビデオの撮影日だった。
朝7時40分、まゆ蔵が運転する車に池ポン、私とで乗り込みいざ出発。目指すは千葉の某所である。オールロケのため天候が心配された。昨日は朝から大雨、荒れ模様。果たして無事、仕事を成し遂げることができるのか。ふと、まどろみから目覚めた時、目の前には雨の中カッパを着ている今作品のアート・ディレクター(以下AD)児玉さんの姿が。どうやら私達は現地に着いたようだ。着く早々本日のメニューをどう料理していくのかを敏腕スタッフ達と相談会を開く。
「降水確率は午前中で60%、午後80%、その後70%です。」「明日の降水確率は50%です。」
ビデオの撮影というのは大抵予備日を入れて2日間のスケジュールを押さえている。特にロケの場合は“雨予備”と言われる日があるのだ。だが、撮影クルー達、カメラ、エキストラの皆さん多勢すでに到着し、用意は万全である。それに、予報では明日も雨が降る。ここは天気のご機嫌が変わるのを祈り、勝負にでるか。
私:「今日撮れるだけ撮り、明日もまた撮るという2日間に分けるというのはどうか」
マネージャー池ポン:「YUKIさんが雨に濡れるのは心配だ。今月はレコーディングやら何やら忙しいのに体調を崩しては大変だ」
エピックレコードほそっち:「できれば今日、明日のどちらか一日で撮りたい」等、様々な意見が飛び交う中、
黒髪ぼっちゃん風AD児玉さんから「雨なら雨でシナリオを変えましょう。YUKIさんは雨に濡れないようなシーンを撮る。今日やりましょう」と、男らしい一言が発せられる。よし、望むところだ。
私はなぜかこのようなハプニングが現場で起きると、持っている力以上のものが体からぷんと出るようである。ビデオ撮影は時間との戦いでもあるのだ。コーヒーを煎れ、一気に飲み干し、メイクを早速施してもらう。

「ハローグッバイ」いい言葉だ。人としての挨拶の基本だ。出会いの楽しさ、その人らへと向けられる希望に満ちたハローと共に、さよならをしなければいけない誰にでも起こりうる日常の事件を、ひとつの単語に集約している。スネオヘアーのミュージックビデオの監督でもお馴染みの、動物柄赤シャツを着たAD児玉さんはこの単語から「前進する人々」というコンセプトをあげてきた。
ハローとグッバイにある切なさと、さよならをして始まることもあるんだという意志を込めたもの。CDジャケット同様、全てを受け止めて、笑顔で前を向く私がいる。

今回は私一人の表現だけでなく、多勢の人々の出会いもクローズアップしたい為に、子供やウエイトレス、主婦に警察官、女の子達に若者達、おじさん、おばさんと他たくさんの人達と皆で踊るシーンがある。
撮影スタートと同時に、なんと奇跡は起きる。

−続く−

2004.10.02[18:41] Sweet Home Rock’n Roll Tour YUKI
大阪、仙台、福岡、東京の計4本だった。
本当に短い短いプチツアーへ来てくれたあなた。ありがとう。心からありがとう。
思えば2ヶ月前、“Meet The World Beat”の帰りの新幹線でマネジに「ワンマンをやろう!」と言ったことから急遽決まったこのツアー。マネジありがとう。スタッフやメンバーの、大急ぎでライブを組み立てていく姿に、プロの仕事人として感謝と尊敬です。
ファーストソロツアーの私は、一人で頑張らなければ!と気合いで乗り越えていった。苦しさは少なからずあったけど、あの時しかできない、あの時の私だけのライブをやった。素晴らしいライブだった。
4本プレイしてみて明らかに今回のTOURと前回が違うのは、「一人の歌手」ではなく、「音の一部」になれているということだ。一つ一つの音に体が反応している。どうしても拾っていくバンドの高音・低音。少しのズレや大きな波が来るときに乗れるあの感じ。音楽に深く入っていくあの感じ。もうダメだ!と思うくらいの快楽の限界のときに見える高い高い空の上のような感覚、浮いている感じ。そんなものがステージの上の私をさらに踊らせる。さらに歌わせる。わけがわからなくなるぐらいに集中していると、バンドのグルーブっていうのは周りをも巻き込むんだ。そこに立っていた。清々しいぐらいに。泣けるぐらいに。いや、正直何度もその瞬間に立ち会っている。「幸せー!」って声が聞こえた。びっくりした。そうだ。私は幸せだ。あの場にいたあなたが、巻き込んでるんだよ。私も周りも。

ライブの構成の叩き台を思いついた時、もう絵は出来上がっていた。ライブってすごいね。皆でつくるってすごいね。私一人の考えが、たくさんの人達によってステージまでのし上げてもらえるんだよ。それを大勢の人が見るんだ。映像のイメージはYUKIヒストリーだった。一人になってからの私の。ティービーグラフィックスの高城さんと打ち合わせをしたら、私の予想した以上にクオリティの高い作品を作ってきてくれた。蔦谷くん(ハローグッバイ・JOYの作曲者)にオープニングの音を作ってもらった。自分がライブに行ったときのワクワクした、不安や期待でドキドキした気持ちを作ってもらった。それも予想以上だった。ゆきんこはご存知、このYUKIwebでの人気者。あの子を作ってくれた水上くんに了承を得て、あの子を動かすことにした。私の大好きな、切なさ満点の映像だった。高城さん、蔦谷くん、水上くん本当にすごい!ありがとう。砂漠に咲いた花と、ハミングバードの映像は東京だけでしか見せられないものだったけれど、美しくて、初めて見た時涙が出た。照明・赤坂さん、またいい明かりなんだこれが。すごいよ。すごい。

もちろん!最高の演奏をしたアストロマジックオーケストラよ!あなた達天才!すごい!ありがとう。たった4本だったけれど、この充実感はなんだろう。精一杯やったよね。楽しかった―――!歌っててよかった―――!
昨日のJ-WAVEにもたっくさん感想メールが来ていたよ。ありがとう!ありがとう!またいい夜をつくろう。忘れられない夜を過ごそう。私も、あなたも、生きているんだ。実はもう次のライブのアイディアがあるんだ。3枚目のアルバムももう少し!!
や―る――じょ―――。やったるじょ―――。

今日は天気が良くって気持ちいい。
ここには名前の書けなかった多勢のスタッフの皆さん、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
さ―て…YUKIんこ、がんばる。
11月10日に発売になる「ハローグッバイ」早く聴かせたい!オホホホホ。

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