制作スタッフインタビュー 音楽家 和田薫 |
『キカイダー01 THE ANIMATION』は石ノ森章太郎版が原作ということで実写版とはまた違いますよね。 | |
そうですね。やはり石ノ森先生の作品っていうのは苦悩に満ちた主人公像が多いですよね。キカイダーも009も仮面ライダーも。重い宿命を背負っていて。以前「真・仮面ライダー」というのをやって、それは実写版でいわゆる東映の一連のライダーシリーズと違って暗くて悲惨な感じという作品だったんですけど、そのテイストにコミックスは共通している部分がありますよね。主題が哲学的じゃないですか。「人間とは」とか、「善とは悪とは」とか。 | |
今回音楽はどういったイメージで? | |
生オケと生コーラスを使って、全面的にシンフォニックな感じです。シンセサイザーもごく一部で使ってますけどあくまでサブです。 内容的には、イチローも主人公と言えば主人公なんだけど、やっぱりジローの目線が重要で、それにミエ子やリエ子の目線も大切だし、それぞれの人間関係・・・いや人造人間関係?(笑)というのが重要だから、もちろんかなり動いてますしアクションは派手なんですけど、単なるアクションヒーローものというよりは戦いを通して最終回の哲学的見解に至るまでの心の流れみたいなところにもずっと音楽が添っていければなと思っていました。 | |
先日の収録を見せていただいて、オーケストラもすごかったのですがコーラスも印象的でした。 | |
今回合唱は是非使ってみたかったんです。人間の声っていうのはすごく説得力があってイマジネーションを膨らませてくれる素材なので。このへんはネタばれになりそうなんですが・・・コーラスは前半ではほとんど使っていなくて後半での使用になるんです。そういう意味では今回の4話は全体を通して2時間の劇場作品だと思って聴いてもらえるといいかなと。 | |
最後にファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。 | |
それぞれの話数に山場と見どころがあって、単体で見て面白いように出来てます。絵コンテも普通の量をはるかに超える生半可じゃない厚さで、つまりこれは「かなり絵が動くぞ」「クオリティ高いぞ」ということで、音楽だけじゃなくて映像的にも醍醐味があると思います。あとは1話から4話を通してみてもらえるとキカイダーたちの心情の移り変わりと音楽が一緒に進展して行くところを楽しんでいただけると思います。是非1話見たら4話まで必ず見てください(笑)。 | |
オーケストラ録音風景 インタビュー風景 |