「出れんの!?サマソニ!? 2015」
ライブレポート

サマーソニック公式オーディションステージ、お馴染み「出れんの!?サマソニ!?」が今年も大好評開催!昨年に引き続き、音楽部門/ダンス部門の2部門で 出演者を募集し、1000組を超す応募が殺到。一般ネットユーザー投票を経て、選考員による審査を通過し、最終ライブ審査によって、音楽部門12組、ダン ス部門4組の計16組が出れサマのステージに選ばれた。さすが選ばれしアーティスト、音楽通の間ですでに注目のバンドであったり、出れサマ出演を目当てに ファンの人が押し寄せたり、短い時間のパフォーマンスでも心をグッと鷲づかみにされてしまったり。数々のドラマを魅せた、出れサマの2日間を完全レポー ト!

アーティスト一覧

2015年の出れサマは、レインボー賞を勝ち取ったЯeaLがオープニングアクトを務める、朝10時のRAINBOW STAGEから始まった。

8月15日(音楽部門)

ЯeaL(リアル)

「サマソニ!初めまして!私達が大阪のガールズバンド、リアルです!」Ryoko(Vo&G)のハイトーンボイスが朝イチのRAINBOW STAGEに響き渡る。1曲目「セナカアワセ」が始まった。白カーディガンに制服っぽいミニスカートの、現役女子高生4人組がハードなロックを大迫力で聴 かせる。前に出てきてギターソロを弾きまくるYurika(G)、飛び跳ねながら骨太のベースラインを聴かせるFumiha(B)、ダイナミックに高速ド ラムを繰り出すAika(Dr)。「エゴサーチ症候群」なんて今どきっぽい歌詞と女子高生らしいルックス、それでいて圧倒的な演奏力とステージの大きさに 動じないパフォーマンス。オープニングアクトながら、これだけ多くのお客さんを集め、注目度は相当高い。最後の曲を前にRyokoが語り始めた。

「私達バカにされるんですよ。高校生だからとか、ガールズバンドだからとか。所詮アイドルだろ?って色んな人に言われて。サマソニも、バンドを始めた時に 出たいって言ったら沢山の人に“お前らには絶対に無理やぞ。何をなめたことを言ってるんや”ってめっちゃ言われました。けど、今日このステージにちゃんと 立ってます。今日ここに来てくれたみんなと自分達を信じて“夢を追いかけてればいつか必ず叶う”とリアルが証明したいと思います。いつか必ずもっとすごい バンドになって、私達の手でこのステージに戻ってきたいと思います。だからその時まで私達のこと今日のこと、少しでもいいから覚えててください。自分達の 想いを込めて作った曲を、最後に歌って帰ります」

“譲れぬ想いがここにあって”という歌詞で始まる「HOME」。作詞作曲を手がけるRyokoの歌声と言葉が耳に突き刺さる。悔しさを原動力に、ついにサ マソニのステージに立つ夢を叶えた彼女達。こんな熱い想いを持ったバンドが、今後叶えていく夢のストーリーを、応援しない理由はない。

「出れんの!?サマソニ!? 2015」は、QVCマリンフィールド(千葉マリンスタジアム)の横にある恒例のSIDE-SHOW MARINEのステージにて、12:40からスタート。今年のMCにはクイーン?のスベリーマーキュリーが登場。片言の日本語で、オープニングを盛り上げ た。

PAELLAS(パエリアズ)

PAELLAS(パエリアズ) © 宮下樹里
PAELLAS(パエリアズ) © 宮下樹里

1番手はMATTON(Vo)、Bisshi(Ba)、ANAN(Gt)、小松(Dr)、政田(PAD)、下中(DYGL)による、6人組イン ディーポップ・バンド、PAELLAS。1曲目は心地よいギターのカッティングで始まる「FEVER」。80年代ブリティッシュ・ロックを彷彿とさせる MATTONの歌声が、一瞬にしてスタイリッシュな雰囲気を作っていく。金髪にオーバーサイズの黒シャツで、身体をくねらせるように踊る姿は、不思議な色 香があって思わず引き込まれてしまう。日本人離れしたドリーム・ポップな楽曲達の、ナイトクルージングのような感覚に、炎天下の暑さも忘れさせられた。最 後の曲は「Hold On Tight」。ダンサブルなビートとシンセの音に包まれ、ニューウェーヴ感満載のPAELLASの世界観にひとときの夢を魅せられたようだった。

ЯeaL(リアル)

ЯeaL(リアル) © 宮下樹里
ЯeaL(リアル) © 宮下樹里

ЯeaLの2ステージ目。1曲目はRAINBOW STAGEでやらなかった「花火散るこの川で」から。観衆からオイオイコールが湧き上がり、行き交う人々の中にも音の迫力とハイトーンな歌声の訴求力に多 くの人が足を止めた。「Shooting star」ではエッジの効いたギターソロにガツンとやられ、ハードなリズムに圧倒された。「話したい事があるねん」とRyoko(Vo&G)が、再び女子 高生バンドだからとバカにされ悔しかった話を語り始めた。さっきより関西弁が感情的になっていたのが印象的だ。「好きになってとは言わないから、私達のこ と覚えといてください!」若さゆえの思い込みこそが、夢を叶えるんじゃないかと思わせるパワーが彼女達にはある。ラストの曲「HOME」の最後の歌詞“い つもありがとう!”を他のメンバーも一緒に口ずさんでいたのがグッときた。彼女達の悔しさをずっと覚えていようと思った。

ホタルライトヒルズバンド

ホタルライトヒルズバンド © 宮下樹里
ホタルライトヒルズバンド © 宮下樹里

男女ツインボーカルの5人組、ホタルライトヒルズバンド、略してホタバン。1曲目「ビューティフル」は藤田竜史(Vo&G)の透き通った歌声が メインの、この青空のどこまでも歌を届けるような正統派ポップス。最前列の柵で子供が夢中になって観ていたり、赤ちゃんを抱っこしたパパが揺れながら聴い ていたり。そんな聴く者をハッピーにする空間が広がっていた。「彗星」を挟み、藤田がピアノに移動して「hello my messenger」は、男女ボーカルを最大限に生かしたハーモニーが全編にフィーチャーされた、切なさを覚えるメロディー。最後は村上友香(Vo&G) のしっとりした歌声と軽快なピアノの音が美しい「飛行船ミミ」。“目標は紅白歌合戦に出ること”というホタバン。時代に残るポップスが今後も生まれるにち がいない。

WONDERVER(ワンダーバー)

WONDERVER(ワンダーバー) © 宮下樹里
WONDERVER(ワンダーバー) © 宮下樹里

男女3人組のシンセ・ポップバンド、WONDERVER。ベースとドラムのサポートが入った5人編成のステージ。明るく高揚感を煽るようなシン セのSEで登場。ダンサブルなナンバー「GHOST」からスタート。相澤龍伸(Vo)は少年のような歌声で、J-POPのような親しみやすいメロディーを 乗せていく。キーボードを操る村上奈津子のクールビューティーな佇まいも目を引くが、さらに際立つのが、白のニット帽を始め、衣装すべて白で統一した、長 髪に顔立ちの美しい藤本諒(G&key)のミステリアスな存在感だ。しかし機材トラブルが発生すると藤本がセンターに立ち「みなさんこの後、何のライブを 観られるんですか?」と意外に気さくな喋りにびっくり。親近感が沸いた。村上&相澤が歌う「MELLOW」でライブ再開。ドラマティックに鳴らされるエレ クトロポップに、熱に浮かされたように踊り続けた。

梨帆(リホ)

梨帆(リホ) © 宮下樹里
梨帆(リホ) © 宮下樹里

今年の出れサマ唯一の弾き語りは、高校三年生の梨帆。前髪を留めた3本のピンが何とも女子高生っぽい。「わたし今高3なんですけど、キラキラし たJKになりたくて作った歌を聞いてください」という曲は「渋谷は定期券で」。女子高生の愚痴をそのまま弾き語りにしたような、リアルな口調が笑いと切な さを誘う。途中で弦が切れ、図らずもMCタイムに。「わたし自分にめっちゃ自信なくて、なんで受かったかわからないままここに来ちゃって。謎だな〜ってカ ンジなんですけど」そんな飄々とした佇まいから一転、「17年間生きてきて愛して欲しかった人がいたんですけど、一度も愛されたことがなくて。その人のこ とを思って曲を作ってきました」最愛の人への切なる想いに心臓を掴まれた。最後はどんなデートでもチェックのシャツを着て来た元彼のことを歌った「とりあ えずチェックを着ればいいと思っているあの人は嫌い」の連呼が微笑ましい。彼女が作る次の曲が聴いてみたい!

ヤバイTシャツ屋さん

ヤバイTシャツ屋さん © 宮下樹里
ヤバイTシャツ屋さん © 宮下樹里

「ハイ!ヤバイTシャツ屋さんでございます!」と若手芸人のような口調の小山(Vo&G)のしゃべりからスタート。「僕達、大阪からやって来た んですけど、曲の中に大阪の地名が沢山出てくるんでね、先に紹介してからライブを始めようと思いますね」と“須藤”と書かれたTシャツを着た柴田 (Vo&B)に手書きの地図を掲げさせ、彼らが住む喜志駅(彼いわく八王子より田舎)と彼らが通う大阪芸術大学、電車で30分かかる天王寺や難波を解説。 さらには“関関同立”“産近甲龍”といった関西私立大の受験レベルを表わす言葉も。「これだけ頭に入れてライブを楽しんでください!」陽気なSEに乗せて 再登場すると、ライブは一変!ハードコアな激しいサウンドと躍動感あふれるパフォーマンスが炸裂!「喜志駅周辺なんもない」「天王寺経由してなんば」歌詞 には解説した言葉が並び、笑いを誘う。柴田の独特のアニメっぽい歌声もいい味で、衝撃的なベースプレイにも目が離せない。ゆる〜いMCの後に突然始まった 最後の曲は「ネコ飼いたい」をひたすら連呼するハードコアソング!ハードなサウンドと爆笑センスが表裏一体の、やっぱりヤバいバンドだった!

8月16日(ダンス部門)

去年から登場したダンス部門は、今年は音楽部門とは別のISLAND STAGEでの開催となった。飲食エリアの一角にあるこのステージは、丸テーブルと椅子を並べた広い客席があって、巨大なショーレストランのような雰囲 気。MCは双子のおネエタレント広海深海が、ステージの転換ごとにおしゃべりで盛り上げた。オープニングアクトにはキンタローが登場。アンジェリーナ・ ジョリーの映画「トゥームレイダー」の顔マネをしつつ、ブラピ役(?)の外国人と共に、キレのあるダンスを披露した。

Lucky Strike(ラッキーストライク)

Lucky Strike(ラッキーストライク) © 宮下樹里
Lucky Strike(ラッキーストライク) © 宮下樹里

ダンス部門の1番手は、生バンド&シンガーとダンサーによるパフォーマンス集団、ラッキーストライク。ギター、ベース、ドラムにキーボード、そ してフィドルやサックスが入った、アイリッシュ・ミュージックを基調としたサウンドに乗せて、ミュージカル仕立てのごとく、ダンサー7人が次々にステージ に登場!全員がユニゾンで踊ったり、ソロで踊る誰かを引き立てたりしながら、愉快に楽しいショーを繰り広げた。時にアクロバティックな技を魅せ、手拍子を しながら盛り上がる観客から歓声が上がった。中盤からシンガーがステージに登場し、歌謡ショーのような一幕も。大所帯で作り上げられるダイナミックなス テージは圧巻!最後はミュージカルのカーテンコールを観るようだった!

SHUN(シュン)

SHUN(シュン) © 宮下樹里
SHUN(シュン) © 宮下樹里

2番手は、国内のタップダンス大会優勝回数最多保持者で、ワールドワイドに活躍するタップダンサー、SHUN。ステージの花道の先に作った、 タップダンスのための特別センターステージ上でパフォーマンスが始まった。「足の裏に鉄板が付いているんです、計4枚です。この板の上で踏んで音を出すダ ンス、これがタップダンスです!」とお客さんの目の高さで華麗なタップを踏んで見せると、オーディエンスは大興奮!本編のタップダンスが始まると、息を飲 むように静まり返った中で、タップを踏む音だけが響き渡った。キメの技には大歓声が飛んだ。途中でプロフィール紹介を挟んで息を整えると、後半はタップの リズムと手拍子でのコール&レスポンスも。徐々に複雑なリズムになっていくのが楽しい。最後は超絶パフォーマンスに拍手喝采!

TEAM JAtoJA(チーム ジェイエートゥジェイエー)

TEAM JAtoJA(チーム ジェイエートゥジェイエー) © 宮下樹里
TEAM JAtoJA(チーム ジェイエートゥジェイエー) © 宮下樹里

3番手は、昨年の代々木公園の“ジャマイカフェスティバル”のレゲエダンスコンテストでも優勝した、ジャマイカ仕込みの男のレゲエダンス・グ ループ、TEAM JAtoJA。露出度の高い衣装で情熱的に踊る女性ダンサーのセクシーなレゲエダンスではなく、彼らはメジャーリーグ風のお揃いのユニフォームにキャップ を被って、次々繰り出す高揚感MAXなレゲエ・ナンバーのリミックスをバックに、ダイナミックなダンスを披露!組体操のようなアクロバティックな技も飛び 出して、あふれるパワーが会場中を沸かせる。しかしここで音楽が止まるアクシデントが発生。急遽プログラムを変更し、即席レゲエダンス講座となって、この 場にいる全員で踊る流れに。最初は戸惑いつつも、最後にはみんなの笑顔を引き出した彼らの勝利である。

ALEG-Re(アレッグ)

ALEG-Re(アレッグ) © 宮下樹里
ALEG-Re(アレッグ) © 宮下樹里

トリに登場したのは、音楽に合わせて、サッカーボールを自在に操るパフォーマンスを行う、3人組フリースタイルフットボールチーム、ALEG- Re(アレッグ)。ヒップホップなサウンドに合わせて、スゴ技のリフティングだったり、ボールを使ったブレイクダンスを踊っているようだったり。一人で技 を見せたり、三人で揃って見せたり、座ったまま足の上下をくぐらせたり、首の後ろにボールを置いたり、ヒールで返したり、ヘディングしたりと、言葉ではそ の凄さを伝えられないほど素晴らしく多彩だ。なるべく近くで見ようと、ステージ前に多くの人が押し寄せた。最後に、この後の世界大会で披露するパフォーマ ンスも本邦初公開され、大盛り上がりのうちに終了(※8月23〜29日にチェコで開催されたフリースタイルの世界大会「SuperBall 2015 Double Routine部門」で優勝!世界チャンピオンに輝いた)。それぞれ素晴らしいアクトへの、大歓声と拍手のうちにダンス部門がすべて幕を閉じた。

8月16日(音楽部門)

Co shu Nie(コシュニエ)

Co shu Nie(コシュニエ) © 宮下樹里
Co shu Nie(コシュニエ) © 宮下樹里

ダンス部門から移動して音楽部門のSIDE-SHOW MARINEステージへ。2日目トップのコシュニエの演奏が、遠くからでも存在感を持って聴こえてくる。「ペリカン号でどこまでも」は、ボーカルの中村未 来(みく)がギターを掻き鳴らして、疾走感あふれるサウンドを展開、甘い歌声はチャーミングだ。「みなさんこんなに集まってもらって嬉しいです。…仲良く してください(笑)」とピンクのチークが可愛らしい。「大切な人に会いに行く曲をやって終わりにします」と最後の曲は「海へ」。ピンクのワンピース姿の彼 女を始め、男性メンバーも全員それぞれ、ジャケットやTシャツにピンク色が入った衣装を着ている。切なくて透明感のある歌声が空高く広がり、ドリーミーな 世界観が辺り一面を包み込んだ。

eimie(エイミー)

eimie(エイミー) © 宮下樹里
eimie(エイミー) © 宮下樹里

Amy(Vo/Songwriter/prog.)、Takuma(syn/prog./Manipulator)、Yuichiro(Dr) によるエレクトロニカ/チルウェーブユニット、eimie(エイミー)。リハの段階から、白いワンピースを着て、オレンジ色のハイヒールでステージを動き 回るAmyの存在感が際立っていた。どこか近寄り難さすら漂うクールな美しさは、アンビエントなサウンドと相乗効果でスタイリッシュな雰囲気を高めた。浮 遊感のあるシンセポップを、オープンエアで聴くのは心地いい。まるでここだけに異国の爽やかな風が吹くように感じられた。ライブ後半には、Amyがアコー スティックギターを抱えてお客さんにより近い位置で演奏し、最後はハンドマイクを手にハンドクラップや歌声を求め、オーディエンスとの距離感を確実に縮め ていった様は見事だった。

FINLANDS(フィンランズ)

FINLANDS(フィンランズ) © 宮下樹里
FINLANDS(フィンランズ) © 宮下樹里

塩入冬湖(Vo)とコシミズカヨ(Ba)の神奈川出身の2人組と、サポートメンバー(ドラムとギター)も同様に“メンバー全員モッズコートを着 用し、どんなに暑くても決して脱がない”とのことだったが、出れサマ史上でも最も暑い時間帯に、リハや舞台袖でもしっかり着用していたのを確認(!!)。 ライブは「ゴードン」からスタート。オルタナティヴなギターロックナンバーに、ロシア帽を被ってギターを鳴らしながら、特徴的な語尾を上げるように歌う塩 入のボーカルにすっかり魅了される。ダイナミズムあふれるベースを繰り出すコシミズは、タイツに靴下を履いて、ストラップにファーまで付いているが、やせ 我慢しているようには見えない。ミディアムバラードの「銀河の果てまで」は、その歌声が遥か空高くまで突き抜けた。ラストソングは「クレーター」。勢いの あるロックンロール・サウンドに乗ってキュートな歌声が弾み、時に激しく叫んだ。コート着用のまま、熱いステージを完走したのは圧巻だった!

THE BOY MEETS GIRLS(ザ・ボーイミーツガールズ)

THE BOY MEETS GIRLS(ザ・ボーイミーツガールズ) © 宮下樹里
THE BOY MEETS GIRLS(ザ・ボーイミーツガールズ) © 宮下樹里

リハではなぜか「Choo Choo TRAIN」も演奏していた彼ら。「名古屋から来ました!ザ・ボーイミーツガールズです!」4人それぞれ色違いの短パンで登場し、夏の野外ステージにぴっ たりの雰囲気だ。1曲目は「動物ディスコフィーバー」。明るいポップなサウンドに、どこかコミカルなシンセの音がアクセントに加わっている。彼らを観るた めに集まったファンの人も多く、スピード感あふれるサウンドに合わせ、激しく踊るダンサーの姿も。そしてこのバンド名にして「T.R.F.」という混乱必 至な楽曲を演奏!ちなみに夏らしいシティポップなラブソングだ。ドラムのかつくんが叫んで「ラストの曲です!良い曲ばっかりやって、あんまり何も残らな かったみたいな感じになるのが私は嫌で、最後に何か頭に残る曲をやります!」と最後の曲は「#262810」。読み方は“風呂に入れ”。風呂に入れ〜の コール&レスポンスから“あったかいんだから〜”とみんな笑顔で合唱!集まった人はみな、彼らのペースにすっかり巻き込まれているのだった。

P.O.P(ピーオーピー)

P.O.P(ピーオーピー) © 宮下樹里
P.O.P(ピーオーピー) © 宮下樹里

上鈴木伯周&タカヒロの双子のラッパーと、HIPHOP(ギター、ベース、フルート、キーボード、ドラム)バンドによる、P.O.P(ピーオー ピー)。陽気な宴会が始まるようにパーティーはスタート!「今日は新曲を4曲やるから」と言うと、自分達が観たいサマソニ出演アーティストの曲(ディアン ジェロや郷ひろみなど)をカバーし、それにラップを乗せていく。途中でタイのラッパーSTAMPがゲスト出演し、ファレルの「HAPPY」を共に熱唱し た。ラップとおしゃべりが混ざった双子ラッパーの脱力系ステージが、不思議な魅力を放っていた。彼らのビールソング「Don't think.BEER!」も、随所に聴き覚えのあるCMソングが挟まっていたりして楽しい。最後の曲は「Watch me」。上品な味わいのフルートの音色が効いた、ラフな大人の盛り上がりがサイコー!だった。

DJ'TEKINA//SOMETHING(ディージェイテキナサムシング)

DJ'TEKINA//SOMETHING(ディージェイテキナサムシング) © 宮下樹里
DJ'TEKINA//SOMETHING(ディージェイテキナサムシング) © 宮下樹里

今年の出れサマの最後を締めくくるのは、DJ'TEKINA//SOMETHING(DJテキナ サムシング)のDJセットのステージ。赤のヘッドフォンとメガネ、そして髪に入れた赤のメッシュがトレードマークだ。mihimaruGTの気分上々 ↑↑〜嵐〜ナンダカンダ〜R.Y.U.S.E.Iと繋げると(ランニングマンでオーディエンスを煽りながら)、通りがかりの人が次々に足を止めて踊ってい く。洋楽&邦楽を織り交ぜた曲でひとしきり盛り上げた後「まさかサマソニにDJとして出られると思っていなかった!」「時代を切り開けた感じがあるかな、 と思いました!」「今まで僕のリミックスをかけましたが、僕のオリジナルを聞いてくれませんか」「実は歌っちゃいます」と宣言すると「You Need Fxxkin' Anthem」で歌声を聴かせ、ノリノリのアッパーチューンで、最後のステージを大きく盛り上げた!

[取材&文・下村祥子]