作曲家・ピアニスト 加古隆 デビュー50周年
ソニーミュージック時代の名作が順次配信スタート
NHKスペシャル「映像の世紀」の音楽など、ピアノ・ソロ曲からオーケストラまで幅広い分野の作品、映画音楽、ドキュメント映像の作曲で知られ、演奏家としての音色の美しさから「ピアノの詩人」とも評される作曲家・ピアニスト 加古隆がフランスでのデビューから50周年を迎え、ソニーミュージック時代の名作の数々が配信開始となった。本日2023年6月7日から順次公開される。
加古隆は東京藝術大学・大学院作曲研究室修了後、フランス政府給費留学生として渡仏。パリ国立高等音楽院にて現代音楽の巨匠オリヴィエ・メシアンに師事したのち、1973年パリでフリージャズ・ピアニストとしてデビュー。帰国後はピアノ・ソロ曲からオーケストラ作品まで幅広い分野の作品、映画音楽、ドキュメント映像の作曲で活躍し、代表作に、パウル・クレーの絵の印象から作曲したピアノ組曲「クレー」、NHKスペシャル「映像の世紀」のテーマ曲「パリは燃えているか」等がある。
加古隆は、1986年から2003年までの間にソニーミュージックから22作のアルバムをリリース。前述のパウル・クレーの絵の印象から作曲した「KLEE〜いにしえの響き」(1986年)や代表曲の一つ「ジブラルタルの風」を収録した「風の画集」(1992年)、映像音楽の金字塔「NHKスペシャル 映像の世紀 オリジナル・サウンドトラック」(1995年)など、加古隆の音楽の中核を占める作品も数多く、うち4タイトルは海外発売もされ、世界的な評価を受けている。
今回、フランス・デビュー50周年を機にソニーミュージック時代の作品の順次配信公開が決定、2023年6月7日より、まず11タイトルのアルバムが公開となった。残りのタイトルも順次公開される。
加古隆は現在デビュー50周年のコンサート・ツアー中で、5月末には東京公演をサントリーホールで開催。満場の観客からはスタンディング・オベーションでの喝采がおくられ、会場は暖かい祝祭感に包まれた。心洗われる瑞々しいピアノの音色で、聴き手の琴線に触れる作品の作曲を続ける加古隆の活躍から今後も目が離せない。
(文中敬称略)
アルバム配信情報
2023年6月7日(水)配信開始タイトル(11タイトル)
残りのタイトルは近日中に公開予定
ソロ・ピアノから生まれるポエジー、そして心の遠景
① 風の画集(1992年10月21日発売)
映像がただようロマンティシズム。加古隆、初の前奏曲集
② 水の前奏曲(1993年6月21日発売)
緑輝く遠景が聴こえるピアニズム。幻想の森、誰も見たことのない意識の森への旅
③ ノルウェーの森(1994年10月21日発売)
100年間の映像が激動の20世紀を映し出す。映像音楽の金字塔、その原点がここに
④ NHKスペシャル 映像の世紀 オリジナル・サウンドトラック(1995年10月21日発売)
やさしい光に包まれた天使の歌声、ピアノの音色
⑤ 予感~アンジェリック・グリーンの光の中で(1998年8月21日発売)
人生を思うひととき。深く心に刻まれていくピアノ音楽
⑥ 静かな時間(1999年10月21日発売)
テーマ曲「パリは燃えているか」の多彩なヴァリエーションと、番組中で頻繁に使用された楽曲で綴るサウンドトラック完全版
⑦ パリは燃えているか~NHKスペシャル 映像の世紀 オリジナル・サウンドトラック 完全版(2000年10月12日発売)
音でつづる、感動的なシーンの数々
⑧ Scene 映像音楽作品集1992-2001(2001年8月1日発売)
四季の移ろいの美しい信濃路を舞台に、夫婦の愛と再生を描く、小泉堯史監督作品
⑨ 阿弥陀堂だより オリジナル・サウンドトラック(2002年8月21日発売)
リズムがもたらす、暖かいちから
⑩ 風のワルツ(2002年8月21日発売)
加古隆、デビュー30年間の足跡を記したベスト・アルバム
⑪ アニヴァーサリー(2003年10月22日発売)
加古隆 プロフィール
加古 隆〔作曲家・ピアニスト〕※名前「隆」は旧字体、生の上に一が入ります。
東京藝術大学・大学院作曲研究室修了後、フランス政府給費留学生として渡仏。パリ国立高等音楽院にて現代音楽の巨匠とも称されるオリヴィエ・メシアンに師事し、アカデミックな作曲家としての道を目指していたが、1973年のパリでフリージャズ・ピアニストとしてデビューするというユニークな経歴を持つ。76年に、音楽院の審査員全員一致による作曲賞(Prix de Composition)を得て卒業。
帰国後はピアノ・ソロ曲からオーケストラ作品まで幅広い分野の作品、映画音楽、ドキュメント映像の作曲も数多く、自身が演奏した60以上のアルバムを発表している。
代表作に、パウル・クレーの絵の印象から作曲したピアノ組曲「クレー」、NHKスペシャル「映像の世紀」のテーマ曲「パリは燃えているか」がある。
2010年にピアノ四重奏団「加古隆クァルテット」を結成し、エイベックス・クラシックスより「QUARTET」「QUARTETⅡ」「QUARTETⅢ 『組曲・映像の世紀』」を発表。
作曲家・ピアニストとして活躍を続け、演奏家としての音色の美しさから「ピアノの詩人」とも評される。
映画音楽での受賞は、1998年モントリオール世界映画祭のグランプリ作品、マリオン・ハンセル監督「The Quarry」の音楽で最優秀芸術貢献賞。
国内作品では、毎日映画コンクールの音楽賞【小泉堯史監督「阿弥陀堂だより」(02)「博士の愛した数式」(06)】、日本アカデミー賞優秀音楽賞【杉田成道監督「最後の忠臣蔵」(10)、小泉堯史監督「阿弥陀堂だより」「蜩ノ記」(14)、木村大作監督「散り椿」(18)】など。
2016年度(第68回)日本放送協会 放送文化賞を受賞。
昨年公開された映画「峠 最後のサムライ」(小泉堯史監督)の音楽を担当。
2023年はパリでのデビューから50周年となる。
加古隆 今後の公演予定
<加古隆 50thアニヴァーサリーコンサート>
7月22日(土)15:00 長野・八ヶ岳高原音楽堂
<加古隆 50thアニヴァーサリーYear>
9月3日(月)14:00 愛知・愛三文化会館 もちのきホール