マリーナ・ショウ
9月22日、ニューヨーク州ニュー・ロシエル生まれ。トランペット奏者であった叔父の影響でジャズを聴き始め、10歳の時にアポロ・シアターのアマチュア・ナイトに叔父と共に出演し、大喝采を浴びる。20歳を過ぎた1960年代の中頃には主に東海岸でプレイボーイ・クラブやリゾート・ホテルなどで歌っていた。1966年にカデット・レコードに吹き込んだシングル「マーシー・マーシー・マーシー」の大ヒットで一躍有名になり、ちょうど同時期にカウント・ベイシー・オーケストラの歌姫として4年間在籍することとなる。72年にベイシーの元を離れ、女性歌手としては初めてブルーノート・レコードと契約する。この間サミー・デイビスJr.とのツアーを数多く行い、そのステージに磨きをかけると共に、スタンリー・タレンタインやベニー・ゴルソン等とレコーディングを行う。77年の映画『ミスター・グッドバーを探して』の同名主題歌が好評を博し、R&B、ポップス、そしてジャズと幅広いジャンルでの支持を不動のものとする。身近なところでは87年コニカのTVコマーシャルで「上を向いて歩こう」を、88年にはマツダ・ルーチェのCFの曲を歌っている他、日本を代表するインストゥルメンタル・グループ、T-Squareのヴォーカル・アルバムにも参加し、インストゥルメンタルで聴き親しんだ楽曲に新たな息吹を吹き込んだと絶賛されている。

近年彼女の70年代のヒット曲「ウーマン・オブ・ザ・ゲットー」がUKのDJ、The Blueboyのシングル「Remember Me」やSaint Germainの『Tourist』(Blue Note)でサンプリングされるなどして再び脚光を浴びている。現在はライヴを中心に世界各国で活躍しているが、その熱いステージと確かな歌唱力で幅広い世代を魅了している。また、全米の中学・高校・大学でコンサートや教育プログラムにパフォーマーとして参加し、音楽の素晴らしさを若い世代に伝えることにも力を注いでいる。