※数字は全て2023年10月現在
90年代のポップ・シンセ、ドライヴ感のあるオルタナティヴ・ロック、炸裂するメタルコアの間に位置するモダンなサウンドを引っさげ、他のどのバンドとも違う、極めて独特なストーリーを書いているエレクトリック・コールボーイ。ドイツのシュラーガー音楽(歌謡曲のようなもの)をデスコアとミックスさせた楽曲 「ハリカン」、ハードスタイルに影響を受けたインダストリアル・メタルコアサウンドの「パラサイト」、カスカーダ(Cascada)のヒット・シングル「エヴリタイム・ウィ・タッチ」のポスト・ハードコアタッチのカヴァーは、彼らが各ジャンルにおける最強の音楽的パラメーターを極めていることを確信させてくれる。またSpotifyの月間リスナー200万人以上、YouTubeのフォロワー70万人以上、Facebook、インスタグラム、X、TikTokの累計フォロワー数100万人以上。これらは彼らが、ドイツのメタル史上最大の驚異的現象へと向かっていることを明確に示している。
2010年にカシュトロップ・ラウクセルで結成されたこのバンドが、現代的なトランスコア・サウンドでドイツ国内の注目の的になるまでに長い時間はかからなかった。しかしこのサウンドが世界的なキャリアへの土台を築く可能性があったとは、当時は誰も考えていなかったのではないだろうか。2012年のデビュー・アルバム『ベリー・ミー・イン・ヴェガス』では初のチャート入り(65位)に成功した。2年後、『ウィ・アー・ザ・メス』は早くもトップ10内の8位にチャート・インし、2015年には『クリスタルズ』、2017年には『ザ・シーン』(両作品とも6位)、2019年には『リハブ』(16位)と続いた。
2020年6月、今やゴールドに認定された楽曲「ハイパ・ハイパ」が彼らの新時代の始まりを告げた。『ハイパ・ハイパ』のヨーロッパ・ツアーは完全にソールド・アウトとなり、2022年にリリースした6作目のアルバム『テックノ』は遂にドイツのアルバム・チャート1位に昇りつめた。さらにはルドルフ・ヴェーバー・アレーナ・オーバーハウゼン(Rudolf Weber Arena Oberhausen)で行われた自身主催の初のフェスティヴァル、エスカレーション・フェストは1万枚以上のチケットを売り上げるという成果を博した。
2023年、彼らは世界ツアーのほぼ全日程に加え、今や1日限りの独立したフェスティヴァルとして確立されたエスカレーション・フェスト2023もソールド・アウトにし、彼らが旬のバンドであることがまたもや証明された。
2024年、彼らは『テックノ』のワールド・ツアーを続ける中、ファンと共に成長し続けている。日本ではBABYMETAL主催のFOX_FESTに出演。また両バンドによる奇跡のコラボレーション楽曲「RATATATA」を全世界同時リリース。両バンドのスタイルを巧みに融合させたこの楽曲は、双方の世界をシームレスに織り交ぜ、爽快で新しい限界へと音楽を押し上げている。今後もバンドは近年成功続きである所以を改めて証明してくれるはずだ。驚かされる、見事な現象である。