ドラム・アイランドはトルビョーン・ブランドランド、オーレ・Ｊ・ミョス、ルーネ・リンドバーグの三人からなるノルウェイのグループ。ノルウェイの中でも北部に位置するトロムソという都市の出身で、現在はルーネは首都オスロに、他の二人はオスロに継ぐ第二の都市バーゲンに住んでいるらしい。メンバーのオーレはかつてイスミスティックというユニットでかつてオランダのDAJX UP BEATSで活躍し、音楽的に洗練された美しい作品をリリースしていた。また彼等は最近ペーパー・レコーディングスからThose Norwerians名義で作品をリリースしている他、いくつかのレーベルから作品を発表しているという。 ドラム・アイランドのサウンドはアブストラクトなエレクトリック・ミュージックとでもいえるものであるが、過度に実験的にならず、あくまで音楽として楽しめる範囲のものを心がけているという。たしかに彼らのアポロからのファーストアルバム「ドラム・アイランド」は全体的にはブライアン・イーノのアルバム「アポロ」にも通じるような壮大なサウンドスケイプを展開しながらも、「Glacier」でドラムン・ベースを取り入れたり「Lift」で彼ら独特のエレクトロを展開したりと、アルバム全体を通して充分に楽しめる作品に仕上がっている。様々なテイストの音が幾重にも織り重ねられつつも、あくまでそれらが散漫な印象を与えないことが、彼らの創り出す音楽のクオリティの高さを裏付けている。 昨年ワープからリリースを行ったジミ・テナーや昨年来日も果たしたパナソニックなど、北欧のシーンからは次々と才能豊かなアーチストが輩出されてきており、このドラム・アイランドも今後さらにユニークな活動が期待できるアーチストのひとつと言えるだろう。