「紺色ばっかり着るようにしてるんだって?」
そう。紺ってテクノだからさ。
「(?)へえ〜。....って何で?」
「オレにとってテクノって紺なんだよ。人によって違うと思うけどさ。スタジオも作ってさ、それがモンターク・スタジオっていう名前なんだけど、モンタークってドイツ語でマンデイなんだよ。ほら、ブルー・マンデーじゃん?」
「うん....」
「で、色とか統一していくと、他の事もいろいろとまとまってくるんだよ。」
「(何か宗教っぽいな....)」
「例えばさ、電子基板をハンダ付けしていって組み立てていくと、最終的に全部に電流が通るとか。」
「あ、なるほどね!何か精神的な部分から科学的なところまで展開して何となく納得のいく話だね!」
でしょ?もっともらしいでしょ?適当に口から出任せで言ったんだけどね!(笑)」
こんな調子で石野卓球との対話はスタートした。
意味深い言葉のようで、その実全く無意味。他愛のない軽い言葉のように聞き流すと、そこには驚くべき理論が隠されている。
石野卓球という男は、人を煙に巻くのが本当にうまい。
ソロアルバム制作の為のスタジオ入りを控えた11月11日から20日までの10日間、石野はこのDJF 400発売に際する各メディアへの取材日を設けた。インタビューを受ける媒体の数は、音楽専門誌から一般誌、TV番組を含め、莫大な数に及ぶ。この10日間、毎日インタビューを受け続けるのだから、終盤にも差し掛かれば疲れが出てきても当然のこと。ところがこのインタビューに答えてもらった11月19日、彼は変に構えることなく、非常にリラックスした雰囲気で、これまで以上に雄弁に語ってくれたようだ。それは以下の対話の様子から、充分感じ取ってもらえると思う。取り敢えず読み進めてほしい。
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