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「告白」

土曜日の昼下がり。僕は山積みにされたカセットテープの中から
妙に懐かしい1本の真っ白なテープを見つけた。
120分テープの片面にぎっしり録音されていたのは、僕の声達。
それは中学時代から浪人時代までのそれぞれの時代の自分から、
将来このテープを聴くであろう自分に向けてのメッセージだった。
そこには、今自分がやりたいこと・友達のこと・好きな人のこと・
過去への後悔・将来への不安等々が、その時代に歌っていたオリジナル曲と
共に語られていた。
それらの言葉が実に素直で素朴だったのは、このテープを聴くのが
自分自身であるからに他ならない。

僕が歌う理由のひとつであり、原点は「自分に向けて、その歴史を
刻み込む」ということだ。いわば自問自答の自己完結。だから
そこには語りかけるべき相手は存在しない。

でも僕はたった1人じゃ生きていけないことを知った時、
人に向けて歌うことの喜びを知った。そこで初めて「自問自答」が
「告白」へと進化したのだと思う。

僕のファーストアルバムは、様々な人達からの協力を得て僕のすべてを
真実の言葉で語ったアルバム。僕にとっては川の下流から大海へ向かう
出口のようなものだ。
将来、君とこのアルバムを聴いて、共に懐かしめればいいなぁ。


The Water of Life / 清水和彦

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