ザイオン・アンド・レノックス
 ザイオン(フェリックス・オルティス)とレノックス(ガブリエル・ピサロ)がプエルト・リコのカロリーナという小さな町で隣人となったということはまさに運命としか言いようがない。子供の頃から2人はラップ、ヒップ・ホップ、ダンスホールといった音楽を共有し、やがてそれは真剣に音楽をやりたいという情熱へと変わっていく。デュオとして本格的に活動をはじめた当初から彼らはレゲトンという音楽のポテンシャルを深く信じてきた。

 彼らの音楽はロマンティックなテーマをハードなビートとキャッチなメロディでブレンドするスタイルだ。愛や人生についてのポジティブな歌詞は男女問わず共感できるはず。ソウルフルな歌とエッジの効いたラップのコンビネーションにより、彼らはトップクラスのレゲトン・アーティストとなった。

 彼らはまずコンピレーションや有名アーティストとのコラボレーションなどに参加してキャリアを築いた。ザ・ノイズ、ゴッドファーザー、MVP、デサフィオ、ロス・マタドレス、DJコールディ、アニュイラ・イノバンド、Blin Blin Vol.1、マス・フロウといったコンピ/アーティストの作品に参加。中でも”Te Hago El Amor (Making Love To You)”という曲はプエルト・リコはもとより、アメリカでもスマッシュ・ヒットとなりザイオン&レノックスの名前を一気に広めた。

 約3年に渡りコンピやアーティストへのゲスト参加で基盤を固めた彼らが2004年にリリースしたデビュー・アルバムが『Motivando A La Yal』である。レゲトンにサルサ、メレンゲ、そしてロックなどの要素を織り交ぜたこのアルバムはMr.ゴールディ、ルーニーテューンズ、ソニックといった有名レゲトン・プロデューサー陣に加え、ダディー・ヤンキー、ヤガ&マッキー、テゴ・カルデロン、ボルティオといった人気アーティストたちもゲスト参加、ファースト・アルバムながら彼らのコネクションの深さを証明している。

 2004年にリリースされたこのアルバムはラテン・アメリカはもちろん、アメリカ、ヨーロッパといったマーケットでヒットを記録、彼らはフィラデルフィア、マイアミ、ニュー・ヨークといった主要都市をツアー、マディソン・スクエア・ガーデンやマイアミ・アリーナといった会場でもパフォーマンスを経験し、アメリカのマーケットにも熱心に進出している。

 こういった各地での成功はアーティストとして、そして人間としてより成長させた。世界中のファンと触れ合うことがより自分たちの目的がはっきりさせ、さらに努力することにつながっているという。こうして彼らはレゲトンを代表するアーティストとなり、世界中から注目される存在となった。今回よりインターナショナルに活躍するため、アルバムのスペシャル・エディションをリリース。さらにはLL・クール・Jやファットマン・スクープといったアーティストの作品への参加も予定されているという。