パール・ジャム
ワシントン州シアトル出身の5人組ロック・バンド。

グラミー賞受賞、アルバム3枚がビルボード誌に初登場1位(2010年時点)、CDセールス最速記録がギネスに認定されるなど、91年のデビュー以来累計6000万枚ものアルバム・セールスを誇る、まさにここ20年間で世界で最も成功したロック・バンドである。

ストーン・ゴッサード(G)とジェフ・アメン(B)が組み、地元シアトルで人気が高かったバンド、マザー・ラヴ・ボーンのヴォーカルであるアンドリュー・ウッドが90年に他界したことからバンドは解散、新たにヴォーカルを探し始める。元レッチリのドラマーで後にパール・ジャムでも叩くことになるジャック・アイアンズの紹介でサンディエゴに住むエディ・ヴェダーと知り合う。そしてエディが吹き込んだデモが全ての始まりとなった。

91年8月に発売された「TEN」(テン)は、これまで全米だけで1300万枚を売り上げ、93年の2ndアルバム「VS.」(ヴァーサス)は全米で5週連続1位に加え1週間で95万枚という当時の最速売り上げを記録し(ギネス認定)、94年の3rdアルバム「VITALOGY」(ヴァイタロジー)も初回プレス枚数だけで350万枚(これも当時の最高記録)と前代未聞の数字を立て続けに記録した。しかし彼らは、1st「TEN」で訪れたあまりにも大きな成功から来る様々な状況変化に苦悩し、2nd「VS..」時期からはメディア露出を極端に控え、ミュージック・ビデオさえ作らないという方針を打ち出すことで、周囲の異常ともいえる熱狂から自ら距離を置くことになった。

古着、ネルシャツなどファッションにまで影響が及び、もはやカルチャーとして完全に“トレンド化”した90年代前半のグランジ・シーンだったが、その流行が過ぎ去った後も、彼らは自らのポリシーや音楽性を変えることなく20年間高い人気を保持し続けることに成功、いつしか“真にアメリカの音(=ロック)”と言うべき、幅広い世代から支持を集める国民的なロック・バンドとなった。

デビュー20周年を記念したドキュメンタリー映画『パール・ジャム20』(監督:キャメロン・クロウ)の世界同時公開(9月20日)に合わせ、同名のサウンドトラック(2枚組/20年間の中からセレクされた全曲未発売のライヴ音源・未発表レア音源の全29曲収録=“パール・ジャム・クロニクル”と呼べる豪華内容!)、09年にUSで発売された1stアルバ「TEN」リマスター盤の“日本独自企画盤” (1CD/オリジナル・ミックスのリマスター+ボーナス6曲)、11年春にUSで発売された2nd「VS..」と3rd「VITALOGY」リマスター盤が、それぞれ未発表曲などを追加収録し“日本の紙ジャケ”仕様(海外盤とはサイズが異なります)で、10月5日についに日本でも発売される。

*今回の再発に際し、「TEN」の一部の楽曲、 「VS.」は全曲の歌詞の対訳を改訂しております。またライナーノーツはリマスター盤の3作とも新規書き下ろしとなっております。「パール・ジャム20」については、キャメロン・クロウのライナーノーツ(全29曲の楽曲・音源解説含む)の日本語訳と日本独自のライナーノーツが封入されております。こちらもお楽しみください。