ロニー・リストン・スミス
1940年12月28日アメリカ・バージニア州リッチモンド生まれ。

音楽家族の中で育ち、ゴスペルを歌ってた父とマッコイ・タイナーに強く影響を受け、ピアノ、チューバ、トランペットをこなすようになる。その後、電子ピアノ/キーボード類に転向。アート・ブレイキー、ファラオ・サンダーズ、ガトー・ガルビエリ、ローランド・カーク、ベティ・カーター等のツアーにも参加する。

70年代にはマイルス・デイビス・グループにも加入、アルバム「ビッグ・ファン」そして「オン・ザ・コ−ナ−」へ参加。

そして、73年に弟(ドナルド・スミス)を含むコズミック・エコーズを結成し、ファンキーなサウンドと融合した深い精神性によって多くのファンを獲得した。

その後、80年代半ばにはアコースティックに回帰したアルバムを発表するも一時低迷時期を迎えるが、90年代に入ってから彼らのジャズ、ソウル、ファンク、フュージョンを一体化させたグルーヴがDJたちに再評価され、若手アシッド・ジャズ・ミュージシャンにもフィーチャーされるなどシーンに復帰。

更に、クラブシーンでもサンプリングの対象として数多く引用されるまでになる。

エレクトロ・ジャズ・ファンクの奇才、ワゴン・クライストことルーク・ヴァイバートが「EXPANSIONS」のベース・ループを使ってたり、スキー・オークンフルがTHE K-CREATIVE時代に「WE CAN DREAM」をサンプルするなど人気ネタの宝庫というべきアーティストとなった。

また、アウトサイドのマット・クーパーからクレモンティーヌ、スウィング・アウト・シスターらがリスペクトするほど重要な存在とされる。現在でも現役で活動中だが、近年の詳細は不明。このデビューからの5作品で聴ける70年代という混沌とした時代を表現したファンク・サウンドは、今聴いても雄大な魅力に溢れている。