ジャン=マルク・ルイサダ(ピアノ)

 ロマン派のレパートリーとフォーレ、ドビュッシー、ラヴェルなどの近代フランス音楽における優れた解釈者としての名声を確立しているジャン=マルク・ルイサダは、1958年チュニジアの生まれ。6歳でピアノを始め、マルセル・シャンピとドゥニーズ・リヴィエールについてパリで、その後、イギリスのユーディ・メニューイン音楽学校でも学ぶ。16歳でパリ国立高等音楽院に入学、ピアノをドミニク・メルレに、室内楽をジュヌヴィエーヴ・ジョワ=デュティユーに師事し、その両方の課程でプルミエ・プリを獲得。また、ニキタ・マガロフとパウル・バドゥラ=スコダ、ミロッシュ・マギンらのもとでも定期的に学ぶ。

 1983年、ミラノ・スカラ座で開催されたディーノ・チアーニ国際ピアノ・コンクールで第2位入賞。1985年、ワルシャワでのショパン国際ピアノ・コンクールで第5位に入賞し、あわせて国際批評家賞を獲得。このショパン・コンクールでの成功が彼を国際的キャリアに導くきっかけとなり、以来世界各地においてソロ、室内楽、協奏曲のジャンルで幅広い演奏活動を展開している。

 録音も数多い。ハーモニック・レコーズに録音した2枚のソロ・アルバム(シューマンとショパン)を皮切りに、ドイツ・グラモフォンへは、ショパンのワルツ集、マズルカ全曲、グラナドス「ゴイェスカス」、プーランク「象のババール」、グリーグとシューマンのピアノ協奏曲などを録音。

 1997年よりRCA Red Sealの専属となり、モーツァルトのピアノ協奏曲第9番と第27番、ハイドンのピアノ協奏曲とソナタ、シューマンの謝肉祭ほかのピアノ作品集、ショパンのピアノ作品集、フォーレとビゼーのピアノ作品集、ショパンのピアノ協奏曲第1番[室内楽版]とドヴォルザークのピアノ五重奏曲、ローラン・コルシアとのフランク、フォーレほかのヴァイオリン作品集、ショパン、リスト、スクリャービンの3曲のロ短調ソナタを1枚にしたアルバム、ベートーヴェン作品集など、高い評価を受けている録音を続々と発表、2007年からは日本でも定期的に録音を行っている。

 ルイサダは8千以上のビデオを個人コレクションとして持つほどの大の映画好きで、ジャンヌ・モローと共演した「象のババール」、マーシャ・メリルとの共演になる、ジョルジュ・サンドの手紙の朗読とピアノ演奏を交えた舞台「聖なる炎〜ジョルジュ・サンドとショパン」(邦題「ショパンとサンド〜愛と哀しみの旋律」/日本公演:2000年11月)など、名女優とのコラボレーションによる音楽と舞台を融合させたプロジェクトも手がけている。また、トム・クルーズがその才能を評価し製作を買って出たスペイン映画界の俊英、アレハンドロ・アメナーバルの映画「アザーズ」(2001年)では無人の部屋のピアノがショパンのワルツ作品69-1を演奏する印象的なシーンがあったが、そこで使用された音源は他でもないルイサダのものであった。

 1989年6月に「芸術文化勲章シュヴァリエ」を、1999年11月には「国家功労5等勲章」をフランス政府より授与される。2003年7月14日には、「芸術文化勲章オフィシエ」を授与された。

 パリ在住。

オフィシャル・ホームページ 

http://www.jeanmarcluisada.com