「今年はブルーズの年だ!=The Year Of Blues」とアメリカの上院議会が宣言。今年はブルーズ生誕100年となる年で、大イベント、TV番組、ラジオ、映画、教育分野まで・・・マルチ・メディア・プロジェクトが繰り広げられる。その第一弾のイベントは2月7日NYのラジオ・シティ・ミュージック・ホールでブルーズ・フェスティヴァル“The Salute to the Blues Show”として行われ、AEROSMITH(スティー ヴンとジョーのみ)、Macy Gray, Buddy Guy, Mos Def, The Jon Spencer Blues Explosion、B.B.King, Robert Cray, Bonnie Raitt, Lyle Lovett, Aaron Neville (ネヴィル・ブラザース), Keb' Mo', Dr. John, David Johansen(元NEW YORK DOLLS), Vernon Reid(元リヴィング・カラー), Shemekia Copeland, Mavis Staples(The Staple Singers), Gregg Allman(オールマン・ブラザー・バンド), Public Enemy's Chuck D(パブリック・エナミー)etc.とロック、ブルー ズ、ヒップホップとバラエティに飛んだアーティスト達が参加した。
このショーの模様は、エクスクルーシヴ・プロデューサーとして映画“タクシー・ドライバー”や 音楽ものではTHE BANDの“ラスト・ワルツ”などでも有名なMartin Scorsese、監督 は Training DayなどのAntoine Fuquaによって撮影され、編集後秋に全米へ向けてTVオンエアーとなる。
The Year Of Bluesの今年、エアロスミスは秋に「ブルーズにインスパイアされたアルバム」をリリース予定。ジョン・メレンキャンプも自らのルーツを辿るロバート・ジョンソンのカバーなどを含む『TROUBLE NO MORE』をリリースする。
 
1903年、ミシシッピー州Tutwilerの寂しげな駅のプラット・ホームで、アフリカ系アメリカ人の作曲家、W・C・ハンディは、「かつて聴いたことのない、奇妙な音楽」を奏でる男に出会った。その予期せぬ音が、アメリカのルーツ音楽として最大の影響力を持つかたちとなり、すぐに世間に広がるのにそんなに時間はかからなかった。その音はそれ自体、またその音が基盤となったその他多くのジャンル、ジャズ、リズム&ブルース、ロックンロール、ソウル、ヒップホップを通して、今日まで響き続けている。それは今でも変わらずに、とてもシンプルに“BLUES”として知られている。
この未知との遭遇から100年目を記念し、さらに、アメリカや世界中における音楽史および文化史に与え続けているBLUESのインパクトを確認するためにも、2002年9月5日、United States Congress(米国議会)は、2003年を“The Year of the Blues”であると宣言した。BLUESに関わるイベント、マルチ・メディア・プロジェクト(ラジオ、一連の映画)コンサート、フェスティバル、教育が行われ、この記念すべき年を祝福する。YOTBは、BLUESを、その特異なアメリカン・ストーリーを、アメリカをはじめ世界中に与えたその影響力を、さらに知覚してもらうことに狙いを置いている。
公式宣言
第107回議会
第2期

アメリカ上院により、2003年2月1日に始まる年が“The Year Of The Blues”と宣言された。

決議
2003年2月1日に始まる年を“The Year of the Blues”と宣言する。

BLUESのインパクトは、ロックンロール、ジャズ、リズム&ブルース、カントリー、 さらにクラッシク・ミュージックにおいて世界中で周知され、アメリカのルーツ音楽として、最大の影響力を持つ形である。BLUESは、国家の歴史的遺産であり、次世代のために保存され、研究され、記録として残されるべきである。
BLUESは、20世紀における、アフリカ及びアメリカ文化に関する重要な証拠品である。
BLUESの様々な形は、大不況時、人種問題、ポップ文化、郊外から来るアメリカの移民、都市に対する農業社会、産業国家に関連する20世紀のアメリカ史をドキュメントするものである。
BLUESは、いくつものフェスティヴァルや、アメリカで毎年リリースされる数百万枚というニュー・アルバム、あるいは再発行アルバムに誇られるアメリカのルーツ音楽を最も称える形である。
BLUESおよびアメリカのBLUES歌手は、今昔も男女を問わず、アメリカおよびアメリカ音楽の、特異かつ重要な大使として、世界中で認識され崇拝されている。
今日耳にする音楽のルーツと伝統とが、BLUESに在るということを、アメリカの若者に学習するのは、重要なことである。アメリカには、若き世代が、認識し、学び、記録すべき、BLUESレジェンドが多く生存している。2003年は、クラッシック音楽の訓練を受けたミュージシャン、W・C・ハンディが、ミシシッピ州のある駅で初めてBLUESを知り、アメリカ中に流通する最初のBLUES音楽を作曲してから、100年という記念の年である。彼は、それにより“Father of the Blues”と呼ばれるようになった。よって、今ここに、決議する。

上院は、
1)2003年2月1日にはじまる年を“The Year of the Blues”であることを宣言し、
また、
2)それに相応しいセレモニー、活動、教育プログラムを通じて、アメリカ国民が“The Year of the Blues”を祝福するよう、大統領による公示の発給を要求する。
 
マーティン・スコセッシによる『THE BLUES』は、音楽への情熱を分かち合う7人 の有名ディレクターのレンズを通して映じられる、個性的で印象深い7部ひと続きの フィルムだ。スコセッシの作品に加え、チャールズ・バーネット、クリント・イーストウッド、マーク・レヴィン、マイク・フィジズ、リチャード・ピアス、ヴィム・ヴェンダースが投じるフィルムが、BLUES音楽のエッセンスを捕らえ、さらに、アフリカにルーツがあったところから今日のトップ・アーティストとの刺激的な共演に至るまでの世界的影響力を探求する。
 これら一連のフィルムは2003年の秋、USのPBSで国内放映される。『THE BLUES』 は、2003年がYOTBだという議会の宣言にキックオフされ、BLUESを祝福する国内キャンペーンの基石である。スコセッシにとって『THE BLUES』は、愛する音楽を敬い、その遺産を保存し、ブルースという芸術を祝福したいと希望して集まった才能在る映像フィルムディレクター等と近くで仕事をするという、大きな野心の蓄積である 。
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