★私とサントロペ

 今ではサントロペから30km先のレ・ザルクと言う街でヴァカンスを過ごすのが私 の定番なのですが、子供の頃はサントロペ旧市街の、教会の傍の祖母の別荘でヴァ カンスを過ごしたのです。だから私にとってサントロペはパリ以上に親しみ深い街 なのです。
 子供の頃は母に連れられて、港に泊まっている船を見るのが大好きでした。何も かもがキラキラと美しく、大はしゃぎしたものです。「あんな船を買って欲しい」 ととんでもないわがままを言って、母を困らせた事を今でも思い出します。思春期 になると友達と港を散歩し、大人達に混じってウインドウ・ショッピングをしてか ら、ピザ屋さんで食事するのが大冒険でした。
 サントロペの流行は今にはじまった事ではありません。ブリジット・バルドーの 代表作『素直な悪女』、マリー・ラフォレの笑顔が弾ける『赤と青のブルース(原 題は"Saint-Tropez Blues")』などの映画が撮影された'50年代後半、サガン・グレ コ・ヴァディムがここを愛し、ヴィシー、裸足、ジャズ・クラブが大流行。ちょっ とスノッブなヴァカンス地として憧れの場所となり、その後はもう少し身近で、世 界的に有名なヴァカンス地になりました。 ここには何よりも大好きな太陽と、青い 海と空があります。私には1年中パリで過ごすなんて絶対にできません。太陽とヴァ カンスなしで過ごすなんて考えられない事です。ストレスも疲れも太陽のパワーに は勝てないのですから・・・。


  1  2  3  4  5  6  next >>>