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年末パーティー・レポート


1996.12.30(MON)
NEW STAGE RECORDS 1st PARTY
@YELLOW / NISHIAZABU

FLYER

TIME TABLE

TAKAHIROとDJ MIKによる東京発の新進インディーズ・レーベル"New Stage Records"による最初のパーティー。これはレーベルの母体となったパーティー"Key Energy" presentsという形で開催された。


一番手を勤めたのはちょうど10日前のPURIFYを大成功に収めたDJ ENO
スタートはディープにフロアーをウォームアップさせておいて、徐々に徐々にビルトアップしていき、そのプレイのラスト辺りで大きな盛り上がりを見せるという、最近得意とする練られた構成力でその実力を発揮していた。


続くはMOON AGEQ'HEY
このパーティー前段階では、彼がKey Energyのパーティーでプレイするということに対して、彼のプレイ・スタイルとこれまでのKey Energy、特にDJ MIKのプレイ・スタイルを考えてみると多少なりとも異色な感じを与えていたのは否定し得ない。
しかしこの日のパーティーに来た人なら、それが特に不自然な組み合わせでもなかった事を知ったはずだ。
トランス的なイメージのの強かったKey Energyの看板DJ MIKは、この日のプレイでハウスから始まりミニマル・テクノへと展開していくという、以前よりも幅広い選曲で彼の新境地を見せていたのだ。


話を戻そう。
Q'HEYのプレイは、勢いのあるエンディングでENOからバトンタッチの後、再びディープめのミニマル・トラックでクールダウンさせておきながら、間もなく強烈な展開のあるハウシーなものへ、さらにソリッドなミニマルものへと展開いく。
この辺りでフロアーも埋り尽くし、熱気がひしひしと伝わってきた。
そして彼はそれに答えるべく、スピード感のあるハードなプレイでクラウドを思う存分沸かせていた。


ここで舞台はDJからこの日の目玉のひとつであるライブPAへ。
EBIZOOのライブはR&Sからリリースをされている曲のごとく空感を感じさせるダンス・トラックを披露。2曲めではDrum & Bassで驚かせ、また4ビートの美しくもダンサブルな曲を続けていき30分のプレイを終了。
次はAnima Mundi名義で既にNew Stage Recordsからアルバムをリリースし、間もなく12インチ・シングルも発表される予定のSusumu Yokota
彼のライブはトライバルな雰囲気漂うもので、特にパーカッションの独特な響きが印象的だった。
シングルとして発売予定の"Hebula"も披露された。


2つの完成度の高いライブPAの終了後は、ラストはKey EnergyのレジデントDJでありNew Stage RecordsA&Rそして自身も"Lotus"のメンバーとして同レーベルから"Kasumi Experience"を発表しているMIK


前半は前述のようなハウシーな展開で、その選曲には"Nagai Eri"の曲まで飛び出し、クラウドを少なからず驚かせていた。その後徐々にミニマルものへと展開し、Jeff Millsの曲等もプレイ。
これは今回のパーティーを象徴するひとつの事実として挙げられることである。
プレイしたDJの3人全てがJeff Millsの曲をプレイしていたのだ。
過去のKey Energyを知る人なら、これは驚くべきだということを知っているハズだ。
正に時代も音も動いているのが実感して取れる事実だった。


MIKのプレイはさらにハードに展開していき、得意とする浮遊感のあるトランスものへと発展。
じっとレコードの溝と針を睨みつけながらプレイするその姿には鬼気迫るものがある。
ここまで全身に力を込めて真剣にプレイするDJはそういないだろう。
まるでその視線を通して音に魂を送っているかのようだ。
クラウドにもその緊張感が伝わっているらしく、音の細かな一挙一動に歓声が挙がる。
みな、MIKがプレイする音が生きているということを肌で感じ取っていたようだ。
最後にはAnima Mundiの"Hebula"をDATにてプレイし、長くDJを続けてきたベテランとしての貫祿を、その考え抜かれた構成で綴った3時間のプレイの中でまざまざと見せつけてくれた。


なおこの日サブ・フロアの方では、"Lotus"のNATSU、R&Sから"Planetoid"名義でリリースしているSHIRAISHI、"Ambient Web"を主催しているY@K!?などがプレイし、リラックスできる気持ちのいい空間を作っていたことも忘れられない。


今後NEW STAGE RECORDSは東京を代表するレーベルのひとつとして躍進していくであろうことを確信できるパーティーだった。


1997 (C) SONY RECORDS, a group of Sony Music Entertainment (Japan) Inc.

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