VALERY AFANASSIEV|インフォメーション
http://www.sonymusic.co.jp/artist/ValeryAfanassiev/info
ソニーミュージックによるVALERY AFANASSIEVのオフィシャルサイト。VALERY AFANASSIEVの最新情報、着うた(R)、試聴、ライブ情報などを掲載。
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24回目の来日を前に、鬼才アファナシエフの最新録音「ベートーヴェン:ハンマークラヴィーア」本日発売・全世界配信開始
http://www.sonymusic.co.jp/artist/ValeryAfanassiev/info/558199
<img style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;" src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/SICC19075_SJ146220.jpg" alt="ジャケット写真" width="550" height="546" />
現代のピアノ界の鬼才ヴァレリー・アファナシエフ。モスクワに生まれ、旧ソ連の英才教育を受けながら、27歳でベルギーに亡命、以来ヨーロッパを中心に演奏活動を重ねている。ピアノ演奏のみならず、20冊近くの書籍を出版している文学者・小説家・詩人でもあり、そのユニークな活動は日本でも大きな注目を集め、TVドキュメンタリーが制作され、熱心なファンを多数生み出している。
1983年以来通算24回目となる来日公演を前に、本日、ソニーミュージック・レーベルズより最新録音「ベートーヴェン:ハンマークラヴィーア」が発売された。同時に全世界で配信も開始されている。
2019年に「テスタメント(遺言)」と題した6枚組の大作アルバムを発表し、あたかも録音活動にピリオドを打ったかに思えたアファナシエフが、6年ぶりに再び録音に復帰し、手掛けたのがベートーヴェンのソナタの中でも最大・最難のピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」。76歳をむかえ、自らの録音活動の集大成として、音楽上の師であるエミール・ギレリスが最も得意とし、名録音を残している同ソナタについて、どうしても自分の解釈を残しておきたいという思いが募り、2023年6月、ドイツでの録音を決意し、万全のコンディションで臨んだ。
ベートーヴェンのピアノ曲は、アファナシエフにとって自らの音楽的なルーツでありかつ根幹となるパートリーであり、これまで32曲のソナタのうち18曲の録音を残してきた。特に後期ソナタについては演奏会で繰り返し取り上げ、複数の録音を残しているほどだが、そのベートーヴェン後期の一角をなす第29番「ハンマークラヴィーア」については、過去に演奏会で取り上げたことはなく、ドイツでの録音が「初演奏」となった。
アファナシエフは「ハンマークラヴィーア」についてこう書いている―――「私がこのソナタと初めて出会い、それを初めて鍵盤上で弾いた時からずっと、私はこのソナタの真ん中で生きてきたと言えるだろうか。それは分からないけれども、ある程度までこのソナタとともに生きてきたこと、そしてこれを録音しないままこの世に別れを告げるのはとても耐えがたいことだろうとある時点で実感したのは確かだ。その私の夢は現実のものとなった」。
初演奏とはいえ、長年作品を研究してきただけあって、楽譜の隅々にまで行き届いた慧眼は驚くべきもの。演奏時間は全4楽章58分で、アファナシエフの名前を世界に轟かせたシューベルトの最後のソナタを上回る遅さであり、特に22分をかけてじっくりと構築した第3楽章アダージョは明晰な筆致でベートーヴェンの思索と哲学が描き出されているかのようだ。
11月28日から始まる来日公演では、王子ホールでの「TIME」と題されたシリーズの最終回(完売)でシリヴェストロフ、ドビュッシー、プロコフィエフを弾くほか、大阪ザ・フェニックスホールと横浜フィリアホールではお気に入りのポロネーズ、ワルツ、マズルカで構成したオール・ショパン・プロを披露する。
アルバム情報
ベートーヴェン:ハンマークラヴィーア・ソナタ
ヴァレリー・アファナシエフ
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/SICC19075_SJ146220.jpg" alt="ジャケット写真" width="350" height="347" />
[収録曲]
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
ピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 作品106 [58:05]
1 I. アレグロ [17:33]
2 II. スケルツォ:アッサイ・ヴィヴァーチェ――プレスト――プレスティッシモ――テンポ・プリモ [3:35]
3 III. アダージョ・ソステヌート アッパッショナート・エ・コン・モルト・センティメント [22:12]
4 IV. ラルゴ――アレグロ・リゾルート [14:43]
ヴァレリー・アファナシエフ(ピアノ/ヤマハCFX)
[録音]2023年6月13日~15日、ドイツ、ヴェルニゲローデ、コンツェルトハウス・リープフラウエン
[プロデューサー]ゲルハルト・ベッツ
[レコーディング・エンジニア]フィリップ・ネーデル (b-sharp Berlin)
[ピアノ調律]ゲルト・フィンケンシュタイン
◎フィジカル
■品番:ハイブリッドディスク SICC-19075
■発売日: 2023年11月22日
■価格:¥3,630(3,300+税)
■レーベル: Sony Classical
◎デジタル
通常配信のほか、ハイレゾ24・96およびDSD配信も実施
‣<a href="https://sonymusicjapan.lnk.to/Afanassiev_BeethovenHammerklavierSonata" rel="noopener noreferrer" target="_blank">ご試聴はこちら</a>
ヴァレリー・アファナシエフ プロフィール
1947年モスクワ生まれ。モスクワ音楽院でギレリスらに師事。1968年バッハ国際、1972年エリザベート王妃国際コンクール優勝。1974年にベルギーへ亡命、以後欧米各地で活動を開始。1983年にギドン・クレーメル初来日して以来、定期的に来日。ピアノ演奏にとどまらず、小説・エッセイを発表する文学者の顔も持つ。 現在はブリュッセル在住。現代屈指のカリスマ的ピアニスト。
<img style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;" src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/202311221336570.jpg" alt="アーティスト写真" width="550" height="413" />
来日公演
11月28日(火) 19:00大阪 ザ・フェニックスホール
ショパン:
ポロネーズ第3番 イ長調 op.40-1「軍隊」
ワルツ イ短調 op.34-2 ・ワルツ 嬰ハ短調 o.64-2
ワルツ ロ短調 op.69-2
ポロネーズ第2番 変ホ短調 op.26-2
ポロネーズ 第1番 嬰ハ短調 op.26-1
マズルカ ロ短調 op.24-4 ・ マズルカ 変イ長調 op.41-4
マズルカ 変ニ長調 op.30-3 ・マズルカ 嬰ハ短調 op.30-4
マズルカ ハ長調 op.56-2 ・ マズルカ ヘ短調 op.63-2
マズルカ 嬰ハ短調 op.63-3 ・ マズルカ イ短調 op.68-2
<a href="https://www.kojimacm.com/digest/231128/231128.html">https://www.kojimacm.com/digest/231128/231128.html</a>
11月30日(木) 19:00開演 王子ホール(完売)
ヴァレリー・アファナシエフ TIME 第3年(3回シリーズ)
シルヴェストロフ:オーラルミュージック 第1番
:オーラルミュージック 第2番
ドビュッシー:3つの前奏曲 帆/夕べの大気に漂う音と香り/雪の上の足跡
********** 休憩 **********
ドビュッシー:月の光
:2つの前奏曲 デルフィの舞姫/沈める寺
プロコフィエフ:風刺 Op.17
12月1日(金)19:00 フィリアホール(横浜市青葉区民文化センター)
ショパン:
ポロネーズ第3番 イ長調 op.40-1「軍隊」
ワルツ イ短調 op.34-2 ・ワルツ 嬰ハ短調 o.64-2
ワルツ ロ短調 op.69-2
ポロネーズ第2番 変ホ短調 op.26-2
ポロネーズ 第1番 嬰ハ短調 op.26-1
マズルカ ロ短調 op.24-4 ・ マズルカ 変イ長調 op.41-4
マズルカ 変ニ長調 op.30-3 ・マズルカ 嬰ハ短調 op.30-4
マズルカ ハ長調 op.56-2 ・ マズルカ ヘ短調 op.63-2
マズルカ 嬰ハ短調 op.63-3 ・ マズルカ イ短調 op.68-2
【お電話でのご予約・お問い合わせ】合同会社ノヴェレッテ 050-6878-5760
2023-11-22
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アファナシエフによるベートーヴェン、ここに極まる。最新録音「ベートーヴェン:ハンマークラヴィーア・ソナタ」発売。
http://www.sonymusic.co.jp/artist/ValeryAfanassiev/info/558179
ベートーヴェン
ハンマークラヴィーア・ソナタ
ヴァレリー・アファナシエフ
BEETHOVEN: HAMMERKLAVIER-SONATE | VALERY AFANASSIEV
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/SICC19075_SJ146220.jpg" alt="ジャケット写真" width="550" height="546" />
■品番:ハイブリッドディスク SICC-19075 ■発売日: 2023年11月22日
■価格:¥3,630(3,300+税)■レーベル: Sony Classical
アファナシエフによるベートーヴェン、ここに極まる。
■現代クラシック・ピアノ界の鬼才、本年76歳を迎えたヴァレリー・アファナシエフが、ベートーヴェンがその生涯に残した最大のピアノ曲「ハンマークラヴィーア・ソナタ」を録音!1972年に始まる自らの録音活動の集大成として、音楽上の師であるエミール・ギレリスが最も得意とし、名録音を残している同ソナタについて、どうしても自分の解釈を残しておきたいと切望し、万全のコンディションで臨んだアルバムです。11月の来日公演の直前にリリースします。
■ベートーヴェンのピアノ曲は、アファナシエフにとって自らの音楽的なルーツでありかつ根幹となるパートリーであり、これまで32曲のソナタのうち18曲の録音を残してきました。後期ソナタについては複数の録音を残していますが、そのベートーヴェン後期の一角をなす第29番「ハンマークラヴィーア」については、過去に演奏会で取り上げたことはなく、今回の録音が初演奏となります。
■とはいえ、長年作品を研究してきただけあって、楽譜の隅々にまで行き届いた慧眼は驚くべきもの。さらに演奏時間は全4楽章58分で、アファナシエフの名前を世界に轟かせたシューベルトの最後のソナタ(ECM 1985年録音)を上回る遅さであり、特に22分をかけてじっくりと構築した第3楽章アダージョは明晰な筆致でベートーヴェンの思索と哲学が描き出されていきます。
<img style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;" src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/PHOTO2_DSC02541_bw.jpg" alt="ジャケット写真" width="550" height="413" />
[収録曲]
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 作品106 58:05
Piano Sonata No. 29 in B-flat Major, Op. 106 “Hammerklavier”
1 I. アレグロ 17:33
Allegro
2 II. スケルツォ:アッサイ・ヴィヴァーチェ――プレスト――プレスティッシモ――テンポ・プリモ 3:35
Scherzo: Assai vivace – Presto – Prestissimo - Tempo I
3 III. アダージョ・ソステヌート アッパッショナート・エ・コン・モルト・センティメント 22:12
Adagio sostenuto. Appassionato e con molto sentimento
4 IV. ラルゴ――アレグロ・リゾルート 14:43
Largo - Allegro risoluto
ヴァレリー・アファナシエフ(ピアノ/ヤマハ)
[録音]2023年6月13日~15日、ドイツ、ヴェルニゲローデ、コンツェルトハウス・リープフラウエン
[プロデューサー]ゲルハルト・ベッツ
[レコーディング・エンジニア]フィリップ・ネーデル (b-sharp Berlin)
[ピアノ調律]ゲルト・フィンケンシュタイン
<img style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;" src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/202311212026380.jpg" alt="ピアノの写真" width="550" height="413" />
ハンマークラヴィーア
ヴァレリー・アファナシエフ
私たちはベートーヴェンの第5番がタ・タ・タ・ターンと始まることを知っている。そして私は、かつて自分が《ハンマークラヴィーア》について、それまではその存在すら全く知らなかったソナタについて読んだということを知っている。それを私はヨーゼフ・ホフマンのことを書いた本で読んだのだが、その本の中では《ハンマークラヴィーア》はほとんどホフマンのライヴァルであるフェルッチョ・ブゾーニによって演奏されていた。たちまちこのソナタは私の中で神話的な地位を獲得した。それから少しして私はそのスコアを手に入れ、私の能力の及ぶ限りで演奏しさえした。私の演奏はフーガのかなり手前で終わってしまったが、どのみちフーガは弾かなかっただろう。バッハの《平均律クラヴィーア曲集》を暗譜していた私の中でフーガは飽和状態になっていたのだ。その時の私は、「これは自分が死ぬ直前に弾きたい曲だ」などと考えたりはしなかったと思う。(・・・)私がこのソナタと初めて出会い、それを初めて鍵盤上で弾いた時からずっと、私はこのソナタの真ん中で生きてきたと言えるだろうか。それは分からないけれども、ある程度までこのソナタとともに生きてきたこと、そしてこれを録音しないままこの世に別れを告げるのはとても耐えがたいことだろうとある時点で実感したのは確かだ。その私の夢は現実のものとなった。ほかのたくさんの夢が宙ぶらりんのままになっているのとは反対に。(ライナーノーツより)
<img style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;" src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/PHOTO3_DSC02497_bw.jpg" alt="ピアノを弾く指先の写真" width="550" height="413" />
2023-11-01
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来日中のアファナシエフが、3年がかりのプロジェクト「TIME」について、大いに語る!
http://www.sonymusic.co.jp/artist/ValeryAfanassiev/info/535190
ヴァレリー・アファナシエフ 最新インタヴュー
インタヴュー・文 青澤隆明
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/201902271457391.jpg" alt="" width="640" height="427" />
ヴァレリー・アファナシエフが2年ぶりに来日した。ピアニストとしての演奏活動に関するかぎり、近年はとみに重要な拠点となってきた日本で、今年から3年にわたるリサイタル・プロジェクトTIMEを銀座の王子ホールでスタートさせる。
「音楽史上の時」を訪ねるプロジェクトで、アファナシエフ自身にとっての愛奏曲ばかりが組まれている。まさしく温故知新ともいうべきプログラムであるだけに、70代の半ばを唯我独尊で歩むアファナシエフが、現在の自由な心境と人間性を反映しつつ、史上の名作に臨みつつ、西欧音楽と彼の演奏解釈のエッセンスを聴かせるユニークなシリーズとなるだろう。
TIME第1年は、バッハの『平均律クラヴィーア曲集第1巻』から8組の「プレリュードとフーガ」を始まりに弾き、後半にはモーツァルトのハ短調の幻想曲K.475とソナタK.457を採り上げる。来日後の隔離期間が明けたところで、アファナシエフと再会し、話をきいた。
「Covidウィルスの感染症拡大によって、私の精神生活が突然大きく変わるということはありませんでした。実際には、モスクワの友人がふたり亡くなりました。私が暮らすブリュッセルの本屋は一時期すべて閉まりました。今年4月にはモスクワでのリサイタルでショパンを弾きましたが、来日直前の演奏会のために入念に準備していたブラームスのピアノ協奏曲第2番の機会はやむなく中止になってしまいましたし、ブリュッセルの音楽院で行う予定だったのマスタークラスも延期されたままです。しかし、どんな状況にも光は見出せるもので、必ずしもポジティヴな面がないわけではありません。私は内面的に充実した時間を過ごしてきました」。
3年をかけた『TIME』プロジェクトは、6枚組CDボックス『TESTAMENT』の先に立つ、集約的なブログラム構成のようにみえる。いずれもアファナシエフにとっての名曲再訪の好機となるのだろう。
「『TIME』というのはこの場合、ただ『音楽の歴史』という意味です。時間に対する私のアティテュードということではなく。後者についてお話しするなら、2年前に静養していろいろと考えていたとき、私の人生においては、あらゆることがあるべき時にあるべき場所で起ったのだと思いました。ソヴィエト連邦から亡命したのも正しいタイミングでした。1974年に西側に定住し、それから12年間かけてLPレコードのコレクションを築けたこともよい時期だったからです。私の人生に起こったことは、つねに正しい時を得て起っていたのです。すべては計画されたものではなく、もうすぐ75年にもなる私の人生は幸せな奇跡のようなものだと感じます。私の執筆活動の進展についてもそうですし、自分のピアノ演奏のスタイルについても同じことが言えます。『TESTAMENT』のCDボックスも、私自身の背景を映し出すクロノロジーとしても大切なものになりました」。
そのようにして、ここから展開される『TIME』も、時宜を得た取り組みとなるのだろう。
「これらのプログラムは、私のパーソナルなピアノの歴史というべきものです。シルヴェストロフは私がもっとも重要視する現代の作曲家で、彼の作品で『TIME』をしめくくるのはとても美しく思われます。もちろん響きの繊細さも魅力ですが、心理学的な意味で言うなら、過去から適切ななにかを得て自由を獲得するという意味でも実に重要な作曲家です。」。
シルヴェストロフは『オーラル・ミュージック』の連作、ドビュッシーは『前奏曲集第1巻』からの抜粋、そしてプロコフィエフは『TESTAMENT』にも収録された初期作『サルカスム(風刺)』と、独創的な天才たちの作品が組み合わせられる。その前年、2022年にはシューベルトの『楽興の時』と、ブラームスの『6つの小品』 op.118と『2つのラプソディー』op.79をアファナシエフは弾く。
「私はシューベルトとブラームスとともに長い時間を生きてきました。シューベルトについてはとくに多くのテクストを著してもいます。シューベルトとブラームスの孤独は、それぞれに重要な意味をもっていますね。そして、シリーズは当然、バッハで始めるべきです。バッハなしに音楽の歴史を考えることはできませんし、とくに『プレリュードとフーガ』という作品は西洋音楽の基礎です。残念ながら、いまの私はこれらの作品を暗譜では弾けませんが、かなり前には全曲演奏もしています。ですが、すべてを暗譜で記憶しているのには飽いてしまったので、それからだいぶ時を経たいま、おそらくは15時間くらいかけて曲の記憶を地図のように蘇らせなくてはなりません。モーツァルトのハ短調ソナタは、かつて師のエミール・ギレリスの家でも弾いたことがありました。私がこどものとき初めて聴いたピアノ・レコーディングのひとつでもあります。ファンタジーも傑作で、ともに演奏されることがまた大切です」。
2021年11月のリサイタル・ツアーは王子ホールでのTIME第1年の後、18日に大阪のフェニックスホール、20日に神奈川県の茅ヶ崎市民文化会館でのリサイタルを控えている。そちらのプログラムは、バッハの『プレリュードとフーガ』第1巻の選集で始まり、後半にはブラームスの『4つのバラード』op.10と『2つのラプソディー』op.79が採り上げられる。
「バッハとブラームスはそれほどかけ離れてはいませんし、形式の上でも近いものがあります。もちろんTIMEの3つのプログラムの他にも、演奏すべき傑作はたくさんありますから、今回はバッハで始めたところに、ブラームスの名作を組み合わせました」。
ヴァレリー・アファナシエフの独特の境地、彼のピアノの豊潤な響きと充ち溢れるハーモニーのうちに、西欧音楽の至宝を訪ねる得難い時間となるだろう。
ヴァレリー・アファナシエフ ピアノリサイタル 茅ヶ崎市民文化会館大ホール
日付 2021年11月20日(土)
開催場所 茅ヶ崎市民文化会館 大ホール
上演・開催時間 14:00開演(13:20開場)
入場方法 全席指定・税込 S席:6,500円 A席:5,000円 学生席:2,500円
*学生席は文化会館と茅ヶ崎市楽友協会のみの取り扱いとなります。 *未就学児の入場・同伴はご遠慮ください。託児サービス(有料・事前予約制)をご利用ください。
*市民文化会館にてチケット販売中
世界屈指のバッハ国際コンクール、エリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝を飾り、ヨーロッパをはじめ世界各国で演奏活動を続ける鬼才、ヴァレリー・アファナシエフが来日! ピアニストであり、指揮者であり、作家・俳優でもある彼が奏でる情熱的な音の世界に、身をゆだねてみませんか?
【出演】
ヴァレリー・アファナシエフ(ピアノ)
【プログラム】
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より 8つの前奏曲とフーガ
第1番 ハ長調 BWV846
第2番 ハ短調 BWV847
第7番 変ホ長調 BWV852
第8番 変ホ短調 BWV853
第21番 変ロ長調 BWV866
第22番 変ロ短調 BWV867
第23番 ロ長調 BWV868
第24番 ロ短調 BWV869
ブラームス:4つのバラード Op.10
2つのラプソディ Op.79
*出演者の都合により曲目等が変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
*終演後のご面会、及びロビー、楽屋口等での出演者の出待ちはお断りお断りいたします。また、出演者へのプレゼントはお預かりすることが できませんので予めご了承ください。
主催:茅ヶ崎市楽友協会 共催:公益財団法人茅ヶ崎市文化・スポーツ振興財団
託児サービスあり(有料・事前予約制) お電話で「イベント託児・マザーズ」へ TEL:0120-788-222
<a href="https://www.chigasaki-hall.jp/events/6265.html">https://www.chigasaki-hall.jp/events/6265.html</a>
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/Afanassiev_Kioi2016_6973_bw.jpg" alt="" width="880" height="587" />
2021-11-17
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「テスタメント|私の愛する音楽~ハイドンからプロコフィエフへ~」2019年度 第57回「レコード・アカデミー賞」特別部門(企画・制作)受賞!
http://www.sonymusic.co.jp/artist/ValeryAfanassiev/info/513309
ヴァレリー・アファナシエフの「テスタメント|私の愛する音楽~ハイドンからプロコフィエフへ~」が、2019年度 音楽之友社第57回「レコード・アカデミー賞」特別部門(企画・制作)を受賞しました。アファナシエフから受賞のメッセージが届きました。
ヴァレリー・アファナシエフの受賞メッセージ
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/Afanassiev_Kioi2016_6657_bw_trim.jpg" alt="" width="758" height="616" />
私たちはいくつもの死を経て生きている――やがて生まれかわることを予想しながら。時に、自分の人生がわからなくなることもある――途方もない量の感情の波、記憶、そして衝動が、精神と肉体を飲み込んでしまうからだ。そうした時、私たちは自分の顔に触れ、鏡で自分の姿を覗いて、自分がまだ自分でいるかどうかを確かめたくなるのだ。
「テスタメント」の制作過程で、私は、圧倒的な存在感で顕在化される自分のモスクワ音楽院時代の記憶や思い出と向き合っていた。その記憶は、この素晴らしい教育機関――1950年代から60年代のモスクワ音楽院は、疑いなく世界最高の音楽学校だった――における自分の師や壁の色に収斂していった。そうした記憶こそが、長年弾いてきた音楽を再び「テスタメント」のために演奏するよう仕向けてくれた。日本のソニーミュージックによって現実化したこの機会がなければ、プロコフィエフのピアノ・ソナタ第6番(音楽院で学んだ懐かしい1曲だ)を再び演奏することはなかっただろう。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ3曲(第4番・16番・19番)は、長い間、自分のためだけに弾いてきた音楽だ。
自分の過去と向き合うのは簡単なことではない。失望の繰り返しや、束の間の栄光と対峙することになるし、亡くなった家族や友人、先生のことに思いを致さざるを得ないからだ。しかし同時に、私はモスクワ、パリ、ザルツブルクで聴いた素晴らしい演奏会の数々を思い起こす。これは私の人生で最も幸福な年月だった。音楽院でギレリスと関わりができたことは、私の人生の奇跡、自分にとっての「おとぎの国」、としか言いようがない。過去と未来を隔てる境界の向こうの芝生は「いつも青く見える」ものだ。それは人生も来世もまた同じ。何世紀にもわたって、人類は未来に希望を向けてきた。しかし私としては、「黄金時代はもう失われて戻らない」と言ったヘシオドスに与する。そのことはどうあれ、文学の面でも、音楽の面でも、この「テスタメント」のボックスセットは、私の今の精神、心持ちと不滅の魂を表現したものだ。
私はさまざまな人々に感謝せねばならない。自分に与えられたスペースをわきまえておく必要もあるが、まずは、ギレリス、ラフマニノフ、ブゾーニ、フルトヴェングラー、そしてプラトンに感謝を捧げたい。しかし、過去への感謝と共に、私を助け、励ましてくれる人たちを忘れるわけにはいかない――私の日本とロシアの友人たちだ。今や、私が繰り返し問い続けている問いかけ――自分は誰のため3か国語で文学を書き、ピアノを演奏するのか――を改めてすることは、不適切で、悪趣味なことだ。コンサートに行く人々――普通の人々もそうでない人々も同じく――もう音楽に耳を傾けはしない。ポスター映えする似非ピアニストたちがラフマニノフやショパンをチャラチャラ弾くのを見るだけだ。プロデューサーのゲルハルト・ベッツに送った最後のメールに、私は自分の答えをやや大げさにこう書いた――「たぶんこれは神のためだけにやることだ」。「レコード・アカデミー賞」をいただくことは、この見解とは矛盾する。どちらが正しいかは別として、これは、私の人生のモットーである「義務」の領域の問題だ。このことを、私の死の床にあっても、忘れないようにしたい。ライプニッツによると、最後の言葉と思想は重要なものだ、という。この世とあの世とを繋ぐ架け橋だからだ。
――ヴァレリー・アファナシエフ
[訳:長島輝]
2019-12-10
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空前の6枚組の最新アルバム「テスタメント/私の愛する音楽~ハイドンからプロコフィエフへ~」、ついに登場。
http://www.sonymusic.co.jp/artist/ValeryAfanassiev/info/504337
私の死後、残したい音楽はここにあります。――鬼才ピアニスト、アファナシエフ
ロシア・ピアノ楽派の伝統を今に受け継ぐ鬼才ピアニスト、ヴァレリー・アファナシエフ。その独自の音楽世界は70歳を超えた今もますます深まりを見せているが、最新録音が何とハイブリッドディスク6枚組のボックス・セットとして登場。題して「テスタメント/私の愛する音楽~ハイドンからプロコフィエフへ~」。
「このボックス・セットは、いわば私のこれまでの人生の経験を一つにまとめたような趣きがある。私がこれまでの人生を通じて考えてきたこと、呟いてきたこと、頭の中に巡ってきたことを一つ所に置いたようなものだ。私が愛し、崇拝し、弾いてきた作曲家たち。そして1枚や2枚のディスクではなく、6枚組のボックスという形で、私の音楽家としての人生、あるいは人間としての人生を包括したのだ」と本人が語る通り、これまでの演奏・録音活動の中で中心的な位置を占めてきたベートーヴェン、シューベルト、シューマンのほか、これまで録音がなかったハイドン、ビゼー、フランク、ドビュッシーというフランス系作品、そして彼の音楽的故郷の一つであるプロコフィエフ(しかも「戦争ソナタ」三部作のうちの随一の大作、ソナタ第6番を収録)が収録されているのが大注目。
これらは70歳を期に、「どうしても後世に自分の解釈を残しておきたい」という作品ばかりをアファナシエフ本人が厳選したもので、3曲を除きアファナシエフにとって初録音となる。しかもこの6枚は、2017年に、ドイツのフィアゼンにある優れた音響を誇るフェストハレでの6日間の集中的なセッションで収録したもので、何と1日1枚という常人では考えられないようなハイ・ペースでのレコーディングだった。
複数の小説やエッセイ・詩集を発表している文学者・詩人でもあるアファナシエフは、自らのCDには必ず自筆のエッセイを寄稿するのが常であるが、今回の6枚組のボックスも同様で、日本語訳にして4万2千字にのぼる渾身の書き下ろしライナーノーツがオリジナルの英文とともに掲載されている。アファナシエフとも親交のある詩人・吉増剛造氏による特別寄稿「火ノ刺繍ーーー永遠の旅人ヴァレリー・アファナシエフに」、全ディスク・リストと来日公演の足跡、書籍一覧をまとめた世界初の「ヴァレリー・アファナシエフ 仕事の記録」、そしてアルバムと曲目についてのアファナシエフ自身の最新インタビューを掲載した別冊解説書は何と132ページの厚さ。解説書の表紙はアファナシエフの愛するパウル・クレー晩年のドローイング「エイドラ かつてのピアニスト」が飾っている。
このボックスはもともと2018年中の発売が予定されていたが、アファナシエフ本人による強いこだわりゆえにマスターの編集とリミックス、そして別冊解説書の編纂に十分な時間をかけ、このたびようやく発売されることになった。2019年前半における超個性派のピアノ・アルバムの登場である。
|商品情報|
テスタメント/私の愛する音楽~ハイドンからプロコフィエフへ~
ヴァレリー・アファナシエフ
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■品番:ハイブリッドディスク6枚組 SICC-19034~39
■発売日: 2019年2月27日
■定価:¥16,500+税 ■完全生産限定盤
■トラックリスト
DISC1 ハイドン:ピアノ・ソナタ第20番・第23番・第44番
DISC2 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第4番・第16番・第19番
DISC3 シューベルト:ピアノ・ソナタ第4番、4つの即興曲D.935
DISC4 シューマン:ピアノ・ソナタ第1番、3つの幻想小曲集、アラベスク
DISC5 ビゼー:半音階的幻想曲、フランク:前奏曲、コラールとフーガ、ドビュッシー:ベルガマスク組曲
DISC6 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第6番「戦争ソナタ」、伝説曲、ガヴォット、風刺
■録音:2017年4月24日~26日(DISC1, 2, 5)、7月3日~5日(DISC3, 4, 6)、ドイツ、フィアゼン、フェストハレ
(DSDレコーディング)
▸ご購入・試聴はこちら
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|関連映像|
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現代クラシック・ピアノ界の鬼才(奇才)=ヴァレリー・アファナシエフの新作は「テスタメント(遺言)」。
そのタイトル通り、アファナシエフが現在どうしても後世に残しておきたいという作品の演奏を、6枚組ボックスに収録!
詳細はこちら⇒<a href="https://t.co/eJzln8Zi2n">https://t.co/eJzln8Zi2n</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#クラシック</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#ピアノ</a> <a href="https://t.co/Dr5fm4V5es">pic.twitter.com/Dr5fm4V5es</a>
— ソニーミュージック洋楽 (@INTSonyMusicJP) <a href="https://twitter.com/INTSonyMusicJP/status/1100627340449669120?ref_src=twsrc%5Etfw">2019年2月27日</a>
2019-02-27
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「レコード芸術」誌2019年3月号、巻頭カラー・インタビューでアファナシエフが激白!(今月のアーティスト)
http://www.sonymusic.co.jp/artist/ValeryAfanassiev/info/504310
「レコード芸術」誌2019年3月号の巻頭カラー・インタビューにアファナシエフが登場、今回の「テスタメント」プロジェクトについて語っています。
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<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/recordgeijutsu_201803_1.jpg" alt="" width="627" height="904" />
2019-02-27
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「私の死後、残したい音楽はここにあります。」――ヴァレリー・アファナシエフ2月27日発売『テスタメント/私の愛する音楽 ~ハイドンからプロコフィエフへ~』6枚組。
http://www.sonymusic.co.jp/artist/ValeryAfanassiev/info/499763
テスタメント/私の愛する音楽
~ハイドンからプロコフィエフへ~
ヴァレリー・アファナシエフ
Testament | Valery Afanassiev
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/SICC19034_39_testament_box.jpg" alt="" width="581" height="578" />
*ジャケ写が当初発表したものから変更になりました。
■品番:ハイブリッドディスク6枚組 SICC-19034~39 (SACD層は2ch)
■2019年2月27日発売 *当初ご案内していた発売日から変更になりました。
■定価:¥16,500+税 ■完全生産限定盤
▸購入はこちらから
<a href="https://sonymusicjapan.lnk.to/ValeryAfanassiev_TestamentAW" target="_blank">https://sonymusicjapan.lnk.to/ValeryAfanassiev_TestamentAW</a>
私の死後、残したい音楽はここにあります。
このボックス・セットは、いわば私のこれまでの人生の経験を一つにまとめたような趣きがある。私がこれまでの人生を通じて考えてきたこと、呟いてきたこと、頭の中に巡ってきたことを一つ所に置いたようなものだ。私が愛し、崇拝し、弾いてきた作曲家たち。そして1枚や2枚のディスクではなく、6枚組のボックスという形で、私の音楽家としての人生、あるいは人間としての人生を包括したのだ。
――ヴァレリー・アファナシエフ
◎なぜテスタメント(遺言)か
➡70歳を越え、「どうしても後世に自分の解釈を残しておきたい」という作品を厳選。
➡これまでの演奏・録音活動の中で中心的な位置を占めてきたベートーヴェン、シューベルト、シューマンのほか、これまで録音がなかったハイドン、ビゼー、フランク、ドビュッシーというフランス系作品、そして彼の音楽的故郷の一つであるプロコフィエフ(しかも「戦争ソナタ」三部作のうちの随一の大作、ソナタ第6番を収録)が収録されているのが大注目
➡一部の小品を除き全てアファナシエフにとって初録音。
➡2017年4月と7月、ドイツのフィアゼンにおける2回・6日間のセッション(=1日1枚のペース)で集中的に収録。
■アファナシエフの新作は何と「テスタメント(遺言)」と題された6枚組という超弩級のボックスセット。タイトル通り、アファナシエフが現在どうしても後世に残しておきたいという作品の演奏を収録したもので、全てアファナシエフにとって初録音。2017年4月と7月、ドイツのフィアゼンにおける2回・6日間のセッションで集中的に収録されました。
■レパートリーはハイドン、ベートーヴェン、シューベルト、シューマンという独墺音楽のほか、これまでアファナシエフの録音にはほとんどなかったビゼー、フランク、ドビュッシーというフランス音楽、そして彼の音楽的故郷の一つであるプロコフィエフ(しかも「戦争ソナタ」三部作のうちの随一の大作、ソナタ第6番を収録)という多彩なものです。
◎収録曲
DISC1 ハイドン:ピアノ・ソナタ 第20番 ハ短調 ・ 第23番 ト長調 ・ 第44番 ト短調
DISC2 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 ・ 第16番 ト長調 ・ 第19番 ト短調
DISC3 シューベルト:ピアノ・ソナタ 第4番 イ短調、4つの即興曲 D.935
DISC4 シューマン:ピアノ・ソナタ第1番 嬰ヘ短調、3つの幻想小曲集、アラベスク
DISC5 ビゼー:半音階的幻想曲 フランク:前奏曲、コラールとフーガ ドビュッシー:ベルガマスク組曲
DISC6 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第6番 「戦争ソナタ」 伝説曲 ガヴォット 風刺
[録音]2017年4月24日~26日(DISC1, 2, 5)、7月3日~5日(DISC3, 4, 6)、ドイツ、フィアゼン、フェストハレ
別冊解説書掲載内容
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/104_sm.jpg" alt="" width="413" height="589" />
別冊解説書表紙に使われているパウル・クレー『エイドラ かつてのピアニスト』
◎全132ページの別冊解説書付き
■日本語訳にして4万2千字にのぼる、ヴァレリー・アファナシエフ渾身の長文書き下ろしライナーノーツ(日本語と英語の両方掲載)
①「野心的なプロジェクト」
イントロダクション | クエスチョン | 永遠 | そのほかのこと | ノスタルジア | しないでおくべきことは? | イニシエーション | 解釈者 | 解釈 | 楽譜の音符 |
②「テスタメント・プロジェクト~その最後の遺志」
イントロダクション | Kに | ロボットと人間 | Kに | ガン患者であることの重要性 | 私の最後の遺志、遺言 | 第1セッション 2017年4月24日~26日 | 第2セッション 2017年7月3日~5日 | リスニング | 私たちの人間性 | 私たちの民主主義 | 若い演奏家 | 若妻の話 |ロシア楽派 | 演奏会に群がる何百万の人々 | 使われること、乱用されること | ジョーク
■詩人・吉増剛造氏による特別寄稿「火ノ刺繍ーーー永遠の旅人ヴァレリー・アファナシエフに」
■全ディスク・リスト、来日公演の足跡、書籍一覧をまとめた世界初の「ヴァレリー・アファナシエフ 仕事の記録」
■アルバムと曲目についてのアファナシエフ自身の最新インタビューも掲載
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/P_Afanassiev_Kioi2016_6764_bw.jpg" alt="" width="880" height="587" />
■トラックリスティング
DISC1 ハイドン 64分14秒
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/testament_h1_1.jpg" alt="" width="269" height="258" />
ハイドン
1-3 ピアノ・ソナタ 第20番 ハ短調 Hob. XVI: 20 [29:17]
4-6 ピアノ・ソナタ 第23番 ト長調 Hob. XVI: 23 [20:11]
7-8 ピアノ・ソナタ 第44番 ト短調 Hob. XVI: 44 [14:42]
■ハイドンのピアノ曲はアファナシエフにとって初録音。過去にハイドン録音はなかった。
DISC2 ベートーヴェン 71分34秒
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/SICC19035_jk.jpg" alt="" width="264" height="265" />
ベートーヴェン
1-4 ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 作品7 [35:33]
5-7 ピアノ・ソナタ 第16番 ト長調 作品31の1 [27:59]8-9 ピアノ・ソナタ 第19番 ト短調 作品49の1 [9:02]
■ベートーヴェンは師ギレリスの影響もあってか、アファナシエフにとって中心的なレパートリーの作曲家であり、アファナシエフがこれまで録音したベートーヴェンのソナタは第1・7・8・10・14・15・17・23・27・30・31・32番の12曲(ほかに第3番と第12番からのそれぞれ一つの楽章のライヴ録音がある)。第17番「テンペスト」、第30~32番には複数の録音(いずれもライヴ)がある。大作ディアベリ変奏曲、2つのバガテル集(1987年、日本での初録音)のほか、5曲のピアノ協奏曲は、スダーン/モーツァルテウム管という意外な組み合わせでの全集がある。なお一時期だけ力を入れていた指揮者としての録音では、モスクワ放送響を振った「田園」と「コリオラン」序曲がある。
DISC3 シューベルト 69分46秒
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/testament_h1_3.jpg" alt="" width="250" height="258" />
シューベルト
1-3 ピアノ・ソナタ 第4番 イ短調 D. 537 (作品164)[ 27:35]
5-8 4つの即興曲 D. 935 (作品142) [32:11]
■シューベルトはアファナシエフが偏愛する作曲家であり、最後の三大ソナタは、ブラームスの間奏曲集と並び彼のリサイタルには欠かせない重要な演目である。またアファナシエフにとって最初のソロCDとなったのもシューベルトで、1985年のロッケンハウス音楽祭における第21番の壮絶なライヴ録音はECMレーベルでワールドワイドで発売され、その個性的なピアニズムが大きくクローズアップされるきっかけとなった。またその遥か前、1972年のエリーザベト国際コンクールでの優勝に際して、本選でのライヴとその直後のセッション録音とが残されているのもシューベルトのソナタ第13番であった。ソナタでは、第13・14・16・17・18・19・20・21番があり、そのほかに「3つのピアノ曲」、楽興の時、クレーメルとの幻想曲、グリマルとのソナチネ集、ヴァン・ダムとの「白鳥の歌」がある。D.935の即興曲集からは第2番のみ2010年の紀尾井ホールでのライヴがある。
DISC4 シューマン 59分03秒
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/testament_h1_4.jpg" alt="" width="256" height="259" />
シューマン
1-4 ピアノ・ソナタ第1番 嬰ヘ短調 作品11 [36:38]
5-7 3つの幻想小曲集 作品111 [13:29]
8 アラベスク ハ長調 作品18 [8:55]
■アファナシエフのシューマンといえば、戯曲仕立てにした「クライスレリアーナ」が知られている。「クライスレリアーナ」の最初のセッション録音とカップリングされていた「森の情景」、日本でのライヴ録音である「子供の情景」、「交響的練習曲」、小品集「オマージュ&エクスタシー」に含まれていた「クララ・ヴィークの主題による変奏曲」がある。セッションにしろライヴにしろまだ録音は公刊されていないが、ピアノ協奏曲もアファナシエフ長年のレパートリーで、1989年の山田一雄指揮東京都響との共演は、同時期のドレヴァンツ指揮N響とのブラームス第2番と共に、ピアノとオーケストラが合わずチグハグなまま進行したいわくつきの演奏だった。
DISC5 ビゼー フランク ドビュッシー 62分01秒
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/SICC19038_jk.jpg" alt="" width="251" height="256" />
ビゼー
1 演奏会用半音階的幻想曲 [16:34]
フランク
2-4 前奏曲、コラールとフーガ [24:22]
ドビュッシー
5-8 ベルガマスク組曲 [20:48]
■アファナシエフによるフランス系の録音はほとんどない。ドビュッシーでは「前奏曲集第1巻」からの「雪の上の足跡」、「帆」、「沈める寺」の3曲のみ。ビゼーはグールドが録音したことで知られるようになった変奏曲。
DISC6 プロコフィエフ 59分46秒
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/testament_h1_6.jpg" alt="" width="276" height="293" />
プロコフィエフ
1-4 ピアノ・ソナタ 第6番 イ長調 作品82 「戦争ソナタ」 [37:16]
10の小品 作品12より
5 第6曲 伝説曲 作品12の6 [2:58]
6 第2曲 ガヴォット 作品12の2 [3:33]
7-11 風刺 作品17 [15:58]
■ソ連出身のアファナシエフは、ムソルグスキーの「展覧会の絵」とエリーザベト国際コンクール優勝時のチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番以外は、ロシアの作曲家の大規模なピアノ曲の録音を残していない。プロコフィエフの「風刺」の第4曲と第5曲は、エリーザベト国際コンクール優勝の直後の1972年6月、メロディア・レーベルのためにブリュッセルでセッション録音を行っており、シューベルトの即興曲D.935の第2番と並び、当6枚組のうち唯一の再録音となる。
ヴァレリー・アファナシエフ (ピアノ/ベーゼンドルファー・インペリアル)
[録音]2017年4月24日~26日(DISC1, 2, 5)、7月3日~5日(DISC3, 4, 6)、ドイツ、フィアゼン、フェストハレ (DSDレコーディング)
[プロデューサー]ゲルハルト・ベッツ
[レコーディング・エンジニア]フィリップ・ネーデル (b-sharp Berlin)
[ピアノ調律]ゲルト・フィンケンシュタイン
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■録音場所 ドイツ フィアゼン フェストハレ
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Viersen Festhalle
デュセルドルフ近郊のフィアゼンにあるコンサート・ホール、フェストハレは、1913年にオイゲン・フライリングスドルフの設計により建立された。第2次大戦の戦禍にもほとんど影響を受けず、戦後もすぐに使用されるようになった。客席は約1000席で、優れた音響効果と遮音性を持つ。1947年から49年にかけては、NWDR北西ドイツ放送(後のWDR西ドイツ放送)による北西ドイツ放送交響楽団(現WDRケルン放送交響楽団)の放送用の録音が数多く行われた。1955年の雑誌に掲載された20人の指揮者による「世界で最も音響のいいコンサートホール」についての投票で、ブレーメンの「グロッケ」と並んで「ドイツで最も音響のいいホール」に選定されたこともある。 アファナシエフは、2000年12月のデンオンへのリストのピアノ・ソナタ他の録音をこのホールで行っている。今回はそれ以来17年ぶりのこのホールでの録音となった。
■録音スタッフ
プロデューサー・・・・・・ゲルハルト・ベッツ
1991年の「展覧会の絵」に始まるヨーロッパにおけるアファナシエフのデンオン録音のほとんどすべてをプロデュース。アファナシエフがデンオンを離れてからしばらく間が空いて、2015年のソニー・クラシカルへのベートーヴェンの三大ソナタの録音で久しぶりにアファナシエフと再会。ドイツ・ランダウ在住。地元の教会合唱団の指揮者でもある。
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レコーディング・エンジニア・・・・・・・フィリップ・ネーデル (b-sharp Berlin)
テルデックでエンジニアとしての仕事を開始。ボストンのジョン・ニュートン主宰の「サウンドミラー」に所属したこともある。2000年にベルリンにレコーディング・チーム、b-sharpを設立。その優れたプロデュース、エンジニアリング力によって、テルデックス・スタジオと並ぶベルリンのクラシック・プロダクションの雄となっている。自主レーベルも手掛け、ベルリン・コンツェルトハウス室内管弦楽団のアルバムをリリース。
ピアノ調律・・・・・・・ゲルト・フィンケンシュタイン
数多くのピアニストから厚い信頼を寄せられている、ハンブルク近郊エルツェに本拠を置くピアノ調律師・製作者。長年アンジェラ・ヒューイットのソロ録音の調律を手掛けている。
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/DSC02500_bw.jpg" alt="" width="583" height="436" />
左から調律のゲルト・フィンケンシュタイン、プロデューサーのゲルハルト・ベッツ、エンジニアのフィリップ・ネーデル ピアノに置いてある木枠の譜面台は、フィンケンシュタインの手作りで、譜面台を立てた時に音がさえぎられる現象をなるべく少なくするように工夫したもの。
2019-02-27
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ヴァレリー・アファナシエフ2018年秋ソロ・リサタルで来日!充実のベートーヴェンとシューベルト!!
http://www.sonymusic.co.jp/artist/ValeryAfanassiev/info/498152
ヴァレリー・アファナシエフ Valery Afanassiev 2018
スケジュールおよびプログラム
<img src="http://www.sonymusic.co.jp/img/common/artist_image/80009000/80009230/images/Afanassiev_omote_7.jpg" alt="" width="544" height="771" />
10月8日(月・祝)14:00 大阪 ザ・シンフォニーホール
A¥8,000 B¥6,000 C:¥4,000
お問合せ:ABCチケットインフォメーション06-6453-6000
<a href="http://www.symphonyhall.jp/?post_type=schedule&p=12532">http://www.symphonyhall.jp/?post_type=schedule&p=12532</a>
曲目
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番ハ短調Op.13「悲愴」
Beethoven: Sonata No.8 in C Minor, op. 13 “Pathétique ”
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調Op.27-2「月光」
Beethoven: Sonata No. 14 in C sharp Minor, op. 27-2 “Moonlight”
---------------------------------
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 Op.31-2「テンペスト」
Beethoven:Piano Sonata No. 17 in D minor, Op. 31-2 “The Tempest”
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調Op.57「熱情」
Beethoven: Sonata No. 23 in F Minor, Op. 57 “Appassionata”
10月11日(木)19:00 アクトシティ浜松中ホール
S: ¥8,000 A:¥6,000 B:¥4,000
お問合せ:ミュージックプラント 03-3466-2258
曲目:大阪と同じ
<a href="http://www.mplant.co.jp/concertm.html">http://www.mplant.co.jp/concertm.html</a>
<a href="http://www.hcf.or.jp/calendar/detail.php?id=21223">http://www.hcf.or.jp/calendar/detail.php?id=21223</a>
10月9日(火)19:00 東京 サントリーホール
S:¥ 8,000 A:¥6,000 B:¥4,000
お問合せ:ミュージックプラント 03-3466-2258
<a href="http://www.mplant.co.jp/concertm.html">http://www.mplant.co.jp/concertm.html</a>
曲目
シューベルト:3つのピアノ曲(即興曲集)D 946
Schubert: 3 Piano Pieces (3 Impromptus)
---------------------------------
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D 960
Schubert: Piano Sonata No.21 in B-Flat Major, D 960
10月13日(土)15:00 彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
正面席7,500円/バルコニー席6,000円/U-25*(バルコニー席) 3,000円 メンバーズ正面席6,800円
お問合せ:0570-064-939(彩の国さいたま芸術劇場休館日を除く10:00~19:00)
<a href="http://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/5155">http://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/5155</a>
曲目
シューベルト:3つのピアノ曲(即興曲集)D 946
Schubert: 3 Piano Pieces (3 Impromptus)
---------------------------------
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 Op.31-2「テンペスト」
Beethoven:Piano Sonata No. 17 in D minor, Op. 31-2 “The Tempest”
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調Op.57「熱情」
Beethoven: Sonata No. 23 in F Minor, Op. 57 “Appassionata”
2018-08-01
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2018年5月、アファナシエフ、佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団と来日公演決定!演目は何と17年ぶりのブラームス第2番!!
http://www.sonymusic.co.jp/artist/ValeryAfanassiev/info/489971
奇才アファナシエフの稀有なるブラームスは聴き手の想像力を喚起する
伊熊よし子(音楽評論)
ヴァレリー・アファナシエフは奇才とか偉才と称される。意表を突くゆっくりとしたテンポ、ペダルで長く引き伸ばした音、音符と音符の絶妙な間など個性と創造性に満ちている。ブラームスのピアノ協奏曲第2番は13歳から弾き続け、「生涯弾いていきたい作品。常に一瞬一瞬が挑戦」と語る。日本国内では17年ぶりの演奏*となる、まさに彼の十八番である。小説家、詩人でもあり、佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団との初共演では、物語を描き出すような想像力を喚起する演奏を生み出すに違いない。
*前回は2001年10月23日、すみだトリフォニーホールにおけるアファナシエフ「ブラームス・アーベント」第1回での高関健指揮新日本フィルハーモニー交響楽団との共演であった。ちなみにアファナシエフは1989年3月にもハンス・ドレヴァンツ指揮NHK交響楽団とこの協奏曲を演奏している。
◎公演日程(アファナシエフとの共演日のみ/ソリストなしの他日公演もございます)
5/12(土) 京都・京都コンサートホール
5/15(火) 福岡・福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)
5/17(木) 東京・サントリーホール
5/22(火) 長野・キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
5/24(木) 名古屋・日本特殊陶業市民会館(名古屋)
5/26(土) 仙台・東京エレクトロンホール宮城
プログラム
バーンスタイン:キャンディード序曲
ベートーヴェン:交響曲 第6番 ヘ長調 Op.68 「田園」
ブラームス:ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 Op.83 (ピアノ:ヴァレリー・アファナシエフ)
各地の公演についての詳細はこちら:
<a href="https://eplus.jp/ath/word/29869">https://eplus.jp/ath/word/29869</a>
来日公演についてのアファナシエフの最新インタビューはこちら:
<a href="http://spice.eplus.jp/articles/160822?_ga=2.125023436.799571180.1514272429-1728895992.1505147691">http://spice.eplus.jp/articles/160822?_ga=2.125023436.799571180.1514272429-1728895992.1505147691
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</a>
2017-12-26
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アファナシエフ2017年来日記念盤「テンペスト~プレイズ・ベートーヴェンⅡ」10/4発売!
http://www.sonymusic.co.jp/artist/ValeryAfanassiev/info/485646
稀代の鬼才ピアニスト、古希の円熟。
アファナシエフ70歳記念リリース|2017年来日記念盤
テンペスト~プレイズ・ベートーヴェンⅡ
ヴァレリー・アファナシエフ
Beethoven: Tempest | Valery Afanassiev
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Photo daguerréotype: Takashi Arai
■品番:SICC-19024 ■発売 2017年10月04日発売
■価格:¥3,000+税 ■レーベル: Sony Classical
■収録曲
ベートーヴェン
1.ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調 作品2の1
2.ピアノ・ソナタ 第7番 ニ長調 作品10の3
3.ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 作品31の2「テンペスト」
ヴァレリー・アファナシエフ(ピアノ/ベーゼンドルファー・インペリアル)
[録音]2016年4月18日~21日、ベルリン、イエス・キリスト教会(DSDレコーディング)
[レコーディング・プロデューサー]ゲルハルト・ベッツ
[レコーディング・エンジニア]マーティン・キストナー、フィリップ・ネーデル(b-sharp)
■現代クラシック・ピアノ界の鬼才(奇才)と称される、ロシアのピアニスト、ヴァレリー・アファナシエフのソニー・クラシカル第3弾は、第17番「テンペスト」をはじめとするベートーヴェンのピアノ・ソナタ集。今年70歳をむかえたアファナシエフが特別な記念の年にリリースするべく選んだ3曲が収録されています。
■ソ連の英才教育システムの中でヤーコフ・ザークとエミール・ギレリスという二大巨匠に師事し、ロシア・ピアニズムの伝統を受け継ぎつつ、独自の個性を発揮してきたピアニストであるのみならず、小説家・文学者・詩人としての顔も併せ持つアファナシエフが、シェイクスピアの同名の戯曲との関連を指摘される「テンペスト」ソナタを重要視するのも自然なことといえるでしょう。この曲に関しては既に2005年10月のサントリーホールにおけるライヴ録音が発売されていますが、その解釈に満足できず、12年を経ての今回の再録音となりました。ベートーヴェンのソナタ創作の出発点となった第1番、第2楽章に深く沈潜する長大なアダージョを持つ第7番の2曲はアファナシエフにとって初録音です。
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■ピアノ界きっての個性派アファナシエフが、ソニー・クラシカルでの録音を熱望し、大きな話題となったレーベル移籍第1弾の「三大ソナタ」同様、ベートーヴェン作品への思い入れは深く、これまでも後期三大ソナタを何度も取り上げてきています(録音も複数リリース済み)。ベートーヴェンのソナタはロシアきっての名ピアニストにしてアファンシエフの師であるエミール・ギレリス(1916.10.19~1985.10.14)が得意としたレパートリーでもあり、昨年生誕100年を迎えた師への思いがこもったレコーディングでもあります。
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■エミール・ギレリスは、「鋼鉄のタッチ」と称される盤石のピアニズムで、冷戦以降の東西緊張と緩和を繰り返す20世紀後半という時代を生き抜いた芸術家です。スヴャトルラフ・リヒテルと並ぶ20世紀ソ連を代表する名ピアニストであり、バロックから同時代のプロコフィエフまで幅広いレパートリーを持ち、協奏曲やソロのみならず室内楽の面でも大きな足跡を残しました。また演奏活動と並行して教育活動にも力を入れ、モスクワ音楽院の教授として多くの若手ピアニストを育てました。そんなギレリスが晩年の15年間、特に力を入れたのがモーツァルトとベートーヴェンで、ベートーヴェンについては亡くなるまでピアノ・ソナタ全曲のレコーディングにも取り組みました(2曲を残して未完成)。今回のアファナシエフの選曲もギレリスが最晩年に力を入れて光機ある名演を残したベートーヴェンのソナタ3曲に光を当てています。
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■ここ10年ほど演奏会でのライヴ録音だけをリリースしてきたアファナシエフですが、今回も昨年同様セッションとしてじっくりと音楽に向き合うことを選びました。アファナシエフ旧知のドイツ人の名プロデューサーで、これまで「ブラームス:間奏曲集」「シューベルト:最後の三つのソナタ」「バッハ:平均律クラヴィーア曲集全曲」などの名盤を共に生み出してきたゲルハルト・ベッツを起用しています。
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ヴァレリー・アファナシエフ
1947年モスクワ生まれ。モスクワ音楽院でギレリスらに師事。1968年バッハ国際、1972年エリザベート王妃国際コンクール優勝。1974年にベルギーへ亡命、以後欧米各地で活動を開始。1983年にギドン・クレーメル初来日して以来、定期的に来日。ピアノ演奏にとどまらず、小説・エッセイを発表する文学者の顔も持つ。 現在はブリュッセル在住。現代屈指のカリスマ的ピアニスト。
◎2017年10月ヴァレリー・アファナシエフ来日公演
10/10(火) 19:00 浜離宮朝日ホール
10/15(日) 14:00 紀尾井ホール
プログラムA
シューベルト:4つの即興曲Op.90より
第1曲 ハ短調、第3 曲 変ト長調、第4 曲 変イ長調
アレクサンドル・ラビノヴィチ:ピアノのための「悲しみの音楽、時に悲劇的な」(1976)
ブラームス:4つのバラード Op.10、2つのラプソディ Op.79
プログラムB
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 Op. 10-3、第17番 ニ短調 Op. 31-2 「テンペスト」
ショパン:ノクターン 変ロ短調 Op. 9-1、嬰ヘ長調 Op. 15-2、嬰ハ短調 Op. 27-1、変二長調 Op. 27-2、 ロ長調 Op. 32-1、ホ短調 Op. posth. 72-1
公演についてのお問い合わせ アイエムシーミュージック <a href="http://www.imc-music.net/">http://www.imc-music.net/</a>
2017-08-28