ヨーコ・オノ『空間の感触』(1973年作品)アルバム詳細解説
ヨーコ・オノ『空間の感触』
YOKO ONO/FEELING THE SPACE(1973年作品)
【「苦しみと悲しみの中死んだ姉妹たち、そして男性社会の中で生き永らえることができなかった女性たち」に捧ぐ。】
かつては酷評されていたヨーコ・オノが新世代のアクティヴィストたちにインスピレーションを与えているという事実は、『空間の感触』を聴けば驚くには当たらない。「個人的なことは政治的なこと」(注:アメリカのフェミニズムにおけるスローガン)といわんばかりの彼女のこのアルバムは、44年後の今も驚くほど共感できる内容である。正義の叫び「ウーマン・パワー」、共感的なバラード「アングリー・ヤング・ウーマン」、ライオット・ガールのプロトタイプとなった愉快な「ポットベリー・ロッカー」、そして風刺的な「メン・メン・メン」といった楽曲の中で、ヨーコは女性の抱える重荷について驚くほどストレートに歌い、フェミニズムへの信任を勝ち取る。ギタリストのデヴィッド・スピノザ、サックス奏者のマイケル・ブレッカー、ドラマーのジム・ケルトナーというベテランのスタジオ・ミュージシャン陣のサポートを受けたこの作品は、恐らくヨーコの作品の中でも最もとっつきやすいアルバムであり、最も親密なアルバムでもある。『空間の感触』は、前衛的な幻視的芸術家の彼女が、ロックスターの夫ジョン・レノンと疎遠になっていた頃に録音されたのもの。彼はこの作品の中ではほんの少ししか登場しておらず(ジョニー・オーシャン[Johnny O’cean]としてクレジットされている)、彼女がすべての曲のプロデュースと作曲を手がけているのだ。その結果生まれたのは、家族という構造に対する意識の高揚と急進的な批評の時代における決定的なサウンドトラックであり、ドキュメンタリーでもある。ヨーコとその仲間たちはこのハードなメッセージをソフト・ロックのスタイル、あるいはヨーコのできる限りのソフトさを持って伝えている。『空間の感触』は、“鉤爪のついた『つづれおり』”(キャロル・キング)、“『レモネード』(注:バンド名)のゴッドマザーの第二の波”と考えてほしい。女性解放ムーヴメントの最前線にいたヨーコ。「苦しみと悲しみの中死んだ姉妹たち、そして男性社会の中で生き永らえることができずに刑務所や精神病院に収容されている者たち」に捧げられたこの作品は、抑圧という心理的代償を感情的に探索しているのだ。(海外Press Releaseより)
<CD>ヨーコ・オノ『空間の感触』(紙ジャケット仕様)
YOKO ONO/FEELING THE SPACE
2017/08/2 SICX-88 ¥2,400+税
■初回仕様限定盤 ■紙ジャケ仕様 ■最新リマスター ■新規解説・歌詞・対訳付
1. Growing Pain グローイング・ペイン
2. Yellow Girl (Stand By For Life) イエロー・ガール
3. Coffin Car コフィン・カー
4. Woman Of Salem ウーマン・オブ・セイラム
5. Run, Run, Run ラン・ラン・ラン
6. If Only イフ・オンリー
7. A Thousand Times Yes ア・サウザンド・タイムズ
8. Straight Talk ストレート・トーク
9. Angry Young Woman アングリー・ヤング・ウーマン
10. She Hits Back シー・ヒッツ・バック
11. Woman Power ウーマン・パワー・・・是非この曲だけでも聴いてみて下さい!
12. Men, Men, Men メン・メン・メン
13. “I Learned To Stutter” / Coffin Car [Live] (Bonus Track) “アイ・ラーンド・トゥ・スタッター”/コフィン・カー[Live] (Bonus Track)
14. Potbelly Rocker (Bonus Track) ポットベリー(Bonus Track)
15. It’s Been Very Hard (Bonus Track) イッツ・ビーン・ヴェリー・ハード(Bonus Track)
16. Warrior Woman (Bonus Track) ウォーリアー・ウーマン(Bonus Track)
17. Left Turn’s The Right Turn (Bonus Track) レフト・ターンズ・ザ・ライト・ターン(Bonus Track)
18. Mildred, Mildred (Bonus Track) ミルドレッド・ミルドレッド(Bonus Track)
19. Mildred, Mildred [Demo] (Bonus Track) ミルドレッド・ミルドレッド[Demo] (Bonus Track)
【ヨーコ・オノ復刻第二弾-CD⑥】「失われた週末」への序曲
2018年の生誕85周年へ向けて、芸術家ヨーコ・オノ再評価プロジェクトの第二弾3タイトル。オリジナル・テープからの最新リマスター+ボーナストラックを7曲収録。CDはオリジナルのパッケージ・デザインを再現した紙ジャケ仕様、未発表写真収録の新規ブックレット付。
今作は1973年11月に発表されたソロ4作目。Apple Recordsからの最後の作品であり、彼女の70年代最後の作品。ジョン・レノンの『マインド・ゲームス』と対を成すアルバムで、同作のレコーディング・メンバーがバックアップしているので、同じような音色を感じることができる。より一層フェミニズムのテーマを強め、「ウーマン・パワー」では男性中心社会への怒りを込め、女性としての力を高らかに宣言する。ちょうど今作が発表された1973年秋は“失われた週末”と呼ばれるジョンとヨーコの別居が始まった時期。レコーディングではジョンも一バックミュージシャンのひとり。ヨーコはこのレコーディングに打ち込み、「失われた週末」への序曲となった作品ともいえる。「メン・メン・メン」では“J・O・H・N・N・Y”というフレーズや“milk and honey”というフレーズも。
<LP>ヨーコ・オノ『空間の感触』(White Color Vinyl)
YOKO ONO/FEELING THE SPACE
2017/08/09 SIJP-53 \4,000+税
■完全生産限定アナログLP/1000枚限定White Color Vinyl ■特典ポスター、特製カード封入 ■ジャケット周りは日本制作・盤は海外プレス(by RTI)
Side A
1. Growing Pain グローイング・ペイン
2. Yellow Girl (Stand By For Life) イエロー・ガール
3. Coffin Car コフィン・カー
4. Woman Of Salem ウーマン・オブ・セイラム
5. Run, Run, Run ラン・ラン・ラン
6. If Only イフ・オンリー
Side B
7. A Thousand Times Yes ア・サウザンド・タイムズ
8. Straight Talk ストレート・トーク
9. Angry Young Woman アングリー・ヤング・ウーマン
10. She Hits Back シー・ヒッツ・バック
11. Woman Power ウーマン・パワー
12. Men, Men, Men メン・メン・メン
【YOKO ONO復刻第二弾-LP⑥】限定Color Vinylで44年振りアナログ復刻
オリジナル発売以来の44年振りの復刻となるアナログ盤LPは入手困難超プレミア・アイテムとなっている高価なオリジナル盤のアートワークを可能な限り再現。限定Color Vinyl盤(白)、レーベル面は当時のAppleの代わりに“Grapefruits”をデザイン。日本盤は帯にグレープフルーツをアイキャッチにした丸帯を作成。新規ライナーノーツも収録する。オリジナル・テープからの最新リマスター。豪華見開きジャケ、未発表写真収録の7インチサイズの新規ブックレット、LPのみポスター付。ジャケット周りは日本制作・盤はピンク・フロイドを始め評価の高いUSのRTI(Record Technology Incorporated)プレス。ビートルマニア必携のコレクターズ・アイテムとなること間違いなし。