ロバート・グラスパーと帝王マイルス、時空を超えて共演!
生誕90年マイルス・デイビスに捧げるトリビュートと初の伝記的映画サントラ2タイトル発売。
20世紀のジャズ・ジャイアンツ:マイルス・デイビス生誕90年にして没25年のメモリアル・イヤーとなる今年、新たな記念碑的プロジェクト2作品が発売される。マイルス初の伝記的映画『マイルス・アヘッド』のサントラが4月に、グラスパーが手掛けるリミックス最新作『エヴリシングス・ビューティフル』が5月25日、日本先行発売となる。
マイルスの遺伝子を受け継ぐアーティストたちが集結
新世代ジャズ・シーンで鮮やかな活躍を続けるロバート・グラスパー(1978-)が、マイルス・デイビスの音世界を再創造した『エヴリシングス・ビューティフル』を発売する。このアルバムはマイルス・デイビス&ロバート・グラスパー、ダブル名義での発売となる。グラスパーが米コロンビア・レーベルのテープ保管庫でセレクトしたマイルスのオリジナル録音をベースにリミックスした意欲作だ。グラスパーはこの作品について、こうコメントしている。
「単なるリミックス・アルバムにはしたくなかった。マイルスがどれだけ人々に影響を与え、新しいアートを生み出す源になったのかを伝えたかったんだ。僕たちは今もマイルスのスピリットの中に生きている」
『エヴリシングス・ビューティフル』ではマイルスの遺伝子を受け継ぐ多彩な顔ぶれのアーティストたちが参加しており、ビラル、イラ・J、エリカ・バドゥ、フォンテ、ハイエイタス・カイヨーテ、ローラ・マヴーラ、キング、ジョージア・アン・マルドロウ、スティーヴィー・ワンダー、そして、実際にマイルスのバンドでも演奏していたギタリスト、ジョン・スコフィールドと名を連ねる。マイルスのオリジナル音源が曲ごとにグラスパーの自由な発想でサンプリングされ、新鮮な驚きが溢れるアルバムが完成した。。アートワークはアメリカ現代アート界の旗手フランシーヌ・タークの書き下ろしで、グラスパーがマイルスの音楽を自由にコラージュしたアイディアにインスパイアされているという。
もうひとつの作品は、4月1日からアメリカで公開となるマイルス初の伝記的映画『マイルス・アヘッド』のサントラだ。マイルスが一時的に音楽界から引退していた1979年を軸に描かれ、ドン・チードルが主演・脚本・監督を務めている。ロバート・グラスパーが音楽監督の一人としてクレジットされており、果たしてどんなサウンドが完成するのか?と熱い注目を集めている作品だ。全24曲76分を越える長時間収録のサントラには、1956年から1981年に発売されたマイルスの代表的ナンバー11曲(*オリジナル音源/一部抜粋編集)と、ロバート・グラスパーが映画のために書き下ろした新録5曲が、ドン・チードルの劇中台詞とともに収録されている。まさに、グラスパー・セレクトによる21世紀版マイルス・ベストといってもいい内容だ。
特にドン・チードル演じるマイルス・デイビスが、グラスパー、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ゲイリー・クラークJr, エスペランサ・スポルディング、アントニオ・サンチェスという今の音楽シーンを牽引する豪華アーティストたちと架空の共演を果たした「ワッツ・ロング・ウィズ・ザット」(23曲目)は、マイルスの精神が今も受け継がれていることを証明する象徴的なナンバーとなっている。映画本編中の演奏シーンで実際にトランペットを吹いているのは、ディアンジェロとの共演でも知られるキーヨン・ハロルド。そして、エンド・タイトルに流れる「ゴーン2015」ではラッパーのファロア・モンチをゲストに迎えている。
映画『マイルス・アヘッド(原題)』は日本公開12月予定(配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)。
(US映画予告編)
ピアニストとしてプロデューサーとして、自身のトリオと<エクスペリメント>を率いて、R&B~ジャズ~ヒップホップというジャンルの境界線を超越するグラスパー。若い才能にオープンで変化を恐れない革新的なスピリットをもつマイルス。もしマイルスが生きていたら、共通の志をもつイノベーターの2人はきっと共演していたに違いない。今、私たちは幻のコラボレーションを聴きながら、改めてマイルスの音楽の懐の深さを思い知るのだ。
<マイルス・デイビス(1926年5月26日~1991年9月28日)について>
ジャズの帝王。トランペッターとしてバンド・リーダーとして、カリスマ的存在感で時代を切り開いた偉大なるアーティスト。『カインド・オブ・ブルー』『ビッチェズ・ブリュー』は2大ベスト・セラーとして、今もジャンルを越えて聴き継がれている。新しい才能を世に送り出したことでも知られ、ビル・エヴァンス、ジョン・コルトレーン、ハービー・ハンコック、キース・ジャレット等もマイルスのバンドに在籍していた。マイルスが世の芸術家たちに与えた影響は計り知れない。
【商品情報】
●マイルス・デイビス&ロバート・グラスパー『エヴリシングス・ビューティフル』
5月25日日本先行発売
品番CD:SICJ117 定価:2200円+税
<収録曲>
1. トーキング・シット
2. ゲットー・ウォーキンfeat.ビラル
3. ゼイ・キャント・ホールド・ミー・ダウンfeat.イラ・J
4. マイシャfeat.エリカ・バドゥ
5. ヴァイオレッツfeat.フォンテ
6.リトル・チャーチfeat.ハイエイタス・カイヨーテ
7. サイレンス・イズ・ザ・ウェイfeat.ローラ・マヴーラ
8. ソング・フォー・セリムfeat.キング
9. マイルストーンズfeat.ジョージア・アン・マルドロウ
10. アイム・リーヴィング・ユーfeat.ジョン・スコフィールド&レディシ
11. ライト・オン・ブラザfeat.スティーヴィー・ワンダー
●映画『マイルス・アヘッド(原題)』オリジナル・サウンドトラック
4月27日国内盤発売
品番:SICP4776 定価:2400円+税
<収録曲>*タイトル後のカッコ内はマイルス・デイビスのオリジナル・アルバム・タイトルと発売年
1. マイルス・アヘッド(「ブルー・ヘイズ」(56)より)
2. 台詞 "It takes a long time…"
3.ソー・ホワット (「カインド・オブ・ブルー」(59)より)
4. テイラー・メイド (ピアノ:テイラー・アイグスティ)
5. 台詞 "Listen, you talk too goddam much…"
6. ソレア(抜粋)(「スケッチ・オブ・スペイン」(60)より)
7. セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン(抜粋)「セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン」(63)より)
8. 台詞 "If you gonna tell a story…"
9. ネフェルティティ(抜粋) (「ネフェルティテイ」(68)より)
10. ブラウン・ホーネット(「キリマンジャロの娘」(69)より)
11. 台詞 "Sometimes you have these thoughts…"
12. デュラン(テイク6)(抜粋) (「コンプリート・ジャック・ジョンソン・セッションズ」(03)より)
13. 台詞 "You own my music…"
14. ゴー・アヘッド・ジョン(パート2C)(「コンプリート・ジャック・ジョンソン・セッションズ」(03)より)
15. ブラック・サテン(抜粋)Black Satin (edit)(「オン・ザ・コーナー」(72)より)
16. 台詞 "Be musical about this shit…"
17. プレリュード#2 Prelude #II (「アガルタ」(75)より)
18. 台詞 "Y'all listening to them…?
19. ジュニアズ・ジャム
(演奏:ロバート・グラスパー、キーヨン・ハロルド、マーカス・ストリックランド)
20. フランセッセンス
(演奏:ロバート・グラスパー、キーヨン・ハロルド、エレナ・ピンダーヒューズ)
21. バック・ビート・ベティ(抜粋)(「ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン」(81)より)
22. 台詞: "I don't like the word jazz…"
23. ワッツ・ロング・ウィズ・ザット?
(演奏:ドン・チードル、ロバート・グラスパー、ゲイリー・クラーク・ジュニア、ハービー・ハンコック、キーヨン・ハロルド、アントニオ・サンチェス、エスペランサ・スポルディング、ウェイン・ショーター)
24. ゴーン2015
(Gone 2015 –パーソネル:ロバート・グラスパー、キーヨン・ハロルド、ファロア・モンチ)
(*国内盤にはオリジナル台詞と対訳掲載)