イギリスの新鋭SSWレックス・オレンジ・カウンティ、3rdアルバム『ポニー』を発売!最新LAライヴ・レポートも到着!
イギリスの新鋭シンガー・ソングライター、レックス・オレンジ・カウンティの3rdアルバム『ポニー』が10月25日(金)に発売となった。同作は東ロンドンにあるストロングルーム・スタジオにて制作され、作詞、作曲、録音、演奏のほぼ全てをレックスが手掛けている。本作には、この1年レックスを悩ませてきた問題について触れた5曲と、それらを打破したことを歌った5曲の計10曲が収録されている。アルバムの1曲目を飾る「10/10」は、レックスの自叙伝的な楽曲でありアルバム全体を要約する1曲になっており、2曲目以降ではその詳細について歌っている。4曲目の「Face To Face」には、伝説的ベーシストのピノ・パラディ―ノが参加している。ピノとの共演に強烈にインスパイアされたレックスは「自ら求めるレベルのハードルを上げてしまったと気が付きました。この曲と『10/10』がアルバムの土台となる楽曲になりました。」と語っている。
●アルバム収録曲「Face To Face」
●アルバム収録曲「10/10」ミュージック・ビデオ
https://smarturl.it/ROC1010/youtube
「バンドと生演奏する事に何よりもやりがいを感じている」と語るレックスは、米TV番組に出演し、4人のバンドメンバーとダンサーと共に「10/10」のパフォーマンスを披露。さらに先日、パリにある世界最古のバスケットボールのコートにて撮影された「10/10」のピアノの弾き語り映像も公開となった。
●「10/10」La Blogothequeパフォーマンス・ビデオ
去る現地時間10月22日(火)にロサンゼルスのザ・ロキシーで開催された公演の最新ライヴ・レポートが到着した。11月には過去最大規模となるイギリスの「O2 Brixton Academy」の公演を控えており、人気に火がついている彼。開催直前に発表されたにもかからわらず即完売となった今回の公演は、ファンにとってプレミアムな経験になったに違いない。
<レックス・オレンジ・カウンティ:ロサンゼルス公演ライヴ・レポート>
2019年10月22日(火)*現地時間
ザ・ロキシー@LA
10月22日、サード・アルバム『ポニー』の発表を3日後に控えたレックス・オレンジ・カウンティが、ロサンゼルスのザ・ロキシーで新曲のお披露目を兼ねた特別ライブを行なった。キャパシティ500人の老舗ライブハウスは、20代前後の男女で満杯だった。子馬のイラストがバックに掲げられたステージにホーン隊を含むバンドが登場し、続いてレックスが姿を現わすと、大歓声が巻き起こった。彼がキーボードを弾きつつ始まったオープニング曲は、新作のポップなリード・シングル、「10/10」。頭から大合唱。歌い終えて拍手喝采を浴びたレックスは、「ニュー・アルバムが金曜日に出るんだ。新しい曲をやってもいいかな?」と言って、「ストレスト・アウト」を披露。しっとりとした弾き語りの曲だ。続いて「10/10」の次に発表された新曲「プルート・プロジェクター」。これも合唱になったが、その中でレックスのソウルフルな歌声が際立っていた。それからアップテンポの新曲「フェイス・トゥ・フェイス」へ。これも発表済みの曲で、観客は体を揺らしつつ一緒に歌っている。 「もう一曲新曲を演奏してもいい?」と彼が再び尋ねて始まったのは、「ネバー・ハッド・ザ・ボールズ」。レックスのラップが聞けるリズミカルな曲だ。次の新曲「エヴリ・ウェイ」はロック寄りの曲で、レックスはギターをかき鳴らし、見事なギターソロも披露。彼が様々な引き出しを持っていることが分かる。
教師につけられたあだ名が「The OC」だったので、イギリス人なのにカリフォルニア州のオレンジ・カウンティをアーティスト名にしたというレックス(本名はアレクサンダー・オコナー)だが、彼の曲には、西海岸サーフミュージックに通じるムードがあると思う。ポップ、ソウル、ジャズ、ロックと様々なジャンルを融合した音楽でありながら、どの曲もレイドバックしていていて、どこかカリフォルニアの空気を感じさせる。それが少し鼻にかかった温かみのあるヴォーカルと相まって、非常に心地良い。その後は、ファンに馴染みの曲を連発。「僕を嫌っても構わないよ、僕が君だったら、たぶん僕も僕を嫌ってると思うから」と歌う「アンタイトルド」は2017年発表の2ndアルバム『アプリコット・プリンセス』の収録曲だが、この曲のPVの自信なげな少年とは違い、ステージ上の彼は、ごく自然体でありながらもスターだった。1stアルバム『ビコーズ・ユー・ウィル・ネバー・ビー・フリー』の「コーデュロイ・ドリームズ」も大いに盛り上がり、「サンフラワー」では彼の掛け声に合わせて全観客がジャンプ、続く「ハピネス」も大合唱。この夜披露された新曲も含めて、レックスの曲は基本的に「自分語り」だ。彼が寝室でつぶやいていそうな、あるいは日記にしたためていそうな、自分の弱さを認める本音。そこには優しく繊細でロマンチストな彼の人柄が、にじみ出ている。そして、そんな私的な曲がライブではみんなの自分語りになっていた。観客は彼と共に、彼の心の声を自分達の声にして歌っていた。サウンドの心地良さ以上に、この点がレックスの音楽が愛されている理由かもしれない。 「この曲でお別れするよ」と言って始まった「ベスト・フレンド」と、拍手喝采に導かれて始まったアンコールの「ラヴィング・イズ・イージー」は、最大級の合唱となった。レックス・オレンジ・カウンティが、いよいよアメリカでも大ブレイク寸前であることを知らしめる素晴らしいショウだった。
(文: 鈴木美穂)
Setlist
1) 10/10
2) Stressed Out
3) Pluto Projector
4) Face to Face
5) Never Had the Balls
6) Every Way
7) Untitled
8) Corduroy Dreams
9) Sunflower
10) Happiness
11) Television / So Far So Good
12) Best Friend
---Encore---
13) Loving Is Easy
|リリース情報|
Rex Orange County|レックス・オレンジ・カウンティ
ニュー・アルバム
『PONY|ポニー』
<輸入・配信アルバム>
2019年10月25日(金)発売
<収録曲>
- テン・アウト・オブ・テン
- オールウェイズ
- レイザー・ライツ
- フェイス・トゥ・フェイス
- ストレスト・アウト
- ネバー・ハッド・ザ・ボールズ
- プルート・プロジェクター
- エブリ・ウェイ
- イット・ゲッツ・ベター
- イッツ・ノット・ザ・セイム・エニモア