パブロ・フェランデス

フェランデスは多くのものを兼ね備えている。ソリストとしての技術、気概、精神、正当性、そして表現力に人を魅了する力を。
――― 『エル・パイス』紙(スペインで最も発行部数の多い日刊紙)

 

1991年、スペインのマドリード生まれ。3歳で音楽家の両親から音楽を学び、その後、マリア・デ・マセド、アシエル・ポロに師事する。13歳でマドリードのソフィア王妃高等音楽院に入学し、ナタリア・シャコフスカヤの下で研鑽を積む。その後、ドイツのクロンベルク・アカデミーでフランス・ヘルメルソンに師事し、さらにアンネ・ゾフィー・ムター財団の支援も受けている。2008年オーストリア、リーツェン国際コンクール優勝を機に頭角を現し、2013年にはパウロ国際チェロ・コンクール準優勝、エドモン・ドゥ・ロスチャイルド賞を受賞。2015年にはチャイコフスキー国際コンクールに入賞。


近年共演したオーケストラでは、ドゥダメル指揮ロサンゼルス・フィルによるハリウッド・ボウル、ガッテイ指揮バイエルン放送交響楽団、エッシェンバッハ指揮バンベルク交響楽団、アンネ・ゾフィー・ムターとのベートーヴェンの三重協奏曲とブラームスの二重協奏曲、ロンドン・フィル、イスラエル・フィル、ロッテルダム・フィル、ウィーン響、フランス国立管などが挙げられる。


リサイタルや室内楽では、ワディム・レーピン、マルタ・アルゲリッチ、ギドン・クレーメル、ニコライ・ルガンスキー、カティア・ブニアティシヴィリ、ベアトリーチェ・ラナ、デニス・コジュヒン、マキシム・リザノフらと共演を重ねている。

レコーディングでは、2020年からソニークラシカルと専属契約を結び、2021年に第1弾「リフレクションズ」をリリース。過去には、2014年にOnyxレーベルからシュトゥットガルト・フィルと共演したシューマンとドヴォルザークのチェロ協奏曲をリリースしている。


SNSでの発信も活発で、Facebookのフォロワーは5.1万人、YouTubeチャンネル登録者は2.1万人、インスタグラムのフォロワーは9.6万人。YouTubeチャンネルでチェロの演奏技術を紹介する動画「TUTORIALS」「Q&A」「OPEN PRACTICE」や、有名チェリストをゲストに招いた対談「TALKING CELLO」は高い支持を得ている。

使用楽器は、日本音楽財団貸与のストラディヴァリウス 1696年製「ロード・アイレスフォード」。グレゴール・ピアティゴルスキー(1903-1976)が1946年から、ヤーノシュ・シュタルケル(1924-2013)が1950年から1965年にかけて使用した銘器である。