マムラ
マムラ

ヌー:ギター&ボーカル
オリ:ギター&ボーカル
ナイアル:ベース&ボーカル
テイト:ギター
ギャレス:ドラム&パーカッション

英ブライトンの近隣の小さな港町で、高齢者居住地として知られるべクスヒル(東サセックス)出身。そんな環境で育った音楽と紅茶をこよなく愛すピュアな若者5人組。バンド名の由来は80年代放送になっていた人気アニメ『サンダーキャッツ』に登場する悪役「マムラ」から。ロックとはほど遠い退屈な町での趣味として始めたというバンドは15歳の時に数学の授業中に結成。当時は楽器を覚えるのが必死で、スタート時はドラムキットがなかったギャレスはタンバリン担当だった。やがて活動の中で書き上げた楽曲は実に100曲以上。数年前にとある事情でシター担当がバンドを脱退、これを機にメンバーは大学進学をするか真剣にバンド活動を続けるかの選択肢にぶち当たったという。選んだのはバンド活動、そして同時に既に書け上げてきた100曲以上もの楽曲を全て捨てること、そしてマネージャー(スティーブ)を付けること。その後1年間は地道なライブ活動で新曲作りに励んだという。

若干ゆがんで、奇異にエキセントリックな地元環境を上手く反映させたのが現在の彼らの音楽、そして度重なる奇妙な珍事件・・・バンド活動開始当初は市役所や家畜小屋、ボート・クラブでの大混乱ライブ。ある時「ミニフェス」に登場した際に、ステージ上で大好きな紅茶を飲むためにお湯を沸かしていると、幻覚剤を作っていると勘違いされ警察が登場。同じ夜には観客の少女が壁に頭を叩きつけては手首を切り、自殺未遂。他にもあるライブ会場でワイヤー接続不良のために度重なる感電騒動、それを見届ける客は1組の一卵性双生児。

 やがてデモが出回り、真っ先に唾を付けて契約をしたのは英コロンビア。昨年スペインへと送り込まれプロデューサーYOUTHとレコーディングを行う・・・そして度重なる悲劇にも見舞われた。マネージャー、スティーブの死。(英国でのデビューシングル「What Would Steve Do?~スティーブならどうする?」の曲タイトルはこの事件からつけられた) リード・ボーカル、ヌーの父親の死。(「Light Up This Room/直訳:この部屋を灯して」や「Down, Down, Down」はここから) 一見、美しいポップ・アルバムと思いきや、ここに見え隠れする暗幕の世界。

 スペインのレコーディングから戻ったマムラは、クークスやカイザー・チーフスのツアーのお供をしながらアビー・ロード・スタジオで最終仕上げを行った。「多様な作品を作りたかったんだ」と語るのはボーカルのヌー。「マムラの表明の中で常に違う音や違ったアイデアを持つことにプライドを持ってきたんだ。勿論すごく難しいことだけれどね、全ての側面をバランスすると同時に名曲を書き上げるのは。」

  音楽的影響はシガー・ロスやザ・ベータ・バンド、古き良きUKでいうとザ・キンキスやXTCまで。例えられるバンドはスーパー・ファーリー・アニマルズからキラーズまで。でも一言では語れない、それがマムラなのです。