モース/ポートノイ/ジョージ

 

スポック・ビアード等での活動で知られるニール・モース (キーボード、ギター、ヴォーカル) 、元ドリーム・シアターで、モースとはトランスアトランティック、フライング・カラーズなどでも共演してきたマイク・ポートノイ (ドラムズ、ヴォーカル) 、アヤロンのランディ・ジョージ (ベース、キーボード) の3人は、2003年のモースのステージで揃って演奏して以来、今日まで折に触れて共演。その間に、スタジオの"残り時間"  などを利用し、お気に入りのロック/ポップ・クラシックのカヴァー・ヴァージョンのレコーディングを試みてきた。

 あくまでも「自分たちが楽しむために」続けられてきたという、これら一連の"カヴァー・セッション"の成果は、モース/ポートノイ/ジョージの名を冠した"Cover To Cover"と題したシリーズに纏められ (一部の音源は、先んじてモースのソロ・アルバムで日の目を見ている) 、これまでに『Cover to Cover』 (2006年)、『Cover 2 Cover』 (2012年)、『Cov3r to Cov3r』 (2020年) の3点と、それらをまとめた『Cover To Cover Anthology Vol. 1-3』がリリースされている。その3作のハイライト日本独自のコンピレーション『カヴァー・トゥ・カヴァー(JAPAN EDITION)』を2020年11月25日発売。

 全編を通じ、印象に残るのは、原曲に対する揺るぎない敬意。この3人ほどの技量があれば、斬新なアレンジを披露することももとより可能だろうが、総じて原曲に忠実な歌唱/演奏になっており、嬉々として"コピー"を試みているといった感じが微笑ましい。原曲を引っ張り出して、その再現の精度を楽しむのも一興だろう。(モースとポートノイはポール・ギルバートらを含むビートルズに特化したコピー・バンドイエロー・マター・カスタードでも共演) 。