リトル・ミックス 2月24日(金)ニューヨーク/マディソン・スクエア・ガーデン公演 ライヴレポート(アリアナ・グランデ <デンジャラス・ウーマン・ツアー> サポート・アクト)
季節外れの陽気に賑わう2月24日(金)夜、NYCのマディソン・スクエア・ガーデンで行われたアリアナ・グランデ「デンジャラス・ウーマン」ツアーにて、2011年にUK人気オーディション番組<Xファクター>で番組史上初のグループ優勝を果たした新世代スーパー・ガールズ4人組=リトル・ミックスが栄えあるオープニング・アクトを務めた(前座1組目はヴィクトリア・モネー)。
ちょうど冬休みの週末だったこともあり、会場は女子小中学生とその引率の保護者のグループも目立ち、観衆の平均年齢は10代後半と思しき中、リトル・ミックスがステージに登場すると、すでに7割がた埋まりかけていた観客席の半分くらいが一斉に立ち上がり、大歓声で迎えた。露出度の高いレザーのセクシーな衣装をまとい、ミリタントな男性ダンサー4名を引っさげまずは「サルート」で幕開け。その勢いあるパワフルなハーモニーに加え、“ウーマンズ・パワー”を讃える同曲の時宜にかなったメッセージ性との相乗効果も相まってか、1曲目のパフォーマンスを終えてジェジーが「調子はどう?」と語りかけると、騒ぎたくて仕方のないティーン達は早くも大興奮。そして2曲目「ヘアー」では、後半にウィロー・スミスの2010年のヒット曲「ホイップ・マイ・ヘアー」とつなぎ、4人がロングヘアをぐるんぐるん振り回す、エネルギッシュなダンス・ルーティーンも披露。ハイテンションのまま続く「ウィングス」でも4人はステージ上を所狭しと走り回り、LBGT(性的マイノリティ)問題のアンセムとしても名高いバラード「シークレット・ラヴ・ソング」で雰囲気がガラっと切り替わると、ステージ上の巨大スクリーンには各メンバーの感極まった表情が映し出され、中でもジェイドは涙を浮かべて熱唱、スマホのライトが左右に揺れる会場はドリーミーで感動的なムードに包まれた。
セット後半は新曲「タッチ」、そしてUKチャートではいずれも3週間連続1位を記録した安定のヒット曲「ブラック・マジック」「シャウト・アウト・トゥ・マイ・エックス~完全ふっ切れ宣言~」を立て続けに熱演、会場を圧倒するソウルフルな歌声や出し惜しみしないパフォーマンスに鳴り止まぬ大声援の中、ジェジーは「今夜、私達の夢が叶ったわ」と、曲間のMCも仲良く交替で担当した各メンバーが異口同音に述べた謝辞やメッセージをダメ押しするかのように、「好きなことや夢を諦めないで」「いつでも自分らしくいることを恐れないで」と熱っぽく伝え、大歓声の中惜しまれつつステージを後にした。
ちなみに、会場の大半を占めていたと思われるデジタル・ネイティブ達は、お気に入りの曲が始まると「ここぞ」とばかりにライブ動画を自分のSNSチャンネルでライブ配信するのが定番らしく、ステージに背を向け自撮りモードでリトル・ミックスのライブを背景に使うツワモノも多数。これでさらに彼女達の存在が宣伝、拡散されることになるのだろう。今後のUS、いやグローバルでのさらなる飛躍が十分に期待できる、実力、気合い、サービス精神、そのどれをとっても満点の素晴らしいショウであった。
(文:渡辺深雪 photo by:Splash / アフロ)