J.コール
 ノースカロライナ出身(生まれはドイツのハンブルグ)のラッパー/プロデューサー。ノー・リミットやキャッシュ・マネー所属のアーティストからの影響を受けて12歳からラップを、15歳からトラック・メイクを始め、17歳の頃には「セラピスト(Therapist)」なる名義でインターネット上で自作のトラックを公開。アーティストとしての活動をスタートさせる。

 07年、ファースト・ミックステープ『The Come Up』を発表。アンダーグラウンドなシーンで徐々に話題を集め始め、ジェイ・Zとミーティングする機会を得ると09年にはそれが縁となってジェイ・Zが新たに設立したレーベル、<ロック・ネイション>の第一弾アーティストとして契約。ヒップホップ・シーンのみならずエンタメ界全体から大きな注目が集める中、同年6月にセカンド・ミックステープ『The Warm Up』を発表し、同年9月にリリースされたジェイ・Zのアルバム『The Blueprint 3』収録の“A Star Is Born”へゲスト参加。この大抜擢により一気にその名をシーンに広めるとワーレイ、B.o.Bらの作品へ相次いで参加。2010年にはMTV企画の最もホットなアップカマー総選挙(「Hottest Breakthrough MC」)にウィズ・カリファやニッキ・ミナージらとともにエントリーされ、注目のルーキーを選出するXXLの名物企画「10 Freshmen」へ同じくウィズ・カリファやビッグ・ショーンらとともに選出。同年5月にはロック・ネイションからの第一弾シングル“Who Dat”を発表する。このタイミングでデビュー・アルバムのリリースが噂されたものの、11月には3枚目となるミックス・テープ『Friday Night Lights』を発表。またカニエ・ウェストが「G.O.O.D. Friday」と題して企画した楽曲“Looking For Trouble”への客演参加やドクター・ドレー、DJプレミアといった大御所たちがデビュー前のコールに対し、こぞって賛辞を送ったことも大きな話題となった。

 翌11年にはメジャー・ブレイク前だったケンドリック・ラマーの“HiiiPower”(Complexが12年に発表した「ベストなLAラップ・ソング100選」にも選出)を手掛け、プロデューサーとしても高い評価を獲得。6月にデビュー・アルバムからの先行シングルとして“Work Out”をリリースすると、7月にはそのアルバム・リリースへ向け、毎週日曜日に新曲や情報を発信する企画「Any Given Sunday」をスタート。そして9月大半の楽曲を自らがプロデュースしたデビュー・アルバム『Cole World : The Sideline Story』を発表。初週で20万枚以上のセールスを記録し、全米アルバム・チャート初登場1位にランクイン。その直後に発表されたビヨンセ“Party (Remix)”への参加も大いに話題となった。

 そのデビュー・アルバムのリリース直後から次なるアルバムの制作について示唆し、またケンドリック・ラマーとのコラボ・プロジェクトや自ら率いるレーベル、<ドリームヴィル(Dreamville)>を本格始動。そして今年、新たなミックス・テープ『Truly Yours』、『Truly Yours 2』を立て続けに発表。セカンド・アルバム『Born Sinner』のリリースも待たれている。