<サマーソニック2019>で来日のブリング・ミー・ザ・ホライズン、ソールドアウトの単独公演に2,500人が大熱狂!
今年1月にリリースした通算6作目アルバム『アモ』がキャリア史上初の全英チャート1位を獲得し、リード・シングル「マントラ」が第61回グラミー賞で<最優秀ロック・ソング>部門にノミネートされた、UK最重要モンスター・バンド=ブリング・ミー・ザ・ホライズン(以下BMTH)が、約5年振りの来日を果たした。8/16(金)には大阪、8/17(土)には東京で<サマーソニック2019>に出演し、8/19(月)にはゲスト・アクトにHYDEを迎えた、豪華単独公演を敢行した。
BMTHは、“過去最高傑作”との呼び声が高い最新アルバム『アモ』を引っ提げ、約5年振りに日本へ降臨。チケットが即完売となった8/19(月)の単独公演では、約90分のセットを披露し、豪華演出によるステージで、会場の熱気は常にピーク状態に。また、以前からBMTHを「大好きなバンド」と語っていたHYDEがゲスト・アクトとして出演し、日英を代表するロック・アーティストが共演する豪華イベントに、詰めかけた約2,500人のファンが熱狂した。
以下、ソールドアウトとなった8/19(月)の新木場STUDIO COASTでの単独公演の速報レポートが到着した。
<ライヴレポート>
8月19日、3日間にわたり繰り広げられた〈サマーソニック2019〉の余熱をふたたび沸点へと誘うかのような、きわめて熱いライヴを観た。東京・新木場STUDIO CASTでのBMTHの単独公演のことである。しかも今回はゲスト・アクトとして、あのHYDEが出演。午後7時の到来を知らせるかのように定刻ちょうどに彼のステージが始まる頃には、場内は当然のごとく人で埋め尽くされていた。
HYDEは畳み掛けるように約30分間のステージを披露。今日的な欧米のロックと温度差のないその音楽とたたずまいは、彼の作品などについて予備知識を持たない観客にも違和感なく刺激的なものとして映ったことだろう。かねてからBMTHの名をフェイヴァリット・バンドとして挙げてきた彼は「つまらなければ無視してくれて構わないけど、少しでもいいと思ったら気持ちを返して欲しい」と客席に告げていたが、そう呼び掛けるまでもなく満員のオーディエンスはポジティヴな反応を示していた。
(Photo by 田中和子)
そして待望のBMTHのライヴが始まったのは、午後8時を5分ほど過ぎた頃のこと。イントロダクション映像がステージ後方のスクリーンに映し出され、白いジャンプスーツで武装したメンバーたちが配置に着く。そこに鮮やかな赤のスーツに身を包んだフロントマンのオリーことオリヴァー・サイクスが躍り出ると、最新作『アモ』を象徴する楽曲のひとつである“マントラ”が炸裂し、同時にステージ両脇に陣取ったパフォーマーが白煙を噴射。フロアは一気に過熱し、一体感に包まれていく。
(Photo by Kazushi Toyota)
以降も、その場に充満する熱は上昇するばかりで落ち着く気配がない。ファンは当然ながら旧作からの楽曲も熟知していて、その予兆をとらえた時点で歓声が上がり、サークルピットが出現し、合唱が起きる。2019年を代表するロック作品のひとつとして数えられるべき『アモ』は確実にこのバンドの支持層を広げているが、BMTHとコアなファンの相思相愛関係は昨日や今日になって始まったものではないのだ。
オリーは4曲目の“メディスン”のを「人間関係についての“学び”の歌」と紹介する。その言葉が示すように、BMTHは結成から約15年の歴史のなかで音楽的にも人間的にも多くを学び、段階的に飛躍的な成長を遂げてきた。そうした進化や成熟の過程を音楽の変遷自体から感じ取ることができるのも、このバンドの大きな魅力のひとつであり、同じ時間軸を生きてきたファンの共鳴理由であるはずだ。ライヴの軸となっていたのはあくまで『アモ』だが、過去の楽曲群をも現在なりのクオリティと説得力をもってアップデートされた状態で届けてくれるこのバンドに対し、彼らの音楽と長い年月を過ごしてきたファンたちは、この上ない頼もしさを感じていたに違いない。
(Photo by Kazushi Toyota)
計4名のパフォーマーを交えての、映像とのシンクロニシティなどを伴ったスタイリッシュなステージングは、彼らのライヴが焦燥感や怒りに導かれていた時代とは真逆のものだともいえる。かつてはそうした若い感情のほとばしりを躊躇なくさらけ出すことが、彼らのスタイルでもあった。が、今現在、彼らのライヴは、反骨精神を失わぬまま、より広い世界をも巻き込むことのできる“ショウ”としても成立しているのだ。たとえば、各楽曲に同調しながら映し出される映像が、ある意味いずれも混沌感や意味深長さを伴うものでありながら、色調的にはむしろ明るく、陰鬱な気分を生むような類のものではないという事実も、そうした現在を象徴しているように感じられた。
(Photo by Kazushi Toyota)
この夜のBMTHのライヴは、時間にすれば約85分という比較的コンパクトなものだった。が、きわめて濃密なそのひとときはオーディエンスに時間を忘れさせ、満足感のみを味わわせたことだろう。そしてステージを去る間際、オリーはオーディエンスに対し、11月の再会を予告していた。その言葉の真意はまだ明かされていないが、とにかく次の機会が楽しみでならない。そして今回の好機を逃した人たちには、次回こそ彼らの現在の姿を確実に目撃して欲しいものである。
文:増田勇一
同単独公演のセットリストがプレイリストで公開中だ。
●ブリング・ミー・ザ・ホライズン 8/19(月)新木場STUDIO COAST 単独公演 セットリスト・プレイリスト再生リンク:
https://lnk.to/BMTH_Setlist2019AW
圧倒的進化を遂げたライヴ・パフォーマンスで、日本のファンを熱狂の嵐へと巻き立てたBMTH。今後の動向から目が離せない。
|リリース情報|
Bring Me The Horizon | ブリング・ミー・ザ・ホライズン
<最新アルバム>
『amo | アモ』
●国内盤CD
発売中(1月30日)
SICP-5940 / 2,200円+税
初回仕様ステッカー封入
●配信アルバム/輸入盤CD
発売中(1月25日)
再生・購入リンク:
https://SonyMusicJapan.lnk.to/BMTH_amo_jpAW
|関連サイト|
●海外オフィシャル・サイト: