アレクサンダー・クリッヒェル


 1989年、ハンブルク生まれ。6歳でピアノを始める。15歳よりハンブルク音楽・演劇大学で学び、2007年からはハノーファー音楽・演劇大学でウラディミール・クライネフに師事、現在はロンドンの王立音楽大学でドミトリー・アレクセーエフに師事している。
 2011年にソニー・クラシカルと専属契約を結び、2013年にソニーからのデビュー盤である『春の夜~メンデルスゾーン、シューベルト、リスト、シューマン:ピアノ作品集』をリリースした。このCDは批評家・聴衆の双方から非常に高い評価を得ており、ドイツのCDチャートにも、すぐさまランクインした。同年、エコークラシック賞の「ニューカマー・オブ・ジ・イヤー」を受賞し、ガラ・コンサートの模様はドイツのZDFテレビで放送された。最新のCDは、ソニー・クラシカルへの2枚目となる『ショパン、フンメル、モーツァルト』(ヴォイチェフ・ライスキ指揮/ポーランド室内フィルハーモニー管弦楽団)のほか、自身のデビュー録音である『洞察~クリッヒェル・プレイズ・リスト』がテロス・ミュージックよりリリースされた。
 これまでに、ベルリンのフィルハーモニーおよびコンツェルトハウス、ハンブルグ・ライスハレ、ミュンヘンのヘラクレス・ザールおよびプリンツレゲンテン劇場、ケルン・フィルハーモニー、デュッセルドルフ・トーンハレ、エッセン・フィルハーモニーなどで演奏している。2014/15シーズンは、チューリッヒ・トーンハレ、ウィーン・コンツェルトハウス、シュトゥットガルトのリーダーハレへ初登場する。また、これまでにフランス、イギリス、イタリア、日本、アメリカ、ルーマニア、ポーランド、ルクセンブルク、南アメリカでコンサートを行った。
 著名な音楽祭にも登場しており、これまでに、ピアノ・オ・ジャコバン、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン、ラインガウ、メクレンブルク・フォアポンメルン、レスプリ・デュ・ピアノ、キッシンゲンの夏等の音楽祭に参加している。
 オーケストラとは、ジョナサン・ノット指揮バンベルグ交響楽団、ミヒャエル・ザンデルリンク指揮ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団、アレクサンダー・マルコヴィッチ指揮ブレーメン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・シュターツカペレ室内管弦楽団、ルツェルン音楽祭弦楽合奏団等と共演している。
 2012/13シーズンは、ドイツ・バイエル社の文化プログラム”stART programme”に選ばれ、科学・製薬企業であるバイエル社の文化芸術部門から3年間にわたりスポンサーとして支援を受けることが決まった。これにより、バイエル社の後援で多くのコンサートが開催されるほか、2005年よりオスカー&ヴェラ・リッター財団から奨学金が贈られている。
 音楽での成功以外にも、他分野での活動も行っており、ウィリアム・スターン協会より、特に才能のある数学者としても認定を受けており、現在ハンブルク大学の数学科の聴講生でもある。さらに、数学オリンピックのほか、ドイツ政府が毎年開催する連邦外国語コンクールや、生物学の分野での研究活動におけるドイツ連邦コンクールなどでも入賞を果たしている。