グレイト・ジャズ・トリオ
ザ・グレイト・ジャズ・トリオ(The Great Jazz Trio)

ハンク・ジョーンズ率いる究極のジャズ・トリオ。1976年4月末にハンク・ジョーンズ(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)が結成。77年に発表したヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ盤は屈指の名盤と呼ばれている。幾度かのメンバー交代を経て、2002年11月にリチャード・デイヴィス(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)が参加して発表した『枯葉』、2003年12月に発表した『いつか王子様が』は各方面で話題に。






ハンク・ジョーンズ(Hank Jones)

1918年7月31日、ミシシッピ州ヴィックスバーク生まれ(育ったのはミシガン州ポインティアック)。有名なジョーンズ兄弟の長兄(次男はトランペット奏者兼作曲家のサド、末弟がドラマーのエルヴィン)。十代の頃から地元で演奏活動を始めただけでなく、トミー・フラナガン、バリー・ハリス、サー・ローランド・ハナに代表されるデトロイト派ピアニストの創始者でもある。ホット・リップス・ペイジに認められ44年にニューヨークに居を移す。コールマン・ホーキンスやビリー・エクスタイン等と共演するかたわら、当時発展しつつあったビバップの要素を吸収してゆく。47年からJATP(Jazz at the Philharmonic)に参加。48年~53年はエラ・フィッツジェラルドの伴奏者を務めたり、チャーリー・パーカーと共演するようになる。50年代になるとベニー・グッドマン、レスター・ヤング、キャノンボール・アダレイ等と共演。59年から17年間はCBSのスタッフ・ミュージシャンとしてラジオやTV番組の音楽に携わりながら、活動を展開。76年に結成したグレイト・ジャズ・トリオをきっかけに再びジャズの第一線へと躍り出て、以降は名脇役から立派な主役を務める作品までと数え切れないほど様々なアルバムに参加している。

その優雅で流麗な演奏スタイルはもとより、暗記しているスタンダード曲が1,000を下らないと言われているため尊敬の念を込めて「ミスター・スタンダード」と呼ばれることも。90年代のパナソニックのCMで「What’s New」の演奏シーンに出演しただけでなく、「ヤルモンダ!」とにっこり笑っていたピアニストでもある。