ザ・チックス

ディクシー・チックス改め、「ザ・チックス」はナタリー・メインズ、エミリー・ロビンソン、マーティ・マグアイアの女性3人組グループ。1989年結成、1995年にメジャー・デビュー。カントリーとロック、ポップをクロスオーバーさせたサウンドと力強いメッセージで、これまでリリースされた4作品はすべて全世界で大ヒット。米国の女性バンドとして史上最大のセールスを記録。全世界トータル・アルバム・セールスは3,000万枚以上、複数のダイヤモンド・アルバム(1,000万枚以上)を達成した唯一の女性グループであり、グラミー賞13回、ビルボード・ミュージック・アワード6回、アメリカン・ミュージック・アワード4回、カントリー・ミュージック・アソシエーション・アワードなど数々の賞を受賞。2006年に発売された彼女たちの4枚目のアルバム『TAKING THE LONG WAY』はグラミー賞の主要4部門中3部門「最優秀アルバム賞」、「最優秀レコード賞」、「最優秀楽曲賞」を制覇、これらを含む全5部門を受賞する快挙となった

2003年のブッシュ政権のイラク侵攻に反対する発言「私達は(同じ)テキサス出身のアメリカ大統領を恥ずかしく思っている」で、「アメリカの恋人」的存在から一転、保守陣営から激しいバッシングを浴びる。非難は脅迫にまでエスカレートした。しかし、3人は頭も下げず、引き下がりもせず、その後リリースされた『Taking The Long Way』では「言われた通りに従うわけないじゃない。撤回する気はさらさらないし、そんなことに付き合っているほど暇じゃない」と痛快に歌で答え、表現の自由を守るため闘い続けた。そんな彼女たちの信念を曲げぬ行動は全世界から賞賛され、タイム誌の「世界を形づくる100人」に選ばれている。

2020年、全米に広がる「ブラック・ライヴズ・マター」運動が社会の公正を求め、米国の人種差別の歴史が再検証されるなか、ナタリー、マーティ、エミリーの3人は「私たちは歴史のこの瞬間と交わりたい」と語り、南部連合国の構成州を指し、人種差別と白人至上主義との歴史的なつながりを内包するとも考えられる呼称「ディクシー」を名前から外し、「チックス」と改名することを発表した。そして、改名と同時に、ニュー・アルバム『Gaslighter』収録曲<マーチ・マーチ>のヴィデオを公開。「あなたの声が力を持っていなかったら、彼らはあなたを黙らせようとしません」という言葉と共に、全米に広がる抗議運動に連帯を表明した。世界の女性たちに、そして社会の公正を求めるすべての人たちに送るディクシー・チックス改め「チックス」の待望のカムバック・アルバム、14年振りとなる通算5枚目の新作『Gaslighter』を発表する。

(2003年の闘いの記録についてはこちらでも:https://ameblo.jp/high-hopes/entry-12611626532.html )