セルタブ
イスタンブール生まれのセルタブ・エレネルはトルコで最も絶賛され、人気のある女性ヴォーカリストの1人である。音楽学校でコロラチュラ・ソプラノとして打ち込んでいた6年間、彼女の個性はそんな時代から既に光り輝いていた。彼女のアルバムの総売上は現在400万枚を突破、ツアー・チケットは常にソールドアウト状態、今までに発売されたアルバムはいずれもゴールド、もしくはプラチナ認定を受けている。



(音楽学校)卒業後、セルタブはイスタンブール市内の有数なキャバレーでプロの歌手として活動を始めた。歌手、そしてパフォーマーとしての彼女の稀なる才能はすぐに認められた。1990年にはセゼン・アクスなどトルコの大御所歌手と肩を並べてステージに立っていた。そしてアクスの励ましもあって、デビュー・アルバムの『Sakin Ol』への道が開けていったのである。1992年に発売されたこのアルバムは100万枚以上のセールスを誇り、トルコ史上最も売れた1枚である。1994年に2枚目のアルバム『Lal』が発売され、続いて1997年に『Sertab Gibi』、1999年に『Sertab Erener』、そして2001年に『Turunce』をリリース。



トルコでレコーディング・アーティストとして活躍するセルタブは多くの賞を受賞、そして素晴らしいライヴ・パフォーマンスによって彼女は数多くの熱烈なファンを獲得してきた。又セルタブの多才な歌唱力と忘れがたいステージ上の存在感はオペラ界からポップスまで知れ渡り、全世界的に有名なホセ・カレーラスやリッキー・マーティンとのデュエットが実現している。トルコで最も売れている女性ポップ・スターとして君臨するセルタブは現在、海外進出に向けて旅立とうとしている。



99年にトルコと中近東で発売されたリッキー・マーティンの英語アルバムに収録されたシングル、「Private Emotion」でのデュエットにより、セルタブの名前はトルコ国外にも広まった。セルタブは全世界的に有名なプロデューサーのデズモンド・チャイルドとこの曲のレコーディングに挑んだ。



加えてセルタブが94年にレコーディングした「Lal」はソニーが発売した『Soundtrack for a Century』ボックス・セットの収録曲に選曲された。セルタブはソニーが選ぶ、「過去100年に渡り、最も影響力のある曲」が500曲、26枚組みに収められたボックス・セットに選ばれた唯一のトルコ出身の歌手である。又、セルタブはジェスロ・タルのデヴィッド・パーマー、そしてアフロ・ケルト・サウンドシステムのサイモン・エマーソンとも様々なプロジェクトでコラボレーションを果たしている。



2000年2月、セルタブはセルフ・タイトルのアルバムを初めてヨーロッパでリリースした。グレイテスト・ヒッツと新曲が含まれたアルバムである。アルバムの立ち上げはブリュッセルにてヨーロッパのマスコミと音楽関係のプレス向けた素晴らしいショーケースで幕を開けた。このアルバムはセルタブがコンサートやDranouter、Sfinks、アムステルダム・ルーツ・フェスティヴァルやライヴ・フォー・ライフなどのフェスティヴァル参加のために頻繁に訪れたベネルクス3国で最も成功を収めている。アルバム発売がきっかけでヨーロッパでの最高への道が開かれ、トルコきっての歌姫はインターナショナルなスターへの階段を上り始めているのだ。



トルコ代表としてヨーロッパの舞台に立つ素晴らしい機会が今、セルタブに訪れている。5月25日、リガにて開催される2003年ユーロヴィジョン・コンテストのトルコ代表としてセルタブはトルコ国営ラジオ・テレビ局(TRT)から抜擢を受けたのである。数年前にトルコのスーパースター、タルカンと共に全世界的にヒットした「Simarik」を作り上げたあのオザン・チョラッコールと2人でセルタブは「Every way That I Can」という最高な曲をじっくりと完成させた。セルタブとデミル・デミルカンとで作曲されたこの曲は、トルコのユーロヴィジョン選考曲として初の英語タイトルである。ヨーロッパで現在大ヒット中の「Everyway That I Can」は2003年夏の大ヒットの予感!今年の夏から秋に向けて、セルタブのライヴに是非足を運び、彼女の才能と熱意を自身の目で確かめて欲しい。それは間違いなく忘れがたい体験になるはずだ。