『狂気』Dolby Atmos Mix解説
50周年記念ボックスの中で最も注目されているのがピンク・フロイド史上初のDolby Atmos Mix。『狂気』Dolby Atmos Mixについての解説をこちらに掲載します。
『狂気』Dolby Atmos Mix解説
ピンク・フロイドが1973年に発表したモンスター・アルバム『狂気』の50周年記念盤が、来たる3月24日『The Dark Side Of The Moon -50th Anniversary Box Set』として世界同時発売される。 近年の彼らの復刻に深く携わっているエンジニアのジェイムス・ガスリーが新たにマスタリングを手掛けた2023仕様の最新CDを筆頭に、7.1.4チャンネルのドルビーアトモス・ミックス音声を収録したBlu-rayなどを収めた豪華ボックス仕様だ。先日、いち早くBlu-rayに収録された7.1.4チャンネルのドルビーアトモス・ミックスを聞く機会に恵まれた。7.1.4チャンネルのドルビーアトモス・ミックスは従来の5.1チャンネル音声にサイド・スピーカー2本と頭上4本のスピーカーを加えた構成が特徴となる。2012年に劇場向けの映画作品で採用されて以来、音楽映画やロックの名盤復刻でも積極的に導入されているのはご存知かもしれない。
ピンク・フロイドは2003年、『狂気』の30周年記念盤となるSACD/CDハイブリッド盤で、ジェイムス・ガスリーによる5.1チャンネル仕様のサラウンド音声を発表している。今回のBlu-rayにもその5.1チャンネル・ミックスは収められているが、新たに制作された7.1.4チャンネルのドルビーアトモス・ミックスは従来のそれとは別物で音の定位や広がり、細部の音の処理などが異なっている。本作はバンド・サウンドに加え、SEが効果的に駆使されているのが大きな特徴だが、ヘリコプターや時計の音、各種のアナウンスなどがサイド・スピーカー2本と頭上4本のスピーカーに振り分けられたことで、音の包囲感が高まり聞き手の想像力をいっそう刺激してくれる。
従来の5.1チャンネル・ミックスがリスナーのリビングルームやプライヴェートな空間を想定した音作りだとすると、今回のドルビーアトモス・ミックスは映画館ないしはコンサート会場を想定したようなスケールの大きさを感じさせる。現状、ジェイムス・ガスリーがどのようなコンセプトの下、どんなプロセスを経てドルビーアトモス・ミックスを制作したのかは明らかにされていないものの、『The Dark Side Of The Moon -50th Anniversary Box Set』はピンク・フロイドのファンのみならず、ロック・リスナーならぜひとも押えておきたい重要アイテムといえる。(武田昭彦)
『狂気』Dolby Atmos Mixの凄さ
「数え切れないほど聴き、すべての音を把握していたつもりのこの名盤に、さらなる深みがあったことに心底驚いている。ステレオのキャンバスでは収まらなかった、5.1chサラウンドの地平では望めなかった、ピンク・フロイド『狂気』の真の姿が、Dolby Atmosによってついに解き放たれたとしか思えない。」(RITTOR BASEディレクター國崎晋)
【『狂気』50周年記念盤デラックス・ボックスセット】
PINK FLOYD 『The Dark Side Of The Moon -50th Anniversary Box Set』
ピンク・フロイド 『狂気-50周年記念盤ボックス・セット』
2023年3月24日発売
■輸入盤のみの発売 品番:19658713451 価格:オープンプライス
【完全生産限定盤】 デラックス・ボックス・セット(2 x CD, 2 x LP, 2 x Blu-Ray, DVD, 2 x 7" singles, 160 page Hardback Book, 76 page Music Book and memorabilia)
https://www.110107.com/pinkfloyd_dark
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