慄然たるハルサイーーーパーヴォ・ヤルヴィがN響と成し遂げた巨大なメルクマール。パーヴォ&N響の「ストラヴィンスキー:春の祭典」、9月1日発売予定。
9月来日記念盤|2021年9月1日発売予定
★ストラヴィンスキー没後50年メモリアル・リリース★
20世紀傑作選④
ストラヴィンスキー:春の祭典
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)NHK交響楽団
Stravinsky: The Rite of Spring
Paavo Järvi & NHK Symphony Orchestra
■品番 ハイブリッドディスク:SICC 19055 ■発売日: 2021年9月1日予定
■定価: 定価¥3,200+税 ■ハイブリッドディスク
慄 然 た る ハ ル サ イ
パーヴォ・ヤルヴィがN響と成し遂げた巨大なメルクマール。
■巨人ストラヴィンスキーへのパーヴォ・ヤルヴィのこだわり
20世紀最大の作曲家であり、生涯にわたってその作風をカメレオンのように変化させたストラヴィンスキー。パーヴォ・ヤルヴィは、シンシナティ交響楽団と三大バレエを録音し、ドイツ・カンマーフィルとの初録音に「兵士の物語」を選び、パリ管弦楽団との初来日時にも鮮烈な「ペトルーシュカ」を披露するなど、その音楽活動の中でストラヴィンスキー作品に並々ならぬ愛着を見せてきた指揮者です。そんなヤルヴィがNHK交響楽団との重要なプロジェクトとして、ストラヴィンスキーの持つさまざまな貌のうち、「ロシア/パリ時代」と「アメリカ~新古典主義時代」という2つの時代に、セルゲイ・デイアギレフとジョージ・バランシンという当代最高のコラボレーターと組んで産み出したバレエ音楽を中心としたプログラムを考案し、2018年5月と2019年2月に取り上げて大きな話題となりました。
■ロシア~パリ時代の代表作をプログラミング
2020年9月に発売され、「レコード芸術」誌で特選盤となるなど高く評価された第1弾「ストラヴィンスキー:3楽章の交響曲・カルタ遊び・ミューズの神を率いるアポロ」に続き、ストラヴィンスキーを20世紀最大の作曲家へと押し上げた代表作「春の祭典」をメインに置いて、ロシア時代を中心とする華やかで個性あふれるオーケストラ曲を収録した第2弾が登場します。今年没後50年のメモリアル・イヤーを迎えたこの未曾有の作曲家へのトリビュートでもあります。
■師リムスキー=コルサコフからの脱却
幻想曲「花火」と「幻想的スケルツォ」は、師R=コルサコフの影響を受けながらもストラヴィンスキーの個性を全開にさせた華麗な作品。オーケストレーターの魔術師としてのストラヴィンスキーの偉才が開花した凄い音楽です。同じスケルツォという名を冠しながらジャズ・バンド版を経てオーケストラ用に編曲された「ロシア風スケルツォ」は「ペトルーシュカ」を思わせる民謡調の節回しが耳に残ります。
■100年以上失われていた「葬送の歌」はN響による初演奏
「葬送の歌」は、師R=コルサコフの死を悼んで1908年に書かれたものの、翌1909年の初演以後、ロシア革命の混乱の中で散逸したとされていた作品で、1世紀以上経った2015年に再発見され、2016年にゲルギエフによってようやく蘇演されました。死を悼む厳粛な面持ちの音楽で、この時の公演がN響にとっての初演奏でもありました。
■今聴いても鮮烈の極みの「ハルサイ」
20世紀の音楽史を変えた10作に数えられ、文字通りストラヴィンスキーの代表作となった「春の祭典」は、先史時代のロシアの儀式を強烈な色彩と複雑なリズムで描いたバレエ曲。パリ・シャンゼリゼ劇場での初演は、怒号と賛辞とが交錯するスキャンダルになったことでも知られ、ストラヴィンスキー、振り付けのニジンスキー、そして公演を企画したディアギレフの名を一躍世界的に轟かせました。現在ではシンフォニー・オーケストラの定番レパートリーとして定着していますが、今聴いてもあちこちに仕掛けられたストラヴィンスキーの創意工夫に圧倒され魅了される作品です。
■作曲者自身が指揮した唯一の日本のオーケストラ、N響が挑むストラヴィンスキー
1926年に創設された日本で最も長い伝統を持つN響は1931年に幻想曲「花火」を取り上げてから今日に至るまで28曲のストラヴィンスキー作品を取り上げてきました(そのうち8曲が日本初演)。「春の祭典」を取り上げたのは1950年9月、山田一雄(当時は和男)指揮でのことで、この時が日本のプロ・オーケストラによる定期演奏会での初演奏でもありました。1959年には来日したストラヴィンスキー自身が指揮して3回の演奏会を行っており、作曲者による薫陶を受けた日本で唯一のオーケストラでもあります。そうした厚い演奏伝統を持つN響が、パーヴォ・ヤルヴィとがっちりタッグを組んで披露したストラヴィンスキーの代表作の数々。N響の持つ高い機能性と重厚なソノリティが極限まで生かされ、N響演奏史に新しい一歩を刻んだ名演の記録ともいえましょう。
■収録曲(曲順未定)
ストラヴィンスキー Igor Stravinsky 1882-1971
1 幻想曲「花火」 作品4 Fireworks | Feu d’artifice Op. 4
2 幻想的スケルツォ 作品3 Scherzo fantastique Op. 3
3 ロシア風スケルツォ Scherzo à la russe
4 葬送の歌 作品5 Funeral Song | Chant funèbre Op. 5
バレエ「春の祭典」 The Rite of Spring | Le sacre du printemps
第1部 大地への讃迎 Part I: Adoration of the Earth
5 序奏 Introduction
6 春のきざしと若い娘たちの踊り The Augurs of Spring (Dance of the Young Girls)
7 誘惑の遊戯 Mock Abduction
8 春のロンド Spring Round Dances
9 競い合う部族の遊戯 Games of the Rival Tribes
10 賢者の行進 Procession of the Wise Elder
11 大地讃迎(賢者) Adoration of the Erath (The Wise Elder)
12 大地の踊り Dance of the Earth
第2部 いけにえ Part II: The Sacrifice
13 序奏 Introduction
14 乙女たちの神秘な集い Mystical Circles of the Young Girls
15 選ばれた者の讃美 Glorification of the Chosen Victim
16 祖先の霊への呼びかけ Summoning of the Ancestors
17 祖先の儀式 Ritual of the Ancestors
18 いけにえの踊り(選ばれた乙女) Sacrificial Dance (The Chosen Victim)
NHK交響楽団 NHK Symphony Orchestra, Tokyo
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ Paavo Järvi, conductor
[録音]2019年2月20日&21日 サントリーホールにおけるNHK交響楽団第1908回定期公演(Bプログラム)でのライヴ・レコーディング
DSDレコーディング
Recording: February 20 & 21, 2019, Suntory Hal, Tokyo Live Recording of NHK Symphony Orchestra Subcription Concert # 1908 (B Program)
DSD Recording
■パーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団定期公演2021-22シーズン
詳細はNHK交響楽団ウェブサイトをご覧ください。
https://www.nhkso.or.jp/
「NHK交響楽団定期公演2021-22シーズン」は、パーヴォ・ヤルヴィのN響首席指揮者としての最後のシーズンとなります。ヤルヴィがN響との最初のシーズンで取り上げて絶賛を博したバルトークの「オケコン」、録音でも高く評価されているR.シュトラウス・シリーズでは「アルプス交響曲」と、20世紀の傑作が並び、締めくくりはイギリス/アメリカ・プロ。しかもヤルヴィがN響首席指揮者に就任して初めて取り上げるシューマンの交響曲、話題のイゴール・レヴィットとの共演になるブラームスのピアノ協奏曲第2番も披露される予定です。
2021年9月
第1936回 定期公演 池袋Cプログラム
2021年9月10日(金)開演 7:30pm(休憩なし)
2021年9月11日(土)開演 2:00pm(休憩なし)
東京芸術劇場 コンサートホール
バルトーク/組曲「中国の不思議な役人」
バルトーク/管弦楽のための協奏曲
2022年2月
第1951回 定期公演 池袋Aプログラム
2022年2月5日(土)開演 6:00pm
2022年2月6日(日)開演 2:00pm
東京芸術劇場 コンサートホール
ブラームス/ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83 ピアノ:イゴール・レヴィット
シューマン/交響曲 第2番 ハ長調 作品61
第1952回 定期公演 池袋Cプログラム
2022年2月11日(金・祝)開演 7:30pm(休憩なし)
2022年2月12日(土)開演 2:00pm(休憩なし)
東京芸術劇場 コンサートホール
R. シュトラウス/バレエ音楽「ヨセフの伝説」から交響的断章
R. シュトラウス/アルプス交響曲 作品64
第1953回 定期公演 Bプログラム
2022年2月16日(水)開演 7:00pm
2022年2月17日(木)開演 7:00pm
サントリーホール
ブリテン/歌劇「ピーター・グライムズ」- 4つの海の間奏曲 作品33a
バーバー/ヴァイオリン協奏曲 作品14 ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン
エルガー/変奏曲「謎」作品36