6/12 パーヴォ・ヤルヴィ最新録音2枚同時発売!20世紀の音楽思潮を決定づけたバルトークの傑作三部作。

2019.05.19

PAAVO JÄRVI 2019
2019年6月12日発売|来日記念盤
20世紀の音楽思潮を決定づけたバルトークの傑作三部作。

20世紀傑作選①バルトーク三部作
弦楽器・打楽器・チェレスタのための音楽他

パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)NHK交響楽団
BARTÓK: MUSIC FOR STRINGS, PERCUSSION AND CELESTA, ETC.
PAAVO JÄRVI | NHK SYMPHONY ORCHESTRA, TOKYO
 

■品番 ハイブリッドディスク:SICC-19042 ■発売日: 2019年6月12日
■定価: ¥3,200+税  ■レーベル: RCA Red Seal DSD Recording 
■SACD Stereo | CD Audio: DDD STEREO  
*当初の発表から発売日が変更・延期になりました。ご了承ください。

■収録曲
ベラ・バルトーク
Béla Bartók (1881-1945)

弦楽のためのディヴェルティメント BB118 / Sz113(1939) [24:32]
Divertimento for String Orchestra, BB118 / Sz113
1  第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ [9:06]
2  第2楽章 モルト・アダージョ  [8:08]
3  第3楽章 アレグロ・アッサイ [7:18]


舞踏組曲 BB86 / Sz77(1923) [15:59]
Dance Suite, BB86 / SZ77
4 第1曲 モデラートーリトルネッロ [9:24]
5 第2曲 アレグロ・モルトーリトルネッロ [2:17]
6 第3曲 アレグロ・ヴィヴァーチェ [2:59]
7 第4曲 モルト・トランクイローリトルネッロ [2:31]
8 第5曲 コモド [1:00]
9 第6曲 フィナーレ:アレグロ [3:54]


弦楽器・打楽器・チェレスタのための音楽 BB114 / Sz106(1936)[31:54]
Music for Strings, Percussion and Celesta, BB114 / Sz106
10 第1楽章 アンダンテ・トランクイロ [8:53]
12  第3楽章 アダージョ [8:00]
13 第4楽章 アレグロ・モルト [7:36]


NHK交響楽団
NHK Symphony Orchestra, Tokyo
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
Paavo Järvi, conductor


[録音]2017年9月27日&28日、サントリーホールにおけるNHK交響楽団第1866回定期公演Bプログラムでのライヴ・レコーディング DSDレコーディング

Recording Director & Balance Engineer: Tomoyoshi Ezaki (Octavia Records Inc.) Assistant Director: Keiji Ono (Octavia Records Inc.) Assistant Engineer: Masashi Minakawa (Octavia Records Inc.)


2017年9月27日、サントリーホールでの演奏終了後、拍手に応えるパーヴォ・ヤルヴィ。コンサートマスターは伊藤亮太郎氏。
写真提供:NHK交響楽団

   

バルトークの3つのオーケストラ作品を集めたこのアルバムのテーマは、文字通り「民族音楽」といえよう。ここには生き生きと躍動し、軽みを帯びたーーしかし構造自体は極めて洗練されたーーさまざまな種類のダンス・ミュージックが詰め込まれている。3曲ともバルトークの全作品の中でも重要な位置づけにあるが、20世紀音楽史においても最も良質な音楽なのだ。――――パーヴォ・ヤルヴィ

■パーヴォ・ヤルヴィがNHK交響楽団(N響)の首席指揮者として取り上げてきたレパートリーの中で、マーラーやブルックナー、R.シュトラウスなどの後期ロマン派の作品、故国エストニア文化圏の音楽と並んで、最も力を入れているのが20世紀の音楽です。19世紀を通じて、ひたすら巨大化・複雑化の方向を目指して拡大路線で突っ走ってきたオーケストラ音楽が、一つの分岐点を向かえ、やがて様々な方向へと枝分かれしていくのが20世紀であり、N響というオーケストラのさまざまな特質のうちでも、最も優れたものの一つである機能性の高さ(それは「世界のトップ・オーケストラに匹敵するものだ」というのがヤルヴィの持論)をフルに生かすことができるレパートリーでもあります。そうしたカテゴリーに入れられる作品をリリースしていくべく『20世紀傑作選』というシリーズが始動いたします。R.シュトラウスの交響詩チクルスでスタートし、ムソルグスキーの「展覧会の絵」、マーラーの交響曲第6番と続いてきた、ヤルヴィとN響との録音プロジェクトの新たな柱と位置付けられるプロジェクトです。


2017年9月27日、サントリーホールにおけるバルトーク「弦楽のためのディヴェルティメント」の演奏。弦楽器16型の大編成で対抗配置。
写真提供:NHK交響楽団

『20世紀傑作選』の第1弾は、ヤルヴィ自身が実現を鶴首していた「オール・バルトーク・プログラム」。ヤルヴィのバルトークといえば、シンシナティ響との個性的な彫琢を施した解釈(2005年テラーク・レーベルへの録音でカップリングはルトスワフスキの「管弦楽のための協奏曲」)で知られ、2015年10月N響C定期での鮮やかな演奏も記憶に残る「管弦楽のための協奏曲」がまず思い浮かびますが、バレエ「中国な不思議な役人」(ヤルヴィは全曲ではなく、組曲版を取り上げる)、「ルーマニア民族舞曲」のほか、ジャニーヌ・ヤンセン、クリスティアン・テツラフやピョ-トル・アンデルジェフスキら、ヤルヴィお気に入りのソリストと共演の多い3つのピアノ協奏曲、2つのヴァイオリン協奏曲なども、バルトークの作品を愛してやまないヤルヴィの定番レパートリーです(ヤルヴィの「ウィッシュ・リスト」(演奏したい作品リスト)には、歌劇「青ひげ公の城」、既存の組曲がしっくりこず、新たな組曲の編纂を優れた作曲家に委嘱したいとさえ考えている「かかし王子」も並んでいます)。

2017年9月27日、サントリーホールにおけるバルトーク「舞踏組曲」の演奏。弦楽器は対抗配置。
写真提供:NHK交響楽団

■バルトークはパーヴォ・ヤルヴィの俊敏かつドラマティックな音楽性に最もフィットした作曲家であるとも申せましょう。バルトークがヨーロッパ時代に作曲したオーケストラのための大作3曲を1枚に収録した当盤は2017年9月、サントリーホールにおけるN響定期公演Bプロの全曲ライヴ。1936年に作曲された「弦楽器・打楽器とチェレスタのための音楽」は、弦楽パートを2群に分け打楽器・チェレスタと対比させるという型破りな編成で、20世紀の音楽思潮を決定づけた重要作。第2次大戦に向かう不安な世相観が反映したかのような「弦楽のためのディヴェルティメント」、ハンガリーやアラブなど複数の民族的なエレメントがいっぱいに詰まった躍動感あふれる「舞踏組曲」という3曲を収録。NHK交響楽団の持つ圧倒的なヴィルトゥオジティがこれまでにないほどの強度で発揮されています。いずれもパーヴォ・ヤルヴィ、NHK交響楽団双方にとっての初録音です。


2017年9月27日、サントリーホールにおけるバルトーク「弦楽器・打楽器・チェレスタのための音楽」の演奏。
2群に分かれた弦楽器の特異な配置はバルトークの指定どおりである。
写真提供:NHK交響楽団


■バルトーク三部作~テーマはハンガリーの「民俗音楽」|パーヴォ・ヤルヴィ


 バルトークは、20世紀の音楽史において新しい声を上げた重要な作曲家だった。彼の作曲技術における創意工夫の新しさは独特かつ革新的なものだった。それゆえ、若手の熱心な作曲家や、同時代音楽の動向に詳しい音楽愛好家は、バルトークのことを「伝統を打ち破り、まったく新しい音楽を想像した作曲家」として崇拝してきたのも無理はない。しかしバルトークには別の側面もあった。彼の音楽は、何世紀にもわたって存在してきた、ハンガリー民族とその音楽の伝統と、深いところで密接につながっていたのだ。バルトークが自らの作品に籠めたさまざまな音楽的な身振りのいくつかは、おそらくハンガリーの人々が、地元のパブや村で耳にしてきたものだった。それゆえバルトークの音楽は、究極のところ、真の意味で偉大な「ハンガリーの民族的音楽」と捉えてもあながち誤ってはいないだろう。

 

私はこれまでにこのアルバムの3曲をそれぞれ様々な演奏会で取り上げてきた。しかしこの3曲を一夜で演奏したのは、2017年にNHK交響楽団で演奏した時が初めてだった。この3曲の演奏に当たっては、複雑なリズムを自然に演奏できる自由さを持ち、一つ一つの音符をスイング感をもって楽しく躍動させる必要がある。NHK交響楽団のような優れたオーケストラであれば、本物のハンガリー的なスイング感を音楽から引き出す際の難しさは、難なく克服することができるのだ。

 


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