ナタリー・シュトゥッツマン
ビロードを思わせるような独特の光沢を持つ、魅力的なコントラルト(低いアルト)のナタリー・シュトゥッツマンは、現在もっとも充実した活躍をしているコントラルト歌手の一人。

1965年、パリ生まれ。パリ・オペラ座の歌手だった母から声楽の手ほどきを受け、ナンシー音楽院で声楽とピアノ、バスーンを学ぶ。その後、パリ・オペラ座のマスタークラスで、クリスタ・ルートヴィヒに学び、さらにハンス・ホッターのもとで4年間にわたるドイツ・リートの研鑚をつんだ。

1988年に声楽コンクール「新しい声」で優勝。以後、急速に頭角をあらわしたシュトゥッツマンは、フランス歌曲、ドイツ・リート、宗教曲、バロック・オペラの分野でとりわけ注目を集め、“稀有の声の持ち主”と称賛を受けている。1996年には、フランスの文部大臣より芸術文化勲章を授与されている。

1995年モーストリー・モーツァルト・フェスティバルに際して初来日。以後、リサイタルや、小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラとの共演で度々来日しており、多くの音楽ファンを魅了している。