マイケル・ジャクソン『スリラー』40周年。
全世界累計セールス1億枚超の<人類史上最も売れたアルバム>が、今なお世界を驚かせる。

マイケル・ジャクソン|スリラー40周年

人類史上最も売れたアルバム、『スリラー』

『スリラー』は、それまでのロック、ポップ、ソウルなどあらゆる音楽ジャンルの垣根を打ち破り、ポップミュージックと音楽ビデオの概念を永久に変えることになった。

マイケルが40年前に心に描いた 「最先端」 のヴィジョンは、世界を変え、「普遍的」 な古典となった今もなお、その先進性とエンターテイメント性で世界を驚かせ続ける。

『スリラー』ジャケット写真

『スリラー』(1982年作品)

  • 全世界累計セールス1億枚超。(1985年、ギネスブック「史上最も売れたアルバム」に認定)
  • 全米(ビルボード)アルバム・チャート、通算37週ナンバー1。
  • 全米(ビルボード)アルバム・チャートTOP10に80週エントリー。
  • 1984年第26回グラミー賞12部門ノミネート。最多8部門受賞(ALBUM/RECORD OF THE YEAR含む)。
    • 最優秀アルバム賞
    • 最優秀レコード賞(「ビート・イット」)
    • 最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス(「スリラー」)
    • 最優秀男性ロック・ヴォーカル・パフォーマンス(「ビート・イット」)
    • 最優秀男性R&Bヴォーカル・パフォーマンス(「ビリー・ジーン」)
    • 最優秀R&Bソング(「ビリー・ジーン」)
    • 最優秀プロデューサー(クインシー・ジョーンズとマイケル・ジャクソン)
    • 最優秀アルバム技術賞- クラシック以外(ブルース・スウェディエン)
  • シングル・カット曲7曲全て全米(ビルボード)シングルチャートTOP10入り(うち2が曲ナンバー1)。
  • 1984年オリコン・年間LP、カセットテープ、CDチャート(現在の総合アルバム)3部門でナンバー1。
  • 2009年、「スリラー」 が音楽ビデオとして史上初めてアメリカ国立フィルム登録簿入り。米国議会図書館でフィルムが永久保存される事に。

『スリラー』 を知るためのショートフィルム(MV)3選

■ THRILLER

「僕はテレビに人々をくぎづけにするようなもの、みんなが繰り返し観たいと思うようなものを作りたかった。 僕はこの比較的新しいメディアの先駆者となり、できるだけ最高の “ショートフィルム” を作りたいと思ったんです。 僕はそれを "(ミュージック)ビデオ" と呼ぶのさえ嫌なんです」マイケル・ジャクソン(自伝 『ムーンウォーク』 より)

ミニマルなフレーズの繰り返しによるファンク〜ディスコを貴重とした超モダンなダンスミュージックに、クラシック・ホラー映画の第一人者ヴィンセント・プライスを楽曲のナレーターに起用してお化け屋敷感を演出した 「THRILLER」。

もともとマイケルは作曲者のロッド・テンパートンに 「子供たちが喜びそうな曲をつくってほしい」 とリクエストしたそうで、制作段階では 「STARLIGHT」 という曲名で、歌詞も全く別のものだった。

ショートフィルムには映画監督のジョン・ランディス(『ブルース・ブラザース』、『狼男アメリカン』)や特殊メイクのリック・ベイカー(『スター・ウォーズ』、『狼男アメリカン』、『グレムリン2』) を呼んできてサービス満点のアトラクション感を盛り込み、楽曲のプロモーション映像としては前代未聞となる13分43秒の作品を作りあげた。

当時はサブカル分野のキャラクターだったゾンビのコミカル化やポップ化、ひいてはホラー映画のポップ化という映画史への影響もさることながら、のちのフラッシュモブのブームやSNSでの 「踊ってみた」 文化の基盤を築いたと考えることもできる画期的な内容で、超一流のエンターテイナーにして童心を忘れないマイケルならではのバランスで成り立っている、まさに奇跡の作品。

■ BEAT IT

「当時私はマイケルに、アルバムにはザ・ナックの 「マイ・シャローナ」 みたいなパワフルな曲が必要だと伝えた。 そしたらマイケルが、まだ歌こそ入っていないがそんな曲があると言うんだよ。で、実際に聴いてみたらマイケルが 言ってたことはでまかせでもなんでもなかった。それはまさに我々が必要としていたもの!どんぴしゃだったんだ。」 クインシー・ジョーンズ(『THRILLER』 プロデューサー)

『THRILLER』 を 「伝説」 へと押し上げたのがタイトル曲の 「THRILLLER」(とジョン・ランディスが監督を務めたショートフィルム)だとするならば、「BEAT IT」 は 『THRILLER』 が果たした意義の象徴と言えるだろう。

人種やジャンルの壁を打ち破るボーダレスな音楽を追求した 『THRILLER』 には、その構想をわかりやすく具現化した決定的なシンボルが必要だった。それこそが、エディ・ヴァン・ヘイレンの閃光のようなギター・ソロをフィーチャーしたこの 「BEAT IT」 。

ハード・ロックを装いながらもその奥に強靭なダンス・グルーヴを忍ばせた過激で野心的なミクスチャー感覚は、ジャンルと人種を超越したモンスター・アルバム 『THRILLER』 のシンボルと紹介するにふさわしい。

映画 『ウエスト・サイド物語』 にインスパイアされたショートフィルムでは、マイケルの真摯なメッセージ<BEAT IT=(争いごとに関わらずに)逃げろ!という非暴力主義>がわかりやすく打ち出されている。

なお、<バックダンサーを従え、フォーメーションで群舞する>という現在では当たり前のフォーマットは、このショートフィルムが 『THRILLER 』 と並んで後世に大きな影響を与えたと言えるかも知れない。

■ BILLIE JEAN

『THRILLER』 が、アメリカン・ミュージック・アワードやグラミー賞に愉快なくらいたくさんノミネートされたとき、 僕は本当にこのアルバムの成功を実感しました。歓喜が止めようもなく押し寄せてくるのを感じたのを覚えています。 僕は喜びのあまり歓声をあげ、家の周りで、叫びながら踊ったものでした。 マイケル・ジャクソン:自伝『ムーンウォーク』より

当時の<最先端>ブラック・ミュージックにして同時に<普遍性>をまとっていたダンス・チューンで、マイケルのキャリア最大のヒット曲。

「BILLIE JEAN」 は1981年の開局以来、MTVで事実上初めてヘヴィーローテーションされたアフリカ系アーティストのビデオだった(それまでMTVはアフリカ系アーティストのビデオをほとんどオンエアしなかった)。

マイケルはこの曲のショートフィルムの製作にあたり、“ショーウィンドウのマネキンたちに命が宿って自分と一緒に踊り出す”、というアイデアを監督に提案していたそう。この案は予算の関係で実現しなかったが、以降マイケルのショートフィルムの大きな見どころになっていく群舞が 「BILLIE JEAN」 で披露される可能性があったという事実は非常に興味深い。

黒いハットに片手だけの白い手袋、スパンコール入りのジャケット、クロップト丈のパンツに白い靴下とローファーを組み合わせたマイケルのアイコニックなイメージは、この曲のライヴパフォーマンスの絶対的定番衣装。

モータウン創立25周年式典のステージで 「BILLIE JEAN」 をパフォーマンスしたマイケルは、そこで初めてムーンウォークを披露。SNSやインターネットの無い時代ながら、ムーンウォークは瞬く間に地球規模のミームと化した。

その他、革新的なマイケルのMVセレクションはこちら

<人類史上最大セールス>を記録したモンスター・アルバムが、新たな興奮と共に今再び甦る!!

マイケル・ジャクソン|スリラー<40周年記念エクスパンデッド・エディション>

マイケル・ジャクソン|スリラー<40周年記念エクスパンデッド・エディション>

DISC1|スリラー:オリジナル・アルバム(全9曲)

DISC2|『スリラー』 制作時の完全未発表デモ&レア音源集(全10曲)

商品展開写真

■シルバー・スリーブケース仕様

■28Pカラー・ブックレット

2022年11月18日発売/デジタル配信

※フィジカル商品:CD2枚組|品番SICP31586-7  税込¥4,400(税抜価格¥4,000)

マイケル・ジャクソン - バイオグラフィー

1958年8月29日、米インディアナ州ゲイリー生まれ。1966年、兄弟とともにジャクソン・ファイヴを結成、モータウ・レコードからデビューすると「帰ってほしいの」、「ABC」など次々に大ヒットを飛ばして70年代初めの音楽シーンを彩る。EPICレコードに移籍してソロ転身後、1982年に発表した『スリラー』はMTV時代を象徴し、なおかつ革新的なミュージック・ビデオの効果も手伝って1億枚以上の驚異的なセールスを記録。その後も『BAD』(1987)、『デンジャラス』(1991)などモンスター・アルバムを連発し、“キング・オブ・ポップ”として世界のポピュラー・ミュージック・シーンの頂点に君臨。シンガーとしてだけでなく、ソングライター/コンポーザー/ダンサー/音楽プロデューサー/ビジュアル・プロデューサーとして、あらゆる分野でPOPミュージックの最高到達点を示し、いまなお後年のアーティストやクリエイターたちに計り知れない影響を与え続けている。2009年の急逝後も人気は衰えず、マイケルの音楽的な偉業と、パフォーマーとしてのかけがえの無い存在感への評価、そして何よりマイケルが生涯に亘って発信し続けた普遍のメッセージと人間的な魅力への共感は、国籍・人種・性別も超え、あらゆる世代に及んでいる。