シンガー・ソングライターの重鎮レナード・コーエンの2年振りの新作、本日発売。本人登場のイベント映像も公開中!
グラミー生涯功労賞、ロックの殿堂入り、カナダ勲章の最高位であるコンパニオン認定され、2011年にはアストゥリアス皇太子賞の文学部門を受賞と数々の名誉に輝いているカナダ出身のシンガー・ソングライター、詩人、小説家として活躍する重鎮。
その不変の価値を持つ詞や音楽などで、三世代にも渡って世界中の人々に影響を与え続けている稀有なアーティストといっても過言ではないレナード・コーエンの2年振りの新作がソニー・ミュージックから本日10月26日に発売となった。
レナード・コーエンの約2年振り、14作目のスタジオ・アルバム『ユー・ウォント・イット・ダーカー』について、ブックレットの中で本人が以下のように語っている。
「私の息子アダム・コーエンが『ユー・ウォント・イット・ダーカー』の制作に果たした役割に深く感謝します。彼の献身的な働きがなかったら、このアルバムがこの世に存在することはなかったでしょう。パット・レナードと私は、1年以上このアルバムの制作に熱心に取り組んできましたが、二人ともほぼ同時に、背中から腰にかけての痛みや、他のいくつかの不調に見舞われました。特に私の場合は苦痛が激しく、このプロジェクトを断念せざるをえませんでした。アダムは、生死とまではいわずとも、私の回復は私が仕事に復帰することにかかっていると感じました。彼はプロジェクトを引き継ぎ、私に歌わせるため医療用チェアにすわらせ、未完成の作品を完成させてくれました。もちろん、パットが書いた多くの印象深いフレーズはそのままに残しながら。これらの歌が現在の形で存在するのは、息子の愛のこもった励ましと熟達した制作能力のおかげです。感謝してもしきれません。」
2012年の前々作『オールド・アイティア』は全英アルバム・チャートで第2位(これは1969年以来の最高チャート)、全米アルバム・チャートで第3位を記録、2014年の前作『ポピュラー・プロブレムズ』も31カ国でiTunesチャート1位、10カ国でアルバム・チャート1位を記録するなど、ここ2作は共に世界的な大ヒットを記録。
大ベテランここ数年の活躍ぶりはには目を見張るものがある。そんな中、この6年で3作目というハイペースとなる新作『ユー・ウォント・イット・ダーカー』が発売される。82歳となった御大の制作意欲は衰えることを知らず、今作でも深淵な歌詞と心に沁みるメロディー、胸の奥にまで入り込む歌声でファンの心を鷲摑みにする作品となっている。
海外では10月21日に発売となっているが、既に様々なメディアで絶賛されている。
日本盤には菅野ヘッケル氏による書き下ろしの解説、三浦久氏による深遠な歌詞を堪能する為に不可欠な対訳と訳者ノートが付く。
アルバムの発売に先立って、10月13日にLAのカナダ大使邸にて、レナード・コーエン本人と息子で今作のプロデューサーのアダム・コーエンが出席するという貴重な新作のリスニング・イベントが開催され、その中で短い記者会見も行われた。
イベントの少し前に、アメリカの文学誌『ニューヨーカー』に掲載されたレナード・コーエンの記事で、現在82歳の彼が「もう死ぬ準備はできている」と語ったことが大ニュースになっていたことを受けて、さっそく、その発言について触れた。「あれは調子に乗って、ちょっと大げさに言いすぎた」とコメントをして、会場を笑わせ、「自分をドラマ化して語ってしまった。僕は永遠に生きるつもりだから」と話を続けた。
ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞した直後ということで、その受賞についてのコメントも求められ、「それは、エレベレストの頂上にメダルを飾るようなもの」と短く答えた。
ディランはすでに世界一で巨大な存在なので、その頂上に小さなメダルを飾ったところであまり意味がない、ということであろう。
また、コーエンが82歳でいまだになぜこれほど意味のある力強い作品が作り続けられるのか?という質問が出た時には、「それは僕よりもボブ・ディランに訊いたほうがいい」と再びディランへの敬意を表した。
作曲については「良い曲がどこからやってくるのかよく分からない。分かっていたらそこにいつでも行くように心がけるよ。人それぞれがマジカルなシステムを持っていて、それが何とかチャンネルを開いてくれたらいいと思っている。私の心は散らかっているので、頑張って、せめて生活環境はシンプルにしようと心がけている。そうしなかったら、隣の部屋に行くこともできないから(笑)。つまりどうやって曲を作るかは上手く説明がつかない」。
息子のアダムがプロデュースしたことについての質問には、「私はそれほど家族とは仲が良くないんだ」と冗談を言った後で、「今回彼の力を借りてアルバムが完成させられて嬉しい」と語り、自分は家族との関係性を深められてラッキーだと思うと話している。
神々しい中に、ユーモアに溢れ、どんなにシリアスな会話になっても、必ず笑いで締めくくってくれるのが素晴らしい。
オフィシャル・サイトでイベント映像が公開中です。
https://www.leonardcohen.com/
アルバム・タイトル曲「ユー・ウォント・イット・ダーカー」のリリック・ビデオが下記サイトで試聴可能です。
https://www.youtube.com/watch?v=YD6fvzGIBfQ
ジャーマン・テクノ界を代表するアーティスト、ポール・カークブレンナーによる同曲のリミックス・ヴァージョンも試聴可能です。
https://www.youtube.com/watch?v=xejva1SMP4E
商品情報
『ユー・ウォント・イット・ダーカー/レナード・コーエン』
国内盤発売日:2016年10月26日
品番:SICP-5076
価格:¥2400+税
歌詞・対訳付き
日本盤解説:菅野ヘッケル
対訳、訳者ノート:三浦 久
【収録曲】
01. ユー・ウォント・イット・ダーカー You Want It Darker
02. トリーティ Treaty
03. オン・ザ・レベル On the Level
04. リーヴィング・ザ・テーブル Leaving the Table
05. イフ・アイ・ディドン・ハヴ・ユア・ラヴ If I Didn’t Have Your Love
06. トラヴェリング・ライト Traveling Light
07. イット・シームド・ザ ・ベター・ウェイ Seemed the Better Way
08. ステア・ユア・ウェイ Steer Your Way
09. ストリング・リプリーズ/トリーティ String Reprise / Treaty