クーラ・シェイカー、大盛況に終わった東京公演のライヴ・レポートが到着!セトリ・プレイリストも公開中!
最新アルバム『ナチュラル・マジック』を引っ提げて1年ぶりの来日を果たしたクリスピアン・ミルズ率いるUKロック・レジェンド=クーラ・シェイカーが昨日2月15日(木)に開催された東京公演にてツアー・ファイナルを迎えた。会場となった六本木のEXシアターには大勢のファンが駆け付け、超満員のフロアが熱気と高揚感に包まれる中、19時ちょうどにライヴはスタート。新作のオープニング・ナンバー「ガスライティング」で幕を開け、その後は新旧の楽曲を織り交ぜた約1時間半以上に渡るセットを披露。大盛況の内にジャパン・ツアーの幕は閉じた。そんな熱狂冷めやらぬ本公演のライヴ・レポートをお届けする。
以下ライヴ・レポート:
クーラ・シェイカーが今、バンドとして油の乗り切った状態にあることが証明された、1年ぶりの来日公演だった。彼らの充実ぶりにはもちろん理由があって、その一つが2022年のジェイ・ダーリントン(Key)の再加入だった。ジェイは昨年の来日時からライヴには参加していたが、ニュー・アルバム『Natural Magick』では満を持してレコーディングにも復帰。彼がクーラのアルバム制作に携わるのはセカンドの『Peasants, Pigs & Astronauts』以来、実に25年ぶりのことだ。
25年ぶりにオリジナル・メンバーでのレコーディングが行われた『Natural Magick』が、クーラ・シェイカーのコアと呼ぶべきサウンドを取り戻した傑作になったのも頷ける。この日のライヴが同作のオープニング・チューン“Gaslighting”で幕を開けたのも、クーラの現在のモードを思えば当然だろう。“Gaslighting”はメロディアスなガレージ・チューンで、その後もクリスピアン・ミルズ(Vo & G)が「この曲は君たちに捧げる」と言って始まった“Waves”のウォーミーなサイケ・ポップ、ワウギターが唸るグルーヴ・チューンの“Natural Magick”etc.、新作の曲を立て続けに披露する。こうしてライヴで体験すると、『Natural Magick』が恐ろしくアンセミックなアルバムであることが確認できるし、生き生きと跳ね回るジェイのピーキーでカラフルなキーボード無くして、同作は生まれなかっただろうと改めて思った。
「日本に来られて嬉しいよ、『Natural Magick』のリリース後の初ツアーなんだ」とクリスピアン。その初ツアーを記念してか、25年ぶりに“S.O.S”をやってくれたのも往年のファンには嬉しいサプライズだった。中盤は“Grateful When You're Dead”を筆頭に、これまたクーラの十八番であるヘヴィなブルーズや、トリッピーなサイケデリック・チューンが続く。これらの曲はいつも以上にジャム的な展開が際立つパフォーマンスで、アロンザ・べヴァン(B)やポール・ウィンターハート(Dr)がバンドを引っ張る局面もあり、4人のコンディションの良さが端々から伝わってくるセクションだった。一方、“Rational Man”はこの日初披露された新曲。ニュー・アルバムを出したばかりの彼らが早くも次を見据えていることに驚かされたが、それだけバンドの未来に確信が持てているということだろう。“F-Bombs”ではオーディエンスとのコール&レスポンスも完璧にキマり、後半に向けていよいよ加速していく。
“303”以降は問答無用のキラー・チューンが連打され、場内は熱に浮かされたような興奮状態に!イントロのカウントから即ヒートアップした“Hush”はコーラスも大合唱だ。エルヴィス・プレスリーのようなシャツのフリンジを振り乱しながら、海老反りでギターを弾きまくるクリスピアンの勇姿は25年前から全く変わっていないし、これほどロック・スター、ギター・ヒーロー然とした振る舞いが絵になる人もなかなかいない。アンコールの“Tattiva”や“Govinda”では、彼のマントラ風ボーカルが誘う恍惚が熱狂に変わる瞬間にいつだってゾクゾクさせられてしまう。
クーラ・シェイカーは元々上手いバンドだが、彼らのその実力をとりわけ強く感じたステージだった。技巧的な上手さだけではない。しなやかな筋肉をバンドが再び取り戻したかのような肉体的な若々しさと、バンドを続けているピュアな喜びに満ちた精神的な若々しさが、クーラのパフォーマンスをさらに輝かせていた一夜だったのだ。
文:粉川しの
CREDIT: MITCH IKEDA
<東京公演セット・リスト>
INTRO
GASLIGHTING
WAVES
NATURAL MAGICK
INDIAN RECORD PLAYER
INFINITE SUN
SOS
START ALL OVER
GREATFUL WHEN YOU'RE DEAD
JERRY WAS THERE
RATIONAL MAN(new song)
SOUND OF DRUMS
SHOWR YOUR LOVE
STYX
IDON'TWANNAPAYMYTAXES
F-BOMBS
NARAYANA
STAT WITH ME TONIGHT
HAPPY BIRTHDAY
303
TATTVA
HUSH
HEY DUDE
GREAT HOSANNA
GOVINDA
東京公演セトリ・プレイリストがApple Music、Spotifyで公開中
【リリース情報】
Kula Shaker | クーラ・シェイカー
7thアルバム
『Natural Magick | ナチュラル・マジック』
<国内盤CD>
絶賛発売中(2024年2月2日発売)
① 日本独自企画完全生産限定盤
●特製レンチキュラー・マウスパッド付属
●SICX-30191 ●4,400(税抜価格 ¥4,000)
② 通常盤
●SICX-30193 ●2,750(税抜価格 ¥2,500)
[両形態共通特典]
・日本盤のみのボーナス・トラック「朝に会おう(ボブ・ディラン・カバー曲)」収録
・クリスピアン(vo,g)による各曲解説付
・高品質Blue-specCD2仕様
<トラック・リスト>
1. ガスライティング
2. ウェイヴス
3. ナチュラル・マジック
4. インディアン・レコード・プレイヤー
5. チュラ・リヤ (ユー・ストール・マイ・ハート)
6. サムシング・デンジャラス
7. ステイ・ウィズ・ミー・トゥナイト
8. ハッピー・バースデイ
9. アイドントワナペイマイタクシズ
10. F-ボムス
11. ウィッスル・アンド・アイ・ウィル・カム
12. カリフォルニア・ブルース
13. ギヴ・ミー・トゥモロー
日本盤のみのボーナス・トラック
14. 朝に会おう(ボブ・ディラン・カバー曲)
<輸入盤CD>
絶賛発売中(2024年2月2日発売)
<配信アルバム>
絶賛発売中(2024年2月2日発売)