深町純初のHYBRID盤(CD・SA-CD貼り合わせ)。名盤「オン・ザ・ムーブ」「深町純&ザ・ニューヨーク・オールスターズ・ライヴ」の2枚のアルバムから選りすぐりの11トラックを収録!「深町 純~Sessions 1978」絶賛発売中!!

2013.02.01

今回ソニー・ミュージックダイレクトからリリースされる「深町 純~Sessions 1978」に収録されている、1978年「On The Move」と「Jun Fukamachi & The New York All Stars Live」の2作品は特に、深町純の代表作である事にとどまらず、1970年代のクロスオーバーをも代表する傑作である。同時に、深町純がいち早く国内で実践を始めた70年代クロスオーバーの活動の、自身のリーダー作という形で残された最後の2作品でもあると言う事で、深町純の音楽活動の中で大きな転換期の作品とも言える。

●「On The Move」1978年
ここ日本でもクロスオーバーブームの絶頂期となりつつあった1978年(昭和53年)に発表された深町純の代表作。1975年から国内のアーティストとのセッションで作り上げた国産クロスオーバー作品群とは作風を変化させながら、1976年のリーダー作「Spiral Steps」、「Triangle Session」(1977年)、「The Sea Of Dirac」(1977年)、「Evening Star」(1977年)と、ニューヨークの若手実力派ミュージシャン達とセッションを重ねてきた。その多くは演奏者としてはもとより、プロデューサー・作曲者・アレンジャーとして個性を発揮したものだった。このアルバムはその集大成とも言える。
このアルバムの収録曲は、「Departure In The Dark」を省き全てアルバムのために作曲、編曲されているとの事(2009年の「On The Move」復刻CDのライナーより)。「Departure In The Dark」は、NHKのドラマ「早筆右三郎」のテーマ曲として書かれたものだったそうだが、深町純自身は思い入れのある曲だったのか、このアル
バムに収録された他にも後年に違うバージョンの演奏が残されている。今もコアなファンが多い、深町純と和田アキラとの双頭バンド「KEEP」の1994年のライブ盤「Keep Alive」にも収録。また、2012年11月に東京と神戸で行われたトリビュートライブ・イベント「【 Tribute for JUN 】 LIVE」において、和田アキラ率いる「KEEP レジェンド」がこの曲を熱演し深町純に捧げた。観客の歓声を大いに浴びたとても素晴らしい演奏だった。(東京セッション:和田アキラ(Guitar)、岡 雄三(Bass)、渡部チェル(key)、榎本吉高(Drums)、神戸セッション:和田アキラ(Guitar)、岡田治郎(Bass)、渡部チェル(key)、榎本吉高(Drums) )
また、「Dance Of Paranoia Op.2」は「On The Move」のオリジナル収録曲であるが、これより前、深町純と村上 " ポンタ " 秀一とのDuoによる1976年アルバム「Introducing "Ponta" Murakami ~ Jun Fukamachi(驚異のパーカッションサウンド!! ポンタ村上〜深町純)」で「Op.1」が収録されていたものの続編と考えられる。その他、「KEEP」の1981年アルバム「DG-581」では「Dance Of Paranoia Opus 3」が収録されている。それぞれセッションメンバーは違うが、聴き比べてみるのも面白い。

●「Jun Fukamachi & The New York All Stars Live」1978年
1978年(昭和53年)9月、東京の後楽園ホール及び郵便貯金小ホールで行なわれた伝説のライヴ録音盤。クロスオーバー/フュージョン史上における記念碑的な傑作。演奏されている曲目は各メンバー達の持ち寄りだが、各メンバーのオリジナル・アルバムに収録されている演奏よりも質が高いのではないかとも言われている曲もある。このような傑作アルバムが世に出るきっかけを作った深町純の功績は大きい。
深町純が同年発表したアルバム「On The Move」の制作にも主要サポートメンバーとして参加し、このライヴのためにアメリカから来日した各巨匠達はこの当時まだ「若手」だったが、このライブの後、特に1980年代以降は急速に世界的な知名度が上がり、音楽の世界で大きな影響力を持つようになった。「もはや再現不可能な超豪華メンバーによるライヴ」と言われる所以。ここ日本でもこのライブをきっかけに各メンバー達の知名度が一気に上がり、1980年代以降のフュージョンブームのきっかけとなった。
アルバム「Jun Fukamachi & The New York All Stars Live」は、過去に幾度かCDとして再発売された際もその度に好セールスを記録するなど、発表後数十年を経た現在もこのアルバムのファンは多い。ちなみに、このアルバムで深町純は他のリーダー作のように存在感や個性を十分発揮できていない印象があると指摘される事がある。これは生前、深町純自身も潔く認めている。しかし、それほどまでに来日した各メンバーの意気込みや迫力がもの凄いものだったという事を伺わせるエピソードでもある。

Text by 山尾 比呂士(ライナー原稿より抜粋)

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