カナダの天才ピアニスト、グレン・グールド生誕90周年・没後40年を記念してCD-BOX「バッハ:ゴールドベルク変奏曲1981未発表レコーディング・セッション・全テイク」9/30リリース決定!
グレン・グールド生誕90周年・没後40年特別企画
(2022年9月~2023年2月)
メディアの開く音楽の未来を信じて、コンサート活動を放棄し、録音に専念したカナダの天才ピアニスト、グレン・グールド(1932年9月25日-1982年10月4日)。彼が50歳でこの世を去ってから40年が過ぎたが、残された数々の録音の評価はますます高まりつつある。特に日本での人気は根強く、わが国ではグールドの正規録音の全作品がCD化され、著作集や伝記から彼を題材にした小説や戯曲まで、関連書が数十冊以上にわたり出版されている。また各種の映像番組や伝記映画も好評を博し、一部のマニアだけに愛されてきたグールドが一般の音楽ファンにも親しまれるようになってきた。
2022年は、グールドの生誕90周年にして、没後40年のメモリアル・イヤーでもあり、彼の残した録音もソニーミュージックからさまざまな形でのリリースが計画されており、本日、その内容の第1弾が発表された。
グールド・ファン待望の未発表蔵出し音源としては、「バッハ:ゴールドベルク変奏曲1981未発表レコーディング・セッション・全テイク」が9月30日、全世界同時発売される。これは、グラミー賞2部門を受賞した名盤として知られるグールド2度目の「バッハ:ゴールドベルク変奏曲」の発売40年を記念するもので、これまで未発表だったレコーディング・セッションの全テイクをオリジナルアルバムとともにCD11枚に収めたハードカバー・ブック仕様のボックスセットである。
また、日本独自企画としては、9月から11月にかけて、出世作であるバッハのゴールドベルク変奏曲のアナログ盤3タイトル、米コロンビア盤の発売日順に編成した「グレン・グールドの芸術」シリーズの前半30タイトル、日本初発売の秘蔵音源3タイトルが発売される。12月以降も、晩年の映像作品のブルーレイ化も含め、数多くのCD・BD・LPが発売されていく予定である。
これらは熱心なコア・ファンにも、そしてまだあまりグールドに触れたことのない人にも楽しめる貴重なシリーズであり、グールドの音楽的世界の多様性とその素晴らしさを再発見させてくれる内容となっている。記念イヤーにグールドの芸術に触れるための、絶好の手掛かりといえるだろう。
■バッハ:ゴールドベルク変奏曲1981未発表レコーディング・セッション・全テイク
未発表のレコーディング・セッションの全テイクをCD10枚に収め、グラミー賞2部門受賞のアルバムを加えたハードカバー・ブック仕様のボックスセット。
今から40年前の1982年9月2日――マイケル・ジャクソンの「スリラー」がヒットし、スティーヴン・スピルバーグの「E.T.」が封切られたのと同じ年のことだ――、グレン・グールドの2度目の「ゴールドベルク変奏曲」の録音が発売された。この時、26年前にグールドが世に出したこのバッハの傑作の最初の録音で開始された、彼の録音活動という円環がその環を閉じたのである。
グールドの最初の「ゴールドベルク」は、22歳の鬼才ピアニストが、勢いに満ちた快速テンポで描き上げた解釈であった。一方、この2度目の「ゴールドベルク」では、経験を積んだ円熟のアーティストとなったグールドが、ゆっくりとしたテンポで、細部の表情を豊かに描き上げた解釈であった。2度目の「ゴールドベルク」が発売されてからわずか5週間後、このカナダ生まれのピアニストは突然この世を去った―――そしてその後には、その年のグラミー賞で2部門*を受賞したこの名盤が残された。そしてこれは今でも世界中で最も多く聴かれているアルバムであり続けている。
*「ベスト・クラシカル・アルバム」部門と「ベスト・インストルメンタル・ソロイスト・パフォーマンス(オーケストラ抜き)」部門
グールドの生誕90年であり、亡くなってから―――つまり2度目の「ゴールドベルク」が発売されてから―――40年が経った今年、ソニークラシカルから『グレ・グールド/バッハ:ゴールドベルク変奏曲1981~コンプリート未発表レコーディング・セッション』がリリースされる。このセットは、今や古典となったこの録音がどのように創造されていったかを詳細に解き明かすものである。
CD11枚から構成されるこのセットには、グラミー賞2部門で受賞したアルバムそのもののほかに、1981年の録音セッションで記録されたすべてが含まれている。これらは1/4インチ・スピードのオリジナル・アナログ・マスターテープから24ビット/96kHzテクノロジーを使ってリマスターされた。ここには、すべての演奏テイクのほか、グールドとプロデューサーが交わす会話も記録されており、その内容はLPサイズのパッケージを兼ねるハードカバー・オールカラー、216ページの解説書に、作品全曲の楽譜とともに記載されている。
この解説書には、セッションがどのように進められたかについてのさまざまなドキュメント―――録音や発売にまつわるさまざまな書類の画像やプロデューサーの一人で作曲家として著名なアメリカ人のリチャード・アインホーンの回想記を含む解説―――が掲載されている。
グールドは、自らに名声をもたらした「ゴールドベルク」の最初の録音に否定的で、それゆえに2度目の録音でははっきりとわかるほどゆっくりした、スケールの大きな解釈を採用した。この点についてプロデューサーとしてセッションのディレクションの一部を担ったアインホーンは、こう回想している:「グールドのゴールドベルク』についての作品解釈は、1955年の1回目の録音から大きく変化していた。私見では、グールドは、各変奏の関連性を、緻密に計算されたテンポ配分を行うことで、実に明解に描き出した。それぞれの変奏のテンポは、続く変奏のテンポと密接に関連付けられているのである。こうすることによって、グールドは、アリアとすべての変奏とを音楽的に関連付けられたさまざまなテンポでまとめ上げることができたのだ。」
1981年4月と5月に、その多くの場合深夜まで時間を費やして、グールドとサミュエル・H・カーターに率いられたCBSマスターワークスの録音チームは、並行してグールドのバッハ・シリーズを映像収録していたフランス人の映像監督、ブリューノ・モンサンジョンとともに、「ゴールドベルク」全曲をテープに収めていった。
グールドの2度目の「ゴールドベルク」のセッションは、ニューヨークの有名なコロンビアの30丁目スタジオ―――マイルス・デイビス、フランク・シナトラ、レナード・バーンスタインらの名盤が数多く制作された伝説的な場所―――での最後のものだった。
グールドのファンならば、このセットは伝説的な「ゴールドベルク」解釈がどのように生み出されたかを克明に記録したドキュメントとしての底知れぬ価値に魅了されることだろう。そしてこのセットをもとにさらに研究を深めていけば、20世紀最大の音楽家の一人の仕事ぶりを理解する一助となるに違いない。
2022年9月30日発売予定 完全生産限定・予約受付中
品番:19439977422
価格:オープン価格(輸入盤)*
*ソニーミュージック出荷分には、グールド研究の第一人者宮澤淳一氏による解説、英文ライナーノーツの日本語訳などを掲載したスペシャル・ブックレット(B5サイズ予定/ページ数未定)が添付される。
【収録内容】
バッハ:ゴールドベルク変奏曲 BWV 988
[セッションでの対話に登場する人物]
グレン・グールド(ピアニスト)
サミュエル・H・カーター(CBSマスターワークス・プロデューサー)
リチャード・アインホーン(CBSマスターワークス・ディレクター)
ブリューノ・モンサンジョン(映像監督)ほか
[録音]1981年4月22日~25日、5月12日~16日、19日、29日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
CD 1: 1981年4月22日&23日: アリア、第1~4, 6, 7, 9, 10変奏
CD 2: 1981年4月23日: 第11~15変奏
CD 3: 1981年4月24日 & 25日: 第16~18, 8, 3, 1, 2, 4変奏
CD 4: 1981年4月25日: 第6, 7, 9, 10, 12変奏
CD 5: 1981年4月25日: 第13, 14, 16, 17, 8変奏
CD 6: 1981年5月12日: 第19, 21~25変奏
CD 7: 1981年5月13日: 第25~30変奏
CD 8: 1981年5月14日&15日:アリア・ダ・カーポ、第20, 5, 26, 27, 29, 24, 30変奏, アリア
CD 9: 1981年5月16日: アリア、アリア・ダ・カーポ、第25, 20変奏
CD 10: 1981年5月16日&19日: 第25, 5, 24, 10, 14, 25, 8変奏
CD 11: バッハ:ゴールドベルク変奏曲 BWV 988(全曲/最終編集版)[アナログ・マスター編集版/DSDマスタリング(2002年)]
■グールド秘蔵音源シリーズ(3タイトル) ※日本盤初発売
2022年9月21日発売
定価:各¥2,860(税込) BSCD2/MONO
グールド秘蔵ライヴ~バッハ、ベートーヴェン、シェーンベルク:ピアノ協奏曲集
品番:SICC-30611
バッハ:ゴールドベルク変奏曲&4つの前奏曲とフーガ(1952年&1954年CBC放送録音)
品番:SICC-30612
若き日のグレン・グールド 1947~53年レコーディング
品番:SICC-30613
■グレン・グールドの芸術 シリーズ(全60タイトル)
(2022年9月21日~ 2023年2月22日)毎月10タイトル発売
「ベスト・クラシック100極」シリーズ以外のグールドのアルバム全60タイトルを2015年のリマスター盤BSCD2音匠盤でリリースいたします。今回は、米コロンビア盤のオリジナル・アナログ盤のジャケットのデザイン、収録曲、ライナー・ノーツを極力踏襲し、演奏者とレコード会社が最初に意図したものを知っていただき、当時のグールドの音楽受容を回顧できるような形で企画されました。また、オリジナル発売日順での編成となり、グールド年代記(クロニクル)としてもご鑑賞いただけます。
定価:各¥1,650(税込)(1CD)¥2,420(税込)(2CD/13「R.シュトラウス:イノック・アーデン」)
2022年9月21日発売
1 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番~第32番 SICC-30621
2 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番/バッハ:ピアノ協奏曲第1番 SICC-30622
3 バッハ:パルティータ第5番&第6番、平均律クラヴィーア曲集第2巻~2つのフーガ
SICC-30623
4 ハイドン:ピアノ・ソナタ第59番/モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番、幻想曲とフーガ
SICC-30624
5 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番/バッハ:ピアノ協奏曲第5番 SICC-30625
6 ベルク:ピアノ・ソナタ/シェーンベルク:3つのピアノ曲/クルシェネク:ピアノ・ソナタ第3番
SICC-30626
7 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 SICC-30627
8 バッハ:イタリア協奏曲、パルティータ第1番&第2番 SICC-30628
9 グールド:弦楽四重奏曲 作品1 SICC-30629
10 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 SICC-30630
2022年10月26日発売
11 バッハ:フーガの技法より(コントラプンクトゥス第1番~第9番) SICC-30631
12 モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番、シェーンベルク:ピアノ協奏曲 SICC-30632
13 R.シュトラウス:イノック・アーデン SICC-30633
14 バッハ:パルティータ第3番&第4番、トッカータ ト短調 SICC-30634
15 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第5番~第7番 SICC-30635
16 バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 SICC-30636
17 シェーンベルク:ソロ・ピアノ作品全集 SICC-30637
18 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 SICC-30638
19 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」・第9番・第10番 SICC-30639
20 バッハ:ピアノ協奏曲第3番・第5番・第7番 SICC-30640
2022年11月23日発売
21 20世紀カナダの音楽 SICC-30641
22 モーツァルト:ピアノ・ソナタ集 第1巻(第1番~第5番) SICC-30642
23 バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年録音/疑似ステレオ盤) SICC-30643
24 ベートーヴェン/リスト編:交響曲第5番「運命」 SICC-30644
25 スクリャービン:ピアノ・ソナタ第3番/プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番 SICC-30645
26 モーツァルト:ピアノ・ソナタ集 第2巻(第6番・第7番・第9番) SICC-30646
27 バッハ:ピアノ協奏曲第2番&第4番 SICC-30647
28 シューマン:ピアノ四重奏曲&ピアノ五重奏曲 SICC-30648
29 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」・第14番「月光」・第23番「熱情」 SICC-30649
30 ベートーヴェン:変奏曲集 SICC-30650
12月以降の発売分30タイトルは後日発表予定。
■ゴールドベルク変奏曲 アナログ・コレクション ※完全生産限定盤
2022年9月28日発売
バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年録音/モノラル盤)
品番:SIJP-1065 定価:¥4,950(税込)
2022年10月26日発売
バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1954年CBC放送録音)
品番:SIJP-1067 定価:¥4,400(税込)
2022年11月23日発売
バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1959年ザルツブルク・リサイタル)
品番:SIJP-1068 定価:¥4,400(税込)
12月以降の発売分3タイトルは後日発表予定。