【訃報】ピアニスト/作曲家、ジョージ・ウィンストン(George Winston)
2023年6月4日、ピアニスト・作曲家のジョージ・ウィンストン(George Winston)が、73歳で亡くなりました。
1980年代からウィンダムヒル・レコードで多くの作品をリリースし、1980年のアルバム『オータム』は“ニューエイジ・ミュージック”と呼ばれ、現在の“ヒーリング(癒し)ミュージック”の先駆けとして異例のヒットを記録しました。なかでも「あこがれ/愛 (Longing/Love)」は、日本ではトヨタ自動車「クレスタ」のテレビCMで使われたほか、今もテレビ番組のBGMなどでたびたび使用され、幅広く知られています。1994年にリリースされた『フォレスト』は第38回グラミー賞・最優秀ニューエイジ・アルバム部門を受賞しています。また、ジャズやブルースなどアメリカン・ルーツ・ミュージックに造詣が深く多くの作品を残しました。これまでに通算1,500万枚以上のアルバム・セールスを記録しています。最新作は2022年にリリースされた『ナイト』(SICP 6456)。2010年、東京・サントリーホールでのコンサートが最後の来日公演となりました。
心からご冥福をお祈りいたします。
〈以下、ご本人のフェイスブックより抜粋〉
ジョージ・ウィンストンが癌との10年間にわたる闘病の末にこの世を去ったというニュースをお伝えすることに、深い悲しみを感じています。ジョージは2023年6月4日、眠っている間に静かに、そして痛みなくこの世を去りました。ジョージは、2013年に骨髄移植の手術を受けて以来、深刻な癌と勇敢に闘いました。治療中も、ジョージは新曲を書き、ライブ活動を続けました。彼がもっとも情熱を傾けていたのはライブで観客のために演奏することであり、人々の飢餓の問題を解決するために「フィーディング・アメリカ基金」を立ち上げ、コンサートの収益を地元のフードバンクに寄付しました。ジョージの音楽は2枚のアルバム、『Autumn』(1980年)と『December』(1982年)で人々に初めて知られるようになりました。ジョージの録音は時代とともに進化し、グラミー賞を受賞した『Forest』(1984年)を含む5部門のグラミー賞にノミネートされ、これまでに1500万枚以上のアルバムを販売しました。ジョージはソロでのアコースティック・ピアノの演奏と作曲で高く評価され、世代を超えた人々の心を動かしています。モンタナ、ミシシッピ、フロリダで過ごした幼少期から、サンフランシスコのベイエリアに住み、世界中をツアーで回るようになった晩年に至るまで、アメリカの美しい風景と自然の季節が彼の独特なインストゥルメンタル・フォーク・ピアノを形成しました。ジョージの残したレガシーは、彼のカタログ、彼自身のアコースティック・ギターとハーモニカの録音アーカイブ、そして彼が運営したレコード・レーベル“Dancing Cat”のハワイアン・スラック・キー・アーティストによるアルバムなどです。
(中略)
ジョージ・ウィンストンの遺族は、プライベートなかたちで彼の追悼式を執り行う予定です。