全音楽ファン待望!20世紀の巨匠指揮者ブルーノ・ワルター。聴く者に限りない音楽の愛の力を与えてくれた、滋味深い最晩年のステレオ録音の全貌。
最新リマスタリング+SA-CDハイブリッド。「ブルーノ・ワルター全ステレオ録音SA-CDハイブリッド・エディション」発売開始!
ブルーノ・ワルター全ステレオ録音
SA-CDハイブリッド・エディション
全音楽ファン待望! 20世紀の巨匠指揮者ブルーノ・ワルター。
聴く者に限りない音楽の愛の力を与えてくれた、 滋味深い最晩年のステレオ録音の全貌。 最新リマスタリング+SA-CDハイブリッド。
◎シリーズについて
■ブルーノ・ワルター(1876-1961)がその晩年である1957年~61年にかけてコロンビアに残したステレオ録音は、この20世紀最大の巨匠指揮者による膨大なディスコグラフィの中でも最重要の演奏であり、その長い音楽活動のさまざまな経験と深い洞察とが結実した、文字通り録音の「世界遺産」ともいうべき名盤ぞろいです。
■80歳を超えた円熟のワルターの姿を刻印
1956年、ワルターはすでに80歳を迎え、メトロポリタン歌劇場での「魔笛」新演出、ウィーン、ザツルブルク、ニューヨークでの「レクイエム」など、モーツァルト生誕200年関連の演奏会を数多く指揮していますが、翌1957年3月には心臓発作で10か月間演奏活動の休止を余儀なくされ、公での演奏活動を大幅に減らすようになりました。そこに目を付けたのがコロンビアのプロデューサー、ジョン・マックルーアで、ステレオ録音という最新技術が軌道に乗り、家庭でのステレオ再生が現実化した状況で、ワルターのレパートリーの再録音を企画したのでした。ワルターも最初は自分のこれまでの録音が台無しになるのではないかと懐疑的であったものの、録音技術の進歩を目の当たりにし、ハリウッド・ビヴァリーヒルズの自宅近くで録音できるなら、という条件で同意しました。
1960年10月。
■特別編成のオケを優れた音響を誇るホールで3トラック収録
ワルターとの特別プロジェクトのために録音用のオーケストラ(コロンビア交響楽団)が特別に組織され、1920年代に建立された、抜群の音響効果を持つアメリカン・リージョン(アメリカ在郷軍人会)のホールで、コロンビアの誇る当時最新鋭の機材と3トラック技術で完璧に収録されました。ワルターの負担を減らすため、セッションは1日おきに平均して1回約3時間(しかもプレイバックを聞くための数回の休憩をはさむ)で組まれる形で、じっくりと時間をかけて進められました。ワルターによる緻密を極めたリハーサルは、すぐさま楽員たちの共感を呼び、オーケストラもワルターの手足のようにその指揮に敏感に反応するようになりました。
1960年、イストミンとのシューマンのピアノ協奏曲のセッションで。
■ワルター最重要のレパートリー
1958年1月8日、ベートーヴェンの交響曲第8番(初日は第2楽章を録音)に始まり、1961年3月31日のモーツァルトの序曲4曲に至るまで、約4年間でワルターの根幹のレパートリーであったドイツ・オーストリア系の交響曲・管弦楽曲が網羅的に録音されました。ベートーヴェンとブラームスの交響曲全曲、ハイドン、モーツァルト、シューベルト、ブルックナー、ドヴォルザークの主要交響曲、ワルターが最晩年まで演奏レパートリーに持っていた師マーラーの交響曲、ワーグナーの管弦楽曲集などが、鮮度の高いステレオ・サウンドで残されたのです。またシューベルト「未完成」とマーラー「大地の歌」についてはニューヨーク・フィルと、ベートーヴェンの交響曲第9番の第4楽章は、ハリウッドではなく、ニューヨークで(つまりハリウッドで組織されたコロンビア交響楽団とは異なるメンバーによるオーケストラで)収録されています。
1960年、イストミンとのシューマンのピアノ協奏曲のセッションで。
■日本にとっても特別な存在
綿密なセッションを積み重ねて生み出された演奏は、十分な情熱と力強さを保ちながらも叡智に溢れ、ワルターが育った19世紀後半の思潮である後期ロマン派の演奏様式を残しつつ、個々の作品への深い洞察、道徳的見地に立つ独自の音楽観などが反映された実に個性豊かなものです。1920年代のSP時代からレコード文化が根付いていた日本では、レコード・アーティストとしてのワルターは高い人気を誇り、その長い音楽活動の最終到達点としてワルターの人気を不動のものとしたのが、これらステレオ録音といえましょう。その人気は、ベートーヴェンの交響曲全集の発売に際してはワルター自らが吹き込んだ「日本の音楽愛好家の皆様へ」というヴォイス・メッセージがドーナツ盤として添付されるほどのもので、レコード・ファンの夢でもあったフランチェスカッティとのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の録音が日本の音楽ファンからの強いリクエストで実現したのも夙に知られていることです。
ピエール・フルニエ(左)、ジノ・フランチェスカッティ(右)と。
■メディアが変わっても受け継がれる名盤
初出時は日本コロムビア、そして1968年以後はCBSソニーと、LP時代を通じて、ワルターのステレオ録音はそのほぼ全貌が主要商品として販売され、さらに1983年にはコンパクト・ディスクという新しいメディアにも移し替えられ、常に途切れることなく日本の音楽ファンに聞かれ続けてきました。特に1983~84年のCD化「永久保存盤/ブルーノ・ワルターの芸術」は、オリジナル・プロデューサーであるマックルーアが直々にマスタリングを手掛けたことでも話題になり、「リミックス」リマスター」などという技術用語が音楽ファンに馴染みのものとなり、ひいてはCDというメディアの日本での普及を加速させることにもなりました。その後、CD時代だけでも1988年の「新ワルター大全集」、1992年「永遠の巨匠ワルターの芸術」、1996年「ブルーノ・ワルター不滅の記念碑 ステレオ録音」、1998年「全ステレオ録音 DSDマスタリング」と4回リニューアルされ、リマスターも最初期のマックルーア・リマスター→1996年のSBM20ビット・マスタリング+PDSL採用高音質CD→1998年のDSDマスタリングと変遷を重ね、常に時代の求める最新のサウンド蘇ってきました。
1983年、日本のCBSソニーが発売したワルター最初のCDシリーズ(35DCシリーズ)
■ワルター初の本格的ハイブリッドディスク商品
ワルターの全ステレオ録音を作曲家別に体系的にハイブリッドディスクとしてリイッシューする当シリーズは、ワルター初の本格的ハイブリッドディスク商品となり、日本でのみ販売されます。これは日本のソニー・ミュージックとソニー・クラシカルとの「ブルーノ・ワルター・リイッシュー」共同プロジェクトとして企画されたもので、日本では全ステレオ録音がハイブリッドディスクの6つのボックス・セットとして発売され、ワールドワイドではワルターのモノラルも含むコロンビアへの全録音が77枚組のメガ・ボックス・セットで発売されることになっています。ステレオ録音の復刻に当たっては、ペンシルヴァニア州の山中にある広大なテープ・アーカイヴで厳重な温度・湿度管理のもと保管されているオリジナル・アナログ・3トラック・マスターの現物をすべてニューヨークに取り寄せ、極めてデリケートなアナログ・テープを丁寧に修復した上で、最適の条件で慎重にプレイバックして音採りし、ステレオへのリミックスを新たに行いました。今回は1998年以来21年ぶりの新規リミックス&リマスターとなるもので、これによって21世紀の現代に、これらの歴史的な価値を持つ録音が再び生き生きと蘇ります。
■リマスタリング・エンジニア=アンドレアス・K・マイヤー(マイヤー・メディアLLC)
リマスタリングを手掛けるのは、アメリカ人のアンドレアス・K・マイヤー。マイヤーは長年ソニー・ミュージック・スタジオのエンジニアを務め、ジョシュア・ベル、ヨーヨー・マ、ニューヨーク・フィルなどのレコーディングに関わりつつ、SP時代から現代に至るさまざまな録音の復刻に携わってきました。現在は自ら「マイヤー・メディアLLC」を立ち上げ、ニューヨークにある「スワン・スタジオ」を本拠に、レコーディング、マスタリング、そしてレーベルを主宰しています。 グレン・グールドの録音のリマスタリングに深く関わり、日本での「グレン・グールド紙ジャケット・コレクション」(2007年)、「グレン・グールド・リマスタード~ザ・コンプリート・ソニークラシカル・アルバム・コレクション」(2015年)には全面的にリマスタリングを担当、グールド・サウンドの新たなスタンダードを作り上げています。また「ウラディミール・ホロヴィッツ 未発表ライヴ・レコーディング1966-1983」、「グレイト・モーメンツ・アット・カーネギー・ホール」、さまざまなアーティストの「オリジナル・アルバム・コレクション」など、ソニー・クラシカルのさまざまなリイッシュー・プロジェクトの実現にはかかせないエンジニアです。2017年に発売された「レナード・バーンスタイン~ザ・コンポーザー」ではグラミー賞を受賞しています(「ベスト・ヒストリカル・アルバム」)。 http://www.meyer-media.com/
シリーズ発売予定
完全生産限定盤 ベートーヴェン以降、発売日・価格は未定/カップリング・仕様は変更になる場合もございます。
第1回発売
モーツァルト&ハイドン:交響曲集・管弦楽曲集
■6枚組 5ハイブリッドディスク+1CD:SICC-10279~84
■発売日: 2019年11月6日 *当初ご案内した発売日から変更になりました。ご了承ください。
■定価: ¥12,000+税
DISC1 モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」・第36番「リンツ」・第38番「プラハ」
DISC2 交響曲第39番・第40番・第41番「ジュピター」
DISC3 ハイドン:交響曲第88番・100番「軍隊」
DISC4 ヴァイオリン協奏曲第3番・第5番(ヴァイオリン:ジノ・フランチェスカッティ)
DISC5 アイネ・クライネ・ナハトムジーク&序曲集(生涯最後の録音)
DISC6(通常CD) 「ブルーノ・ワルター、自らを回想する」「ブルーノ・ワルターとの夕べ」
ベスト・オブ・ブルーノ・ワルター
■品番 1ハイブリッドディスク:SICC-10285
■発売日: 2019年10月16日
■定価: ¥1,500+税
第2回発売 2019年11月27日発売 *当初ご案内した発売日から変更になりました。ご了承ください。
ベートーヴェン:交響曲全集・ヴァイオリン協奏曲
■9枚組=7ハイブリッドディスク+2CD
DISC1 交響曲第1番・第2番
DISC2 交響曲第3番「英雄」&「コリオラン」序曲
DISC3 交響曲第4番・第5番「運命」
DISC4 交響曲第6番「田園」・「レオノーレ」序曲第2番
DISC5 交響曲第7番・第8番
DISC6 交響曲第9番「合唱」
DISC7 ヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン:ジノ・フランチェスカッティ)
DISC8(通常CD) ワルター・イン・リハーサル(交響曲第5番)
DISC9(通常CD) ワルター・イン・リハーサル(交響曲第4番・第7番・第9番)
日本の音楽愛好家の皆様へ(ワルターのメッセージ/日本初CD化)
第3回発売 2019年12月18日発売予定
ブルックナー:交響曲集&ワーグナー:管弦楽曲集
■5枚組=4ハイブリッドディスク+1CD
■定価: ¥10,500+税
DISC1 ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」
DISC2 ブルックナー:交響曲第7番 ワーグナー:「ローエングリン」第1幕への前奏曲
DISC3 ブルックナー:交響曲第9番 ワーグナー:ジークフリート牧歌
DISC4 ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲 歌劇「さまよえるオランダ人」序曲 舞台神聖祭典劇「パルジファル」第1幕への前奏曲と聖金曜日の奇跡 歌劇「タンホイザー」序曲とヴェーヌスベルクの音楽
DISC5(通常CD) ワルター・イン・リハーサル(ジークフリート牧歌)
第4回発売 2020年1月15日予定
ブラームス:交響曲全集・管弦楽曲・協奏曲・声楽曲集
■品番 6枚組 5ハイブリッドディスク+1CD:SICC-10306~11
*当初ご案内した収録内容と枚数が変更になりました
■定価 ¥12,000+税
DISC1 交響曲第1番、アルト・ラプソディ・運命の歌
DISC2 交響曲第2番・大学祝典序曲
DISC3 交響曲第3番・ハイドンの主題による変奏曲
DISC3 交響曲第4番・悲劇的序曲
DISC5 ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 (ヴァイオリン:ジノ・フランチェスカッティ、チェロ:ピエール・フルニエ)
シューマン:ピアノ協奏曲(ピアノ:ユージン・イストミン)
DISC6(通常CD)
ワルター・イン・リハーサル(ブラームス:交響曲第2番第1楽章、第3番第1楽章 ニューヨーク・フィルハーモニック)
ブルーノ・ワルター、指揮について語る
ブルーノ・ワルター・ポートレイト(ドイツ語、日本未発売)
第5回発売
シューベルト&ドヴォルザーク:交響曲集
■4枚組=3ハイブリッドディスク+1CD
DISC1 シューベルト:交響曲第8番「未完成」・交響曲第5番
DISC2 交響曲第9番「ザ・グレイト」
DISC3 ドヴォルザーク:交響曲第8番「イギリス」・第9番「新世界より」
DISC4(通常CD) コロンビア・マスターワークス・アーティストによる「ブルーノ・ワルター賛」(日本未発売) ロッテ・レーマン、エツィオ・ピンツァ、ジョージ・ロンドン、ラウリッツ・メルヒオール ヨーゼフ・シゲティ、レナード・バーンスタイン、レナード・ローズ ジョン・コリリアーノ、ウィリアム・ウォーフィールド、ジェニー・トゥーレル ゴッダード・リーバーソン
第6回発売
マーラー:交響曲集
■6枚組=5ハイブリッドディスク+1CD
DISC1 交響曲第1番「巨人」、さすらう若人の歌(メッゾ・ソプラノ:ミルドレッド・ミラー)
DISC2 交響曲第2番「復活」 (ソプラノ:エミリア・クンダリ、コントラルト:モーリン・フォレスター、ウエストミンスター合唱団)
DISC3 交響曲「大地の歌」 (テノール:エルンスト・ヘフリガー、コントラルト:ミルドレッド・ミラー)
DISC4+5 交響曲第9番
DISC6(通常CD) ワルター・イン・リハーサル(交響曲第9番) アーノルド・ミヒャエリスとの対話(全曲は日本初登場)
特別編
ブルーノ・ワルター&ウィーン・フィル・ライヴ
■3枚組(ハイブリッドディスク)
DISC1 モーツァルト:交響曲第40番(1952年ウィーン)・第25番(1956年ザルツブルク)
DISC2 モーツァルト:レクイエム(1956年ウィーン) (リップ、レッスル=マイダン、デルモータ、エーデルマン、ウィーン楽友協会合唱団)
DISC3 マーラー:交響曲第2番「復活」(1949年ウィーン) (チェボターリ、アンダイ、ウィーン国立歌劇場合唱団)