収録曲

CD1

<第1部>

ヨーゼフ・シュトラウス
01. スーブレット・ポルカ 作品109

ヨハン・シュトラウス2世
02. キス・ワルツ 作品400

ヨーゼフ・シュトラウス
03. 劇場カドリーユ 作品213

ヨハン・シュトラウス2世
04. ワルツ「山の上から」 作品292

フランツ・フォン・スッペ
05. 喜歌劇「軽騎兵」 序曲

<第2部>

ヨーゼフ・シュトラウス
06. ワルツ「天体の音楽」 作品235
07. ポルカ「糸を紡ぐ女」 作品192

リヒャルト・ワーグナー
08. 歌劇「ローエングリン」 第3幕への前奏曲

ヨーゼフ・ヘルメスベルガー2世
09. ポルカ「二人きりで」

CD2

ヨーゼフ・シュトラウス
01. ワルツ「金星の軌道」 作品279
02. ポルカ「ガロパン(使い走り)」 作品237

ヨーゼフ・ランナー
03. シュタイヤー風舞曲 作品165

ヨハン・シュトラウス2世
04. メロディ・カドリーユ 作品112

ジュゼッペ・ヴェルディ
05. 歌劇「ドン・カルロス」 第3幕のバレエ音楽より プレスティッシモ

ヨハン・シュトラウス2世
06. ワルツ「レモンの花咲くところ」 作品364

ヨハン・シュトラウス1世
07. 幻想曲「エルンストの思い出 または ヴェネツィアの謝肉祭」 作品126

<アンコール>

ヨーゼフ・シュトラウス
08. ポルカ「おしゃべりなかわいい口」 作品245
09. 新年の挨拶

ヨハン・シュトラウス2世
10. ワルツ「美しく青きドナウ」 作品314

ヨハン・シュトラウス1世
11. ラデツキー行進曲 作品228

この11曲はニューイヤー・コンサート初登場の作品であることを示す。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:フランツ・ウェルザー=メスト
[録音]2013年1月1日、ウィーン、ムジークフェラインザールでのライヴ・レコーディング

ブルーレイディスクおよびDVD 2013年2月13日発売予定

[DVD]
2013年2月13日発売予定
SIBC-177 ¥4,935(税込)

Sony Music Shopはこちら

[ブルーレイディスク]
2013年2月13日発売予定
SIXC-2 ¥5,985(税込)

Sony Music Shopはこちら

  • 演奏曲目全曲収録
  • 演奏会の映像監督は、2012年のニューイヤー・コンサートと同様、ウィーン出身で、ティーレマン指揮のベートーヴェン交響曲などの収録も手掛けてきた女流監督のカリーナ・フィビヒ。2012年に初めてお目見えしたカムキャット・カメラを含む全13台のカメラを駆使して描き出す、豪華絢爛な映像作品です。
  • 本編は基本的にORF経由で世界に放映されたTV映像と同じですが、TV放映時にバレエが挿入された「ガロパン(使い走り)」と「レモンの花咲くところ」の2曲のみ、バレエなしのフル・コンサート・ヴァージョンが収録されています。この2曲のバレエの入ったヴァージョンは特典映像に収録されています。
  • ワルツ「山の上から」 、シュタイヤー風舞曲 、ワルツ「美しく青きドナウ」の3曲については、部分的に、オーバーエステライヒ州やシュイアイヤマルク州、古城街道やドナウ川の風景映像が挿入されています。ブルーレイディスクにだけ、この3曲の演奏シーンのみのフル・コンサート・ヴァージョンが収録されています。
  • 特典映像
  • 「ハネムーン」[監督:パトリック・プライスニッツァー](23分33秒)
    若いカップルが巡るシュロス・ホーフ宮殿をはじめとするニーダーエステライヒ地方の名所旧跡を、音楽とともに紹介する美しい映像作品。音楽はウィーン・フィルのメンバーほかによる室内楽。ヨーロッパではニューイヤー・コンサートの休憩時間にオンエアされたもので、日本でも一部がNHK放映されました。
  • ポルカ「ガロパン(使い走り)」、ワルツ「レモンの花咲くところ」のバレエ・シーン
    バレエ:ウィーン国立バレエ団/振り付け:アシュレイ・ペイジ/衣装:ヨハン・エンゲルス
    振り付けを担当するアシュレイ・ペイジは、ロイヤル・バレエのプリンシパルで元スコティッシュ・バレエ芸術監督。2013年が生誕350年の記念の年となるオイゲン公の夏の離宮で、見事なバロック建築で知られるシュロス・ホーフ宮殿で撮影が行われています。
  • ワルツ「山の上から」 作品292 [フル・コンサート・ヴァージョン](TV未放映)[ブルーレイディスクにのみ収録]
  • シュタイヤー風舞曲 作品165 [フル・コンサート・ヴァージョン](TV未放映)[ブルーレイディスクにのみ収録]
  • ワルツ「美しく青きドナウ」 作品314 [フル・コンサート・ヴァージョン](TV未放映)[ブルーレイディスクにのみ収録]

2013年のニューイヤー・コンサートについて

世界70カ国4億人の心に届く世紀のクラシック・コンサート

毎年1月1日に行なわれるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるニューイヤー・コンサート。クラシック音楽の中でも最も有名なコンサートであり、ウィーンの誇る黄金のムジークフェラインザールからTVとラジオを通じて世界70カ国以上に放送され、4億人が視聴するというビッグ・イベント。

音楽ファンの憧れ ー 新年恒例の楽しく華やかなシュトラウスの調べ

1939年に始まる70年以上の歴史を誇るこのコンサートも2013年で73回目を数えます。音楽の都ウィーンを象徴するシュトラウス一家のワルツやポルカが演奏される華やかなイベントで、そのチケットは世界一入手困難と言われています(20万円以上)。またその模様は毎年CD/DVD/ブルーレイによってソフト化され、クラシック音楽のソフトとして大きなセールスを上げています。

生粋のオーストリア人、ウェルザー=メスト再登場

2012年に続き、2013年もソニー・クラシカルがこの伝統あるニューイヤー・コンサートのソフトをリリースします。2013年のニューイヤー・コンサートに登場するのは、オーストリア出身の名指揮者、フランツ・ウェルザー=メスト(1960年生まれ)。1988年にウィーン・フィル定期にデビューして以来、ウィーン・フィルにとって最も重要な指揮者の一人であり、2002年からはクリーヴランド管弦楽団、2010年からはウィーン国立歌劇場音楽総監督の要職を兼任、2011年にはニューイヤー・コンサートにも登場し、カラヤンおよびクライバー以来このコンサートに登場した初のオーストリア人指揮者となりました。この時は『カラヤンとクライバー以来もっとも美しいニューイヤー・コンサート。ウェルザー=メストはシュトラウス一家やランナー、ヘルメスベルガーの音楽がどのように響くべきかを完璧に把握している』(『オーストリア』誌)と絶賛されています。

所縁深いウェルザー=メストとシュトラウス一家

ウェルザー=メストの曽祖母アロイジア・ヴィルト(1867-1904)は、ウィーンのヒーツィングにある有名なカフェ・ドムマイヤーを創始したフェルディナンド・ドムマイヤー(1799-1858)の孫にあたります。カジノとダンスホールを兼ねたこのカフェは、ヨハン・シュトラウス1世やヨーゼフ・ランナーがたびたび演奏し、ヨハン2世が1844年にデビューを果たしたことでも知られる由緒ある場所で、まさにウェルザー=メストとシュトラウス一家との所縁の深さを感じさせます。ウェルザー=メストのシュトラウス一家への思い入れは熱く、その音楽を取り上げるニューイヤー・コンサートについてのこだわりも相当なものです。

生誕200年・ヴェルディとワーグナーを含む初登場曲11曲!

ウェルザー=メストにとって2度目のニューイヤー・コンサート出演となる2013年は、例年に比して、ニューイヤー・コンサート初登場曲が11曲と多数なのが大きな特徴です。その11曲のうち、2曲は2013年にそろって生誕200年のアニヴァーサリー・イヤーをむかえる2大オペラ作曲家ヴェルディとワーグナーの作品で、「ローエングリン」と「「ドン・カルロス」から1曲ずつ演奏されます(「ドン・カルロ」はウェルザー=メストがウィーン国立歌劇場の音楽監督就任後、ダニエレ・アバド新演出によるプレミエを手掛けた作品でもあります)。[ちなみに2011年のウェルザー=メスト初登場時には、生誕200年を記念して取り上げられたリストのメフィスト・ワルツ第1番を含む6曲のニューイヤー・コンサート初登場曲を演奏しています。]

ヨハン2世の繊細な弟、ヨーゼフ・シュトラウスをクローズアップ

また、ヨーゼフ・シュトラウスの作品が7曲取り上げられ、大きくクローズアップされているのも注目点。もともと音楽家になる意志がなく、建築や工学関係の仕事に就いていたヨーゼフは、兄ヨハン2世の説得を受け、1853年に作曲家・指揮者としてデビューしましたが、病弱だった彼は42歳という若さで急逝しました。「弟ヨーゼフの作品は、兄ヨハン2世よりも、もっと繊細な作風が特徴で、《天体の音楽》や《金星の軌道》の冒頭など、シューベルトを思わせるような繊細さがあります」(ウェルザー=メスト)。1月1日の本番には、ヨーゼフの曾孫にあたり、現在90歳のヘドヴィク・アイグナー=シュトラウスも来場予定です。

指揮者にちなむ第1部

第1部で演奏される「キス・ワルツ」はもともとシュトラウスが妻アンゲリカにささげた作品ですが、実はウェルザー=メストの奥様も同じ名前。「劇場カドリーユ」は、ウィーン国立歌劇場で仕事をするウェルザー=メストの姿が重ねられ、ヴェルディの「仮面舞踏会」やスッペの「軽騎兵」のテーマも登場します。さらにワルツ「山の上より」は、やはり山歩きが好きなウェルザー=メストらしい選曲といえるでしょう。

ワーグナーにちなむ第2部前半

シュトラウス一家はウィーンの聴衆にワーグナーの音楽を積極的に紹介したことで知られています。第2部の冒頭を飾る「天体の音楽」の息の長いメロディや、タイトルがずばり「さまよえるオランダ人」の一場面を想起させる「糸を紡ぐ女」など、ワーグナーへの傾倒を感じさせます。また「ローエングリン」は、1861年にウィーン宮廷歌劇場で上演された際、ワーグナー自身も上演に接しているという点で、ウィーンと因縁のある作品といえるでしょう。その時の歌劇場のオーケストラのコンサートマスターをつとめていたのがヨーゼフ・ヘルメスベルガーであり、その息子ヘルメスベルガー2世はウィーン・フィルの代表も務めたことのある作曲家で、そのポルカ「二人きりで」が取り上げられています。

ヴェルディとイタリアで締めくくられるコンサート

ヨーゼフの生前最後に演奏されたワルツ「金星の軌道」、そして急速なポルカ「ガロパン(使い走り)」というヨーゼフ作品2曲、さらにランナーの「シュタイヤー舞曲」に続いて、ヴェルディとイタリアにちなむ第2部後半が始まります。ヴェルディの歌劇「リゴレット」、「エルナーニ」、「マクベス」からのメロディを引用した「劇場のカドリーユ」に続き、ヴェルディ自身の「ドン・カルロス」からのバレエ音楽(最後のプレスティッシモの部分)が取り上げられ、ヨハン2世のイタリアへの愛を告白するかのようなワルツ「レモンの花咲くところ」へと続きます。ニューイヤー・コンサートを締めくくるのは、ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニスト、エルンストの変奏曲に基づく華やかな幻想曲「エルンストの思い出 または ヴェネツィアの謝肉祭」です。

日本でのOA予定

2013年1月1日、NHK教育TVおよびNHK-FMで生中継予定。1月中にNHKBSなどでも再放送予定。

プロフィール

フランツ・ウェルザー=メスト(指揮)

1960年8月16日、オーストリアのリンツ生まれ。生地の音楽学校で学び、ヴァイオリニストを目指すも、事故のため指揮者志望に転向し、ミュンヘン音楽大学で研鑽を積む。スウェーデンのノールショッピング交響楽団(1985〜91年)を皮切りに、ウィンタートール・コレギウム・ムジクム管弦楽団(1987〜90年)、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(1992〜96年)、チューリヒ歌劇場(1995〜2008年)のポストを歴任し、現在はクリーヴランド管弦楽団音楽監督(2002年〜)、ウィーン国立歌劇場音楽総監督(2010年〜)。これまで1992年と1995年にロンドン・フィル、2008年にチューリヒ歌劇場、さらに2010年にはウィーン・フィルおよびクリーヴランド管弦楽団と来日公演を行なっている。

2012/13年シーズンに、クリーヴランド管弦楽団音楽監督としての11年目のシーズンを迎えるウェルザー=メストだが、2008年にはその契約が同管の100周年にあたる2018年まで延長されている。近年このコンビはザルツブルク音楽祭や東京のサントリーホールにもレジデント・オーケストラとして登場、またモーツァルトのダ・ポンテ・オペラを舞台上演することで、クリーヴランド管のオペラ・オーケストラとしての新たな局面を開いている。2010年以来音楽監督をつとめるウィーン国立歌劇場では、ヒンデミット『カルディヤック』、ヤナーチェク『カーチャ・カバノヴァー』『死者の家から』、ヴェルディ『ドン・カルロ』の新演出を成功させ、2012/13年シーズンは、新演出のR.シュトラウス『ナクソス島のアリアドネ』とワーグナー『トリスタンとイゾルデ』のほか、ベヒトルフ演出によるワーグナー『指環』全曲の再演も手掛けることになっている。

録音・映像ソフトの面では、ロンドン・フィル首席指揮者時代にEMIへ多数録音。さらにチューリヒ歌劇場の公演の多くは映像収録され、モーツァルトからベルクのオペラまで多数のレパートリーがDVDとして発売されている。

「宇宙」をテーマにした2010年のウィーン・フィルのシェーンブルン宮殿での野外コンサートでは「スター・ウォーズ」の音楽を指揮(CD、DVDでDGより発売)。

近年クリーヴランド管弦楽団とはブルックナーの交響曲の映像を制作しており、これまで第5番、第7番、第8番(第1稿を使用)、第9番がリリースされているほか、2012年にはリンツの聖フロリアン教会で第4番「ロマンティック」(これも第1稿を使用)が収録されてシリーズが完結。さらにブラームスの交響曲と協奏曲の映像収録も予定されている。またザルツブルク音楽祭でのドヴォルザーク「ルサルカ」のライヴ録音もCDで発売されている。

2012年秋には、2012年5月にウィーン国立歌劇場でベヒトルフ演出によって上演されたR.シュトラウス「アラベラ」の映像がDVDおよびブルーレイで発売されている(ELECTRIC PICTURE)。ウェルザー=メストにとっては、チューリヒ歌劇場でのフレミングらと共演したフルードリヒ演出の舞台を2007年に収録した2映像以来2つめの「アラベラ」であり、ウィーン国立歌劇場音楽監督就任以降、同歌劇場での彼の仕事ぶりを記録した初の映像ソフトとなる。

ちなみにウェルザー=メストは、2011年のニューイヤー・コンサートのほかには、これまでロンドン・フィルとシュトラウスのアルバムを1枚録音し、さらにチューリヒ歌劇場では、シュトラウス没後100年を記念して蘇演した歌劇「シンプリツィウス」全曲録音も残している。2006年にクリーヴランド管弦楽団とカーネギー・ホールに客演した際のライヴDVDには、「芸術家の生涯」など、3曲のシュトラウス作品が含まれているほか、2011年の大みそかには恒例のウィーン国立歌劇場における「こうもり」全曲も指揮、その映像は世界各地でTV放映された。