ロス・ロンリー・ボーイズ LOS LONELY BOYS

ロックパンゴ ROCKPANGO

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4枚目のフル・スタジオ・アルバムで、彼らの初セルフ・プロデュース作となった。ジョニー・ウィンターやスティーヴィー・レイ・ヴォーンを育んだテキサスの大地から湧き上がるかのようなハード・ドライビングなサウンド、南部流ファンクネス、熱帯の湿り気を感じさせるラテン・テイスト、グルーヴ感溢れる演奏、見事なメロディとコーラス・ワークがひとつになった、まさに彼らにしか作れない傑作だ。タイトル・ナンバーでのヘンリーのギター・ソロも圧巻! 加えて、同作USデラックス盤と、09年のEP『1969』から全7曲ものボーナス・トラックが収録されている。中でもサンタナ、ビートルズ、ドアーズなどのカバー・ナンバーは必聴だ!

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新世代のブルース・ロックを高らかに鳴らすテキサスのパワー・トリオ! ロス・ロンリー・ボーイズ

PROFILE

ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス、クリーム、ベック・ボガート&アピス、スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブルなど、ギターをそのサウンドの中心に据えた優れたパワー・トリオ(3人組ロック・バンドのことを英語ではこう呼ぶ)は、いつの時代にもロック・シーンにおいて不可欠の存在だ。

ロス・ロンリー・ボーイズは、間違いなく現代におけるその代表格と言えるだろう。テキサス流ブルース・ロックをルーツとしながら、そこにラテン・テイストや、ビートルズを思わせるハーモニー、ポップなメロディ・センスなどを加えた彼らの音楽性は無敵であり、圧倒的な演奏力も大きな魅力となっている。

メンバーは、アメリカ・テキサス州サンアンジェロ出身のメキシコ系アメリカ人、ヘンリー(vo & g)、ジョジョ(vo & b)、リンゴ(vo & ds)のガルザ3兄弟。04年のメジャー・デビュー・アルバム『ロス・ロンリー・ボーイズ』は、シングル「ヘヴン」の大ヒットもあって、全米だけで約400万枚のセールスを記録。翌年の第47回グラミー賞では4部門(年間最優秀レコード、最優秀新人賞、最優秀ポップ・グループ、最優秀ロック・インストゥルメンタル)にノミネートされ、見事最優秀ポップ・グループ賞を受賞。その後のセカンド、サード・アルバムも高い評価を得、彼らはアメリカを代表するバンドのひとつとなった。

そして、2012年1月11日、ニュー・アルバム『ロックパンゴ』を、ついに国内リリース。続く2月7日には、渋谷クラブクアトロにて、記念すべき初来日公演が行われる!

ヘンリー・ガルザはこんなギタリスト!

ヘンリー・ガルザ

フェンダー・ストラトキャスターをトレードマークにするヘンリー・ガルザ。彼は、同じくテキサス出身で、ストラトを愛用したスティーヴィー・レイ・ヴォーンから大きな影響を受けている。太い弦を張り、それを半音下げチューニングして生み出す“テキサス・トーン”は、まさにSRV直系と言ってもいいだろう。
一方で、ラテン・タッチのナンバーではカルロス・サンタナを思わせる色気を漂わせるし、ニュー・アルバムに収録の「ロード・トゥ・ノーウェア」では、ジョージ・ハリスンを髣髴させるスライドまでこなしている。
ペンタトニック・スケールを中心とした音使いや、泣きのチョーキングなどのテクニックからは、彼のプレイの基本にブルースがあることが分かる。しかし、伝統的なブルースの枠組みに囚われることなく、楽曲のコード進行に合わせたフレージングなど、現代的なセンスをきらめかせるところもヘンリーの特徴だ。
また、ソロのみならず、バッキングの上手さも特筆しておきたい。アップテンポのナンバーでは、彼のファンキーなカッティングが大きな聴きどころとなっていることも多いし、スローな曲でのコード・トーンを分解したR&B的なバッキングなどは、ジミ・ヘンドリックスをも思わせる。
このように彼は、一見ストレート&シンプルに見えながらも、実は先人たちの様々なプレイを研究し、それらを消化して独自のスタイルを築き上げた、非常に多彩なギタリストなのだ。

このギタリストのファンにも絶対おススメ!

スティーヴィー・レイ・ヴォーン

スティーヴィー・レイ・ヴォーン

魂の奥底からほとばしり出る感情を、ギターで表現し尽くしたSRV。彼のDNAは、ヘンリーの中に色濃く受け継がれている。SRVファンの皆さんに、ぜひ同じテキサスの血を感じていただきたい。

カルロス・サンタナ

カルロス・サンタナ

カルロス・サンタナはロス・ロンリー・ボーイズを高く評価しており、共演もしている。貫禄ではまだ敵わないが、ヘンリーの持つラテン的熱さと哀愁は、サンタナ・ファンの心を捉えるはずだ。

(文●細川真平)

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