メジャーでの活動期間はたった4年足らずだったにもかかわらず、エレクトリック・ギターという楽器の表現力の限界をあっさりと超えてみせ、まさにギターの革新者とよばれるにふさわしい活動を繰り広げた稀代のミュージシャン、ジミ・ヘンドリックス。彼が謎の死を遂げてから40年がたった2010年、まさに満を持して登場したドキュメンタリーが本作だ。監督をつとめるのはビートルズの名高いドキュメンタリー「アンソロジー」や、ジミ関連ではバンド・オブ・ジプシーズの「ライヴ・アット・ザ・フィルモア・イースト」などを手掛けてきたボブ・スミートン。未公開の映像や写真、さまざまな証言などをもとに、90分以上に及ぶこのドキュメンタリーからは、ジミ・ヘンドリックスという存在がいかにして生まれ、いかにして巨大な存在となったのかを、これまでになく克明に描ききっている。ジミ・ヘンドリックス本人の語りによってドキュメンタリーは進行していくが、そのナレーションを、ブーツィー・コリンズ(Pファンクの名ベーシスト)が担当しているというのも大きな話題と言えるだろう。